電気主任技術者の免状

電気主任技術者免状の取得ルート(試験合格・認定校卒業と実務経験年数)

電気主任技術者の免状は、電気主任技術者試験に合格する方法と、認定校を卒業して実務経験を積む方法の2通りで取得できます。認定校ルートの実務経験は、第三種で最短1年(大学卒)、第二種で最短3年(大学卒)、第一種で最短5年(大学卒)と、免状の種類と学歴で決まります。 この記事では、条文と省令の表をもとに、年数と申請先を整理します。

公開日: 2026-10-22 / 最終更新: 2026-10-22 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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2つのルート

免状は、学歴または資格と実務の経験を満たす人か、電気主任技術者試験に合格した人に、経済産業大臣が交付します。e-Gov法令検索「電気事業法」第44条第2項が根拠です。 第1号が学歴・資格と実務経験のルート、第2号が試験のルートで、試験は第一種から第三種までの免状に用意されています。

どちらのルートも、電気工事士の免状とは別の資格です。電気工事士は工作物の工事に従事するための資格で、電気主任技術者は設置者が選任して保安の監督をさせる資格です。違いは電気工事士・電気工事施工管理技士・電気主任技術者の違いで整理しています。

認定校ルートの実務経験年数(省令の表)

認定校ルートは、経済産業大臣の認定を受けた学校の電気工学に関する学科で、省令に定める科目を修めて卒業したうえで、免状の種類ごとの実務経験を積みます。学歴と実務経験の内容は、経済産業省令「電気事業法の規定に基づく主任技術者の資格等に関する省令」第1条の表に定められています (近畿産業保安監督部が公表する同省令の抄)。

認定校を卒業した場合の実務経験(卒業前の経験は2分の1で計算)
免状卒業した学校実務の内容(電圧)経験年数
第一種大学(短大を除く)等5万ボルト以上の電気工作物の工事・維持・運用卒業前の2分の1+卒業後で5年以上
第二種大学等1万ボルト以上卒業前の2分の1+卒業後で3年以上
第二種短大・高等専門学校等1万ボルト以上卒業前の2分の1+卒業後で5年以上
第三種大学等500ボルト以上卒業前の2分の1+卒業後で1年以上
第三種短大・高等専門学校等500ボルト以上卒業前の2分の1+卒業後で2年以上
第三種高等学校等500ボルト以上卒業前の2分の1+卒業後で3年以上

表の「卒業前の経験年数の2分の1と卒業後の経験年数との和」は、在学中の実務を半分に数えて、卒業後の実務と足した年数が基準に届けばよいという意味です。 実務の内容は電圧で区切られているため、500ボルト以上の電気工作物に関わる工事・維持・運用が対象になります。 どの経験が実務に数えられるかは、申請先の産業保安監督部で確認します。

下位の免状を持っている場合

第二種または第三種の免状を持っている人は、取得後に5年以上の実務を積むと、上位の免状を申請できます。省令の表では、第一種は第二種免状の交付後に5万ボルト以上の電気工作物で5年以上、第二種は第三種免状の交付後に1万ボルト以上の電気工作物で5年以上と定められています。 学歴のルートに当てはまらない人も、この形で段階的に上の免状を目指せます。

試験ルートと単位不足の補完

試験ルートでは、電気主任技術者試験に合格すれば、実務経験の年数を問われずに免状を申請できます。試験の日程や受験案内は電気技術者試験センターの電気主任技術者のページで、第一種・第二種・第三種ごとに案内されています。第三種の科目と手数料は電験三種の試験科目・合格基準・手数料にまとめています。

認定校を卒業しても、省令第7条第1項第2号から第4号の科目の一部を修めていない人(単位不足者)は、2科目を限度に、一次筆記試験の当該科目に合格することで、修めたものとみなされます。 対象になる科目の組合せは、省令第1条第2項に定められています。

免状の申請先

試験に合格した人の免状交付は電気技術者試験センターが受け付け、認定校卒業など試験合格以外の理由による免状交付は、各地域の産業保安監督部が窓口です。電気技術者試験センター「電気主任技術者の免状交付」は、試験に合格した人には結果通知書に免状交付申請書が同封され、申請から免状が交付されるまでおよそ2か月かかるとしています。 同ページは、センターの交付事務は平成9年度以降の合格者が対象で、認定校卒業等による交付や再発行は産業保安監督部へ問い合わせるよう案内しています。

自家用電気工作物の設置者にとっての意味

事業用電気工作物の設置者は、原則として、主任技術者免状の交付を受けている人から主任技術者を選任します。電気事業法第43条第1項の定めです。自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)では、主務大臣の許可を受ければ、免状のない人を主任技術者に選任できる制度もあります(同条第2項)。

自社で免状を持つ人を確保するか、外部へ委託するか、許可を受けるかの検討は、許可主任技術者制度、外部委託(承認)のガイドで確認できます。 免状ごとに監督できる範囲は電気主任技術者の第一種・第二種・第三種の監督範囲にまとめています。

窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。免状の交付要件の該当性は、管轄の産業保安監督部または電気技術者試験センターへ確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

次に知りたいことは、免状ごとの監督範囲(第一種・第二種・第三種の監督範囲)、 主任技術者の外部委託(外部委託承認制度)、 一般用と自家用の違い(一般用電気工作物と自家用電気工作物の違い)です。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。