公式資料をもとに整理

許可主任技術者とは(免状がなくても選べる設備・条件・申請書類)

許可主任技術者とは、電気主任技術者の免状を持たない人を、主務大臣の許可を受けて自家用電気工作物の電気主任技術者に選ぶ制度です(電気事業法第43条第2項)。許可を受けられるのは、出力500キロワット未満の発電所や最大電力500キロワット未満の需要設備などの小さな事業場に限られます。 対象の設備、選べる人の条件、申請書類、外部委託承認との違いを整理します。

公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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免状による選任と許可による選任の違い

e-Gov法令検索「電気事業法」の第43条は、事業用電気工作物の設置者に主任技術者の選任を求めています。原則は主任技術者免状の交付を受けている人から選びますが、自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)では、主務大臣の許可を受けて免状のない人を選ぶこともできます。

免状による選任と許可による選任の比較(電気事業法第43条)
項目免状による選任(第1項)許可による選任(第2項)
選ばれる人主任技術者免状の交付を受けている人免状の交付を受けていない人
対象の電気工作物事業用電気工作物自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)
事前の手続なし(選任後に届出)主務大臣の許可
選任・解任の届出(第3項)遅滞なく届け出る許可を受けて選任した場合は、選任の届出の対象から除かれる

どの免状でどこまでの設備を監督できるかは、電気主任技術者の第一種・第二種・第三種の監督範囲のガイドで整理しています。

許可の対象になる事業場

電気主任技術者の許可は、小規模な設備の設置工事のための事業場か、そのような設備だけを直接統括する事業場に限って行われます。許可の基準は、経済産業省の主任技術者制度の解釈及び運用(内規)の2(1)にあります。設備の上限は次のとおりです。

電気主任技術者の許可の対象設備(内規2(1)①)
設備許可の対象になる規模
発電所・蓄電所出力500キロワット未満
変電所電圧10,000ボルト未満
需要設備(受電設備)最大電力500キロワット未満
送電線路(直接統括の場合は配電線路を管理する事業場も)電圧10,000ボルト未満
非自航船に設置される電気設備発電所・蓄電所は出力1,000キロワット未満、需要設備は最大電力1,000キロワット未満

内規は、事業場がこの条件に当たり、選ぶ人が次の節の条件に当たり、そのうえで保安上支障がないと認められる場合に限って許可を行うと定めています。

事業場は、設置工事のための事業場(イ)と、これらの設備だけを直接統括する事業場(ロ)の2つに分けて書いています。 水力発電所のダム水路主任技術者には、土木の知識を基準にした別の許可基準が内規2(2)にあります。 内規は冒頭で、解釈はこの内規に限られず、十分な保安水準を確保できる根拠があれば適合と判断するとも述べています。

許可を受けて選べる人の条件

内規2(1)②は、選任しようとする人が次のいずれかに当たることを求めています。学歴や電気工事士の資格など、電気の知識を裏づける経歴が基準になります。

電気主任技術者として許可を受けて選べる人(内規2(1)②)
区分条件
イ高等学校またはこれと同等以上の教育施設で、主任技術者の資格等に関する省令第7条第1項各号の科目を修めて卒業した人
ロ第一種電気工事士の免状を持つ人(内規の括弧書きで除かれる人がいます)
ハ第一種電気工事士試験に合格した人
ニ・ホ旧電気工事技術者検定規則の高圧電気工事技術者の検定、または指定を受けた高圧試験に合格した人
ヘ最大電力100キロワット未満(非自航船用電気設備は300キロワット未満)の需要設備、または電圧600ボルト以下の配電線路を管理する事業場だけを直接統括する場合に限り、第二種電気工事士、または短期大学・高等専門学校の電気工学科以外の工学の学科で一般電気工学(実験を含む)の科目を修めて卒業した人
トイからホまで(ヘの場合はヘの2つ)と同等以上の知識と技能がある人

第二種電気工事士が対象になるのは、最大電力100キロワット未満の需要設備などに限られます。 500キロワット未満の需要設備で許可を受ける場合は、ヘ以外の区分(第一種電気工事士や所定の科目を修めた卒業など)に当たる必要があります。

選ばれる人は、原則として設置者の役員か従業員です。内規1(1)は、常時勤務する派遣労働者や、保安管理業務の委託を受けた会社の役員・従業員なら、 労働者派遣契約や委託契約に所定の3事項(主任技術者の意見の尊重、保安の指示に従うこと、職務の誠実な遂行)が定められている場合に限って選べるとし、 この取扱いは第43条第2項の許可にも同様に当てはまると定めています。

申請書類と届出の扱い

e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」の第54条は、許可を受けようとする人に、様式第45の主任技術者選任許可申請書と次の2つの書類の提出を求めています。

許可を受けて選任した場合は、法第43条第3項の選任の届出が要りません。 免状のある人を選ぶ場合の届出や、保安規程など自家用電気工作物の設置者の手続は、自家用電気工作物の設置者の手続のガイドにまとめています。 主任技術者に2つ以上の事業場を兼ねさせるときは、規則第52条第4項のただし書により、別に経済産業大臣などの承認が要ります(電気主任技術者の兼任承認のガイド)。

外部委託承認との違い

許可による選任は免状のない人を主任技術者として選ぶ制度で、外部委託承認は主任技術者を選任しない代わりに保安管理業務を委託する制度です。後者は規則第52条第2項と第53条にあり、対象は出力5,000キロワット未満の太陽電池発電所や、電圧7,000ボルト以下で受電する需要設備などです。

許可による選任と外部委託承認の比較
項目許可による選任外部委託承認
根拠法第43条第2項・規則第54条規則第52条第2項・第53条
主任技術者の選任する(免状のない人を選ぶ)しないことができる
申請書類の中心選任の理由と本人の知識・技能の説明書委託契約書の写しと相手方の要件を示す書類など
対象設備の例出力500キロワット未満の発電所、最大電力500キロワット未満の需要設備など電圧7,000ボルト以下で受電する需要設備、出力5,000キロワット未満の太陽電池発電所など

外部委託承認の対象設備、委託先の要件、申請書類は自家用電気工作物の外部委託承認制度のガイドで整理しています。 小規模事業用電気工作物は、法第43条第2項の許可の対象から除かれています(小規模事業用電気工作物のガイド)。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の設備が許可の対象になるか、本人の経歴が条件に当たるか、内規の最新の内容は、設備の所在地を管轄する産業保安監督部で確認してください。 この記事は、2026年10月13日に取得した内規の本文と、e-Govの条文に基づいています。

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