公式資料をもとに整理

年5日の有給休暇の取得義務(対象・時季指定・罰則)

年10日以上の有給休暇が付与される従業員には、付与した日(基準日)から1年以内に、使用者が時季を決めて5日を取得させる義務があります。守らなかった場合は、労働基準法第120条により30万円以下の罰金の対象です。従業員を雇う電気工事業者が、対象者、5日に数える休暇、時季指定の手順、管理簿の作り方を、条文と厚生労働省の資料で確認します。

公開日: 2026-10-20 / 最終更新: 2026-10-20 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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先に結論:対象者と期限

労働基準法第39条第7項は、有給休暇の日数が10労働日以上である労働者について、そのうち5日を、基準日から1年以内に、労働者ごとに時季を定めて与えなければならないと定めています(e-Gov法令検索「労働基準法」)。厚生労働省の解説資料は、対象に管理監督者と有期雇用の労働者も含まれるとしています(厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」)。

年5日の取得義務の対象と期限(労働基準法第39条第7項)
確認する点決まり
対象になる人使用者が与えなければならない有給休暇が10労働日以上の労働者。管理監督者と有期雇用の労働者も含みます。
取得させる日数5日
期限基準日(有給休暇を付与した日)から1年以内
日を決める人使用者が、労働者ごとに時季を定めます。

たとえば4月1日に入社し、6か月後の10月1日に10日が付与された従業員なら、10月1日から翌年9月30日までの1年間に5日を取得させる必要があります。10日の付与日数は、勤続6か月で全労働日の8割以上出勤した場合です。勤続年数ごとの付与日数や、週の所定労働日数が少ない人の比例付与は年次有給休暇の付与日数のガイドで確認できます。

5日に数える休暇と数えない休暇

厚生労働省の解説資料は、使用者による時季指定、労働者が自ら請求して取得した日、労使協定による計画年休の3つのどれで取得しても、合計が5日に達すれば足りるとしています。合計が5日に達した時点で、使用者が時季を指定する必要はなく、指定することもできません。

年5日の取得義務に数える休暇と数えない休暇(厚生労働省の解説資料)
休暇の種類5日に数えるか
使用者が時季を指定した日数えます。
労働者が自分で請求して取得した日数えます。
労使協定による計画年休の日数えます。
半日単位の年休1回につき0.5日として数えます。
時間単位の年休数えません。
会社独自の特別休暇数えません。

半日単位の扱いは、厚生労働省のQ&Aに基づきます。使用者が時季を指定するときに意見を聴いて労働者が半日単位を希望した場合は、半日(0.5日)単位で取得させて差し支えなく、労働者が自分で取得した半日単位も、1回につき0.5日として差し引きます。

計画年休には、労働者が自分で請求して取れる日を最低5日残す必要があります。

時季指定の手順と就業規則への記載

厚生労働省の解説資料は、時季指定の手順を2段階で示しています。まず使用者が、労働者に取得時季の意見を聴きます。方法は、面談、年次有給休暇取得計画表、メール、システムなど任意です。

次に、聴いた意見を尊重するよう努めたうえで、使用者が取得時季を指定します。

休暇に関する事項は就業規則に必ず書く事項(労働基準法第89条)なので、使用者による時季指定を行う場合は、対象になる労働者の範囲と時季指定の方法を就業規則に書く必要があります。同じ資料に、条文例が載っています。就業規則の作り方と届出は就業規則の作成・届出のガイドで確認できます。

現場が止まる日の賃金の扱いと、年5日の取得の関係は休業手当と年5日の有給取得のガイドにもまとめています。

年次有給休暇管理簿の作り方と保存期間

労働基準法施行規則第24条の7は、有給休暇を与えたときに、時季、日数、基準日を労働者ごとに明らかにした書類(年次有給休暇管理簿)を作り、与えた期間中と期間の満了後に保存することを求めています。基準日が2つある場合は、第一基準日と第二基準日の両方を含めます。

保存期間は、条文の本則では5年間です。同じ規則の附則第71条が、当分の間は「五年間」を「三年間」と読み替えるとしているため、現在は3年間です(e-Gov法令検索「労働基準法施行規則」)。厚生労働省の解説資料も3年間と書いています。

管理簿は、労働者名簿や賃金台帳とあわせて作ることができ、必要なときにいつでも出力できる仕組みにしたうえで、システム上で管理しても差し支えありません。帳簿の様式は労働者名簿・賃金台帳のガイドで確認できます。

守らなかった場合の罰則

罰則は厚生労働省の解説資料の表に、現行の条文(e-Gov法令検索「労働基準法」)の刑の名称をあわせて示します。

年5日の取得義務に関する罰則(厚生労働省の解説資料)
違反の内容違反する条文罰則
年5日を取得させなかった労働基準法第39条第7項30万円以下の罰金(第120条)
時季指定をするのに就業規則に書いていない労働基準法第89条30万円以下の罰金(第120条)
労働者が請求した時季に有給休暇を与えなかった労働基準法第39条(第7項を除く)6か月以下の拘禁刑または30万円以下の罰金(第119条)

基準日ごとの確認チェックリスト

この整理で言えないこと

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の取得状況や就業規則は、所轄の労働基準監督署や総合労働相談コーナーで最終確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

次に知りたいことは、付与日数は年次有給休暇の付与日数のガイド、休日と休憩は休憩と週1日の休日のガイド、時間単位の取得とお盆などの計画的付与は時間単位年休と計画的付与のガイドです。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。