公式資料をもとに整理

国民年金保険料の免除・納付猶予(所得基準・事業廃止の特例)

仕事が減って国民年金保険料を納められないときは、払わずに放置せず、免除か納付猶予を申請します。承認されると、未納と違って受給資格期間に数えられ、免除は年金額にも反映されます。日本年金機構の資料から、制度の種類、所得の基準、事業を休止・廃止した場合の特例、申請先を整理します。

公開日: 2026-10-12 / 最終更新: 2026-10-12 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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免除・納付猶予・未納の違い

日本年金機構によると、本人・配偶者・世帯主の前年所得が一定額以下の場合や失業した場合など、保険料を納めることが経済的に困難なときは、本人が申請して承認されると保険料の納付が免除されます(日本年金機構「国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度」)。免除の額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類です。

納付猶予は、20歳以上50歳未満で、本人と配偶者の前年所得が一定額以下の場合に使えます。国民年金保険料の月額や納付期限は一人親方の健康保険と年金のガイドで整理しています。

保険料の納付・免除・納付猶予・未納の扱いの違い
区分老齢基礎年金の受給資格期間老齢基礎年金の年金額障害・遺族基礎年金の受給資格期間
納付算入される反映される算入される
全額免除算入される反映される(下表の割合)算入される
一部免除算入される反映される(下表の割合)算入される
納付猶予算入される反映されない算入される
未納算入されない反映されない算入されない

一部免除の承認を受けた期間は、減額された保険料を納める必要があります。免除・納付猶予を受けた期間がある場合の年金額は、保険料を全額納めた場合と比べて低くなります。

免除の種類ごとの納める保険料(令和8年度)と年金額の反映割合
免除の種類納める保険料年金額(全額納付した場合との比較)
全額免除0円2分の1
4分の3免除4,480円8分の5
半額免除8,960円8分の6
4分の1免除13,440円8分の7

いずれも平成21年4月分以降の期間の割合です。未納のままにすると、障害や死亡といった不測の事態が起きたときに、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取れない場合があります。老齢基礎年金は、納付済期間と免除期間などを合わせて10年以上必要です。

所得の基準(前年所得の計算式)

免除と納付猶予の承認基準は、売上ではなく前年の所得が、次の計算式で出した金額の範囲内であることです。審査の対象になる人は、免除が本人・配偶者・世帯主、納付猶予が本人・配偶者です。

免除・納付猶予の所得の基準(計算式)
区分前年所得の基準
全額免除(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
4分の3免除88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
半額免除128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
4分の1免除168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
納付猶予(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円

たとえば全額免除と納付猶予の式に扶養親族等の数0を入れると、基準は67万円です。地方税法に定める障害者、寡婦またはひとり親の場合は、基準額が変わります。

事業の休止・廃止による特例

失業・倒産・事業の廃止などの事実を確認できるときは、前年所得にかかわらず、免除・納付猶予を受けられる特例があります。事業の廃止や休止の届出を行っている人は、その事実を確認できる書類が必要です。

これらの書類で申請するときは、失業の状態にあることの申し立てを書式で別に行う必要があります。同じ事由で過去に書類を添付して申請した場合は、あらためて添付しなくてよい扱いです。個人事業の開業・廃業の届出は開業届と電気工事業の登録・通知の違いのガイドでも触れています。

申請先・申請できる期間・追納

申請先は、住所地の市(区)役所・町村役場の国民年金の担当窓口か、最寄りの年金事務所です。電子申請もでき、郵送でも提出できます。マイナンバーカードなど、基礎年金番号またはマイナンバーを確認できる書類が要ります。

申請できる期間と追納の期限
項目内容
申請できる期間保険料の納付期限から2年を経過していない期間(申請時点から2年1カ月前までの期間)
追納の期限免除・納付猶予の承認を受けた期間の保険料は、10年以内であれば申し出により後から納められる
申請書の入手日本年金機構のサイトからダウンロード、または「ねんきんネット」の画面で作成

不測の事態が起きてから過去にさかのぼって申請しても、障害基礎年金の保険料納付要件には算入されません。仕事の減少で納めにくくなった時点で、早めに窓口へ相談します。

免除を受けると入れなくなる制度

国民年金基金は、保険料の免除(一部免除・学生納付特例・納付猶予を含む)を受けている人は加入できません。iDeCoも、免除(一部免除を含む)を受けている人は加入できません。法定免除の人などには例外があります。

加入条件と例外は一人親方の国民年金基金とiDeCoのガイドで整理しています。自分で積み立てる退職金の制度は小規模企業共済のガイドです。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。承認の可否、所得の基準額、必要な書類は、住所地の市区役所・町村役場の国民年金の窓口または年金事務所へ確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。