公式資料をもとに整理
一人親方の国民年金基金とiDeCo(加入条件・掛金上限)
電気工事の一人親方が国民年金に上乗せする制度のうち、国民年金基金は月6万8,000円まで、iDeCoと併用する場合は両方の掛金の合計で月6万8,000円までです。どちらも国民年金の第1号被保険者が対象で、保険料を免除されている人は入れません。国民年金基金は加入後に自分の都合でやめられず、加入すると付加保険料が不要になります。
公開日: 2026-10-12 / 最終更新: 2026-10-12 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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国民年金基金とiDeCoの違い
従業員のいない一人親方は、国民年金の第1号被保険者として国民年金に入ります。国民年金保険料の月額や納付期限は一人親方の健康保険と年金のガイドで整理しています。この記事は、その上に自分で上乗せする2つの制度を扱います。
国民年金基金連合会の資料によると、国民年金基金は国民年金に上乗せされる確定給付型の私的年金で、iDeCo(個人型確定拠出年金)は確定拠出型の私的年金です(国民年金基金連合会「ヒアリング資料」(2023年5月17日))。iDeCoは、連合会が個人型年金規約を定めて実施しています。
| 項目 | 国民年金基金 | iDeCo |
|---|---|---|
| 年金の型 | 確定給付型 | 確定拠出型 |
| 掛金の上限(現行) | 月6万8,000円(iDeCoとの合計) | 月6万8,000円(国民年金基金との合計) |
| 保険料の免除を受けている人 | 加入できない(法定免除の人は申出で加入できる) | 加入できない(障害基礎年金の受給者などは加入できる) |
| 掛金の所得控除 | 社会保険料控除 | 小規模企業共済等掛金控除 |
国民年金基金に加入できる人・できない人
国民年金基金に加入できるのは、日本国内に住む20歳以上60歳未満の国民年金の第1号被保険者です。自営業者とその家族、自由業、学生が含まれます。60歳以上65歳未満や海外に住む人は、国民年金に任意加入している場合に加入できます(国民年金基金連合会「加入条件・資格」)。
次の人は加入できません。第1号被保険者でも、保険料の免除を受けている人は対象外です(免除の条件は免除・納付猶予のガイド)。
- 厚生年金保険に加入している会社員(第2号被保険者)
- 厚生年金保険に加入している人の被扶養配偶者(第3号被保険者)
- 国民年金の保険料を免除されている人(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含む)
- 農業者年金の被保険者
障害基礎年金を受給しているなどの法定免除の人は、「国民年金保険料免除期間納付申出書」を年金事務所に出せば、保険料を納める期間は加入できます。産前産後・育児期間の免除を受けている人も加入できます。
法人化して会社の厚生年金に入るなど、第1号被保険者でなくなったときは、加入資格がなくなります。法人化と社会保険の関係は電気工事業者の健康保険・厚生年金保険のガイドで確認できます。
掛金の上限(月6万8,000円)と付加保険料
国民年金基金連合会の「掛金について」では、掛金の上限は月額6万8,000円と案内されています(国民年金基金連合会「掛金について」)。iDeCoにも加入している場合は、その掛金と合わせて6万8,000円以内です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 掛金の決まり方 | 給付の型、加入口数、加入時の年齢、性別で決まる |
| iDeCoとの関係 | iDeCoの掛金と合わせて月6万8,000円以内 |
| 納付方法 | 指定した金融機関の口座振替 |
| 前納 | 4月から翌年3月までの1年分を前納すると、0.1か月分の掛金が割引される |
| 遡って納められる期間 | 2年まで |
| 国民年金保険料の免除を追納した場合 | 加入後一定期間、掛金の上限が10万2,000円になる特例がある |
国民年金基金に加入すると、国民年金の付加保険料を納める必要がなくなります。連合会は、基金が付加年金を代行しているためと説明しています(国民年金基金連合会「重要なお知らせ」)。付加保険料の月額400円は、国民年金保険料の案内と合わせて一人親方の健康保険と年金のガイドに載せています。
国民年金本体の保険料を滞納すると、その期間に対する基金の年金は受け取れません。滞納した期間分の基金の掛金は返されます。国民年金の保険料は2年間遡って納められるため、連合会は必ず納付するよう案内しています。
加入後に自分の都合でやめられない点
国民年金基金への加入は任意ですが、加入後は自分の都合で脱退や中途解約はできません。連合会は、付加年金を代行した公的な年金制度のためと説明しています。やめられるのは、次のような加入資格を失う場合です。
- 60歳になったとき(海外に転居して国民年金に任意加入している場合を除く)
- 65歳になったとき(国民年金に任意加入している場合)
- 会社員になったなど、国民年金の第1号被保険者でなくなったとき
- 国民年金の保険料の免除を受けたとき
- 農業者年金の被保険者になったとき
- 加入者本人が亡くなったとき
資格を失って脱退しても、解約返戻金の制度はなく、一時金は受け取れません。納めた掛金は、将来、掛金を納めた状況に応じて年金として支給されます。口数は増やすことも減らすこともできますが、1口目は減らせません。
iDeCoに加入できる人
iDeCo公式サイトによると、第1号加入者になれるのは、20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、フリーランス、学生です(iDeCo公式サイト「加入資格・掛金・受取方法等」)。農業者年金の被保険者と、国民年金保険料の納付を免除されている人(一部免除を含む)は対象外です。
ただし、障害基礎年金を受給している人などは、保険料を免除されていても加入できます。iDeCoの老齢給付金を受け取ったことがある人や、老齢基礎年金を繰り上げ受給している人は、加入できません。
掛金の上限を月7万5,000円にする見直し
厚生労働省の資料には、令和7年度与党税制改正大綱(令和6年12月20日公表)の私的年金関係が載っています。第1号被保険者のiDeCoの拠出限度額を月7万5,000円(現行は月6万8,000円)にし、国民年金基金の掛金の上限も月7万5,000円にする内容です(厚生労働省「令和7年度与党税制改正大綱(私的年金関係抜粋)」)。
国民年金基金連合会のトップページには、2026年10月5日付で「掛金上限額が75,000円へアップします」の動画の公開が載っています。この記事の確認時点では、引き上げの施行日と手続きを定めた公式資料を確認できていないため、金額の適用時期は書いていません。実際の掛金を決める前に、連合会の最新の案内で確認します。
この整理で言えないこと
- 国民年金基金とiDeCoのどちらが得か、いくら掛けるべきかは判断しません。
- 掛金月額表の具体的な金額と、将来の年金額は扱いません。
- 小規模企業共済との併用や、控除による税額の変化は扱いません。小規模企業共済は別のガイドで整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。加入できるか、掛金の上限、手続きの方法は、国民年金基金連合会、iDeCoの運営管理機関、市区役所・町村役場の国民年金の窓口または年金事務所へ確認してください。
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