公式資料をもとに整理
免状の書換えと電気工事業の変更届の関係
登録電気工事業者の登録事項には、主任電気工事士の氏名と、その人の電気工事士免状の種類・交付番号が含まれます(電気工事業法第4条第1項第4号)。主任電気工事士の氏名や免状の内容が変わると、免状の書換えとは別に、事業者側の変更届(変更の日から30日以内)が必要になる場合があります。両者の期限と窓口の違いを条文から整理します。
公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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2つの手続きは別の法律・別の窓口
免状の書換えは電気工事士法の手続きで、電気工事士本人が、免状を交付した都道府県知事に申請します(電気工事士法施行令第5条)。 一方、登録電気工事業者の変更届は電気工事業法の手続きで、事業者が、登録をした経済産業大臣または都道府県知事に届け出ます(電気工事業法第10条第1項)。 申請する人も窓口も根拠の法律も別で、免状の書換えを済ませても、事業者の登録事項は自動では変わりません。
条文は次の e-Gov 法令検索で確認できます:電気工事業の業務の適正化に関する法律、同法施行規則、電気工事士法施行令。
免状の書換えそのものの申請先・書類は電気工事士免状の交付申請・再交付・書換えの申請先と書類で整理しています。本記事は、その書換えが事業者側の手続きに波及する部分だけを扱います。
変更届の対象になる登録事項
電気工事業法第10条第1項は、第4条第1項各号に掲げる事項に変更があったときは、変更の日から30日以内に、登録をした大臣または知事に届け出なければならないと定めています。第4条第1項の各号は次のとおりです。
| 号 | 記載事項 | 免状の書換えとの関係 |
|---|---|---|
| 第1号 | 氏名または名称、住所、法人の代表者の氏名 | 事業者本人(個人事業主)の氏名が変わる場合に関係します |
| 第2号 | 営業所の名称・所在の場所、電気工事の種類 | 免状の書換えとは直接関係しません |
| 第3号 | 法人の役員の氏名 | 役員の氏名が変わる場合に関係します |
| 第4号 | 主任電気工事士の氏名(法第19条第2項で主任電気工事士を置かない場合は、その旨と、自ら業務に従事する事業者本人または役員の氏名)、その人が交付を受けた電気工事士免状の種類・交付番号 | 主任電気工事士の免状の記載が変わる場合に最も関係します |
免状に記載される事項は、電気工事士法施行令第3条により、免状の種類、交付番号・交付年月日、氏名・生年月日です。このうち氏名・免状の種類・交付番号は、第4条第1項第4号の登録事項と重なります。主任電気工事士以外の従業員の免状は登録事項ではないため、その人の免状を書き換えても、事業者の変更届の対象にはなりません。
なお、主任電気工事士の氏名を変更届に記載するときは、施行規則第7条第2号により、主任電気工事士等に係る変更では第2条第2項第2号から第4号までの書面(誓約書、従業員であることを証する書面、免状の交付を受けていることを証する書面など)を添えるものとされています。氏名のみの変更でもこの書面が必要かは条文からは確定できないため、窓口で確認してください。 詳しくは主任電気工事士の要件と選任・変更を参照してください。
期限の違い
| 項目 | 免状の書換え | 事業者の変更届 |
|---|---|---|
| 根拠 | 電気工事士法施行令第5条 | 電気工事業法第10条第1項 |
| 申請・届出する人 | 電気工事士本人 | 登録電気工事業者 |
| 窓口 | 免状を交付した都道府県知事 | 登録をした経済産業大臣または都道府県知事 |
| 期限 | 条文に期限の定めはありません | 変更の日から30日以内 |
免状の書換えには条文上の期限がありませんが、事業者の変更届には30日以内という期限があります。登録事項に変更があった日が基準なので、免状の書換えの手続きが終わるのを待っているうちに、変更届の期限が進む点に注意が必要です。
場面ごとの整理
- 主任電気工事士の氏名が変わった場合:免状の氏名は書換えの対象で、主任電気工事士の氏名は登録事項(第4条第1項第4号)です。免状の書換えと、事業者の変更届の両方が関係します。
- 事業者本人(個人事業主)や役員の氏名が変わった場合:氏名は登録事項(第1号・第3号)なので変更届が関係します。その人が電気工事士として免状を持っているなら、免状の書換えも別に関係します。法第19条第2項により主任電気工事士を置かない営業所では、その本人または役員の免状の種類・交付番号も登録事項になります。
- 主任以外の従業員の免状を書き換える場合:登録事項ではないため、事業者の変更届は条文上の対象ではありません。
- 主任電気工事士を別の人に替える場合:免状の書換えではなく、主任電気工事士の氏名の変更として変更届の対象です。選任の期限などは更新・変更届・廃止届のガイドで整理しています。
- 免状を失くして再交付を受けた場合:再交付(施行令第4条)は書換え(第5条)とは別の条です。再交付後の免状の交付番号が登録事項と一致しているかは、次の節のとおり条文では分かりません。
登録証に記載された事項(氏名または名称・住所など)が変わる場合は、変更届に登録証を添えて提出し、訂正を受ける必要があります(第10条第2項)。 登録証の再交付や手数料は登録証のガイドを参照してください。
条文では分からない点
- 免状の書換えによって交付番号が変わるのか、同じ番号のまま記載事項だけが改められるのか。施行令第3条・第5条は、書換えの後の交付番号の扱いを定めていません。
- 再交付を受けた免状の交付番号が、元の免状と同じかどうか。施行令第4条は再交付の申請ができることを定めるのみです。
- 主任電気工事士等に係る変更届には、免状の交付を受けていることを証する書面を添えるとされています(施行規則第2条第2項第4号)。ただし、その書面の形式(写しか提示か)や、免状の書換えを完了してから届け出るのか先に届け出てよいのかは、本記事の一次資料には定めがなく、窓口ごとの運用です。
これらは、書換えを担当する都道府県の窓口と、登録をした行政庁の窓口の両方に確認する事項です。分からないまま30日の期限だけが進まないよう、変更があった時点で先に登録行政庁へ相談する方法もあります。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。免状の書換えは免状を交付した都道府県の窓口、変更届は登録をした経済産業大臣または都道府県知事の窓口に、最新の様式と添付書類を確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。