公式資料をもとに整理

自家用電気工作物とは(電気事業法の定義と電気工事士法の除外)

自家用電気工作物とは、電気事業法第38条第4項で、送配電や発電などの電気事業の用に供する電気工作物と一般用電気工作物を除いた電気工作物をいいます。「受電電圧が600ボルトを超える設備」という覚え方は、一般用電気工作物の電圧の線(施行規則第48条第1項)から導いた目安で、条文は自家用の電圧を直接は定めていません。 電気工事士法では範囲が一部狭くなる点も整理します。

公開日: 2026-10-20 / 最終更新: 2026-10-20 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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電気事業法の定義(除外で決まる)

e-Gov法令検索「電気事業法」の第38条第4項は、自家用電気工作物を「次に掲げる事業の用に供する電気工作物及び一般用電気工作物以外の電気工作物」と定めています。 除かれる事業は次の5つです。

自家用電気工作物に含まれない電気工作物(電気事業法第38条第4項第1号〜第5号)
号除かれる事業の用に供する電気工作物
第1号一般送配電事業
第2号送電事業
第3号配電事業
第4号特定送配電事業
第5号発電事業のうち、発電等用電気工作物が主務省令の要件に該当するもの

自家用電気工作物は「これだ」と積み上げて決まるのではなく、電気事業用と一般用を取り除いた残りです。そのため、工場、ビル、店舗などで高圧の電気を受けて使う設備のほか、一般用の線を超える規模の発電設備も、この除外に当たらなければ自家用電気工作物になります。 どの建物が当たるかを条文は列挙していないので、個別の設備の区分は産業保安監督部で確認してください。

事業用電気工作物(同条第2項)は「一般用電気工作物以外の電気工作物」です。事業用、小規模事業用、自家用の包含関係は事業用電気工作物の範囲と包含関係のガイドで整理しています。

一般用との境目(600ボルトと構外の電線路)

自家用電気工作物は一般用電気工作物以外なので、境目は一般用の定義で決まります。 電気を使う設備の場合、第38条第1項第1号は「低圧受電電線路以外の電線路によりその構内以外の場所にある電気工作物と電気的に接続されていないもの」を一般用としています。 この「低圧」の電圧を、e-Gov法令検索「電気事業法施行規則」の第48条第1項が600ボルトと定めています。

電気を使う設備で、一般用電気工作物から外れる主な場合
見る点条文の内容外れたときの区分
構外との電線路低圧受電電線路以外の電線路で構外の電気工作物とつながっている(第38条第1項第1号)一般用ではない(自家用に当たり得る)
発電設備と同じ構内小規模発電設備以外の発電用の電気工作物と同じ構内にある(同条第1項ただし書)一般用ではない
場所火薬類(煙火を除く)を製造する事業場、石炭坑に設置する(施行規則第48条第3項)一般用ではない
発電設備の出力太陽電池50kW未満、風力20kW未満など、施行規則第48条第2項の出力の条件に当てはまらない(上限以上)一般用ではない

発電設備を持つ場合は、さらに出力で小規模事業用電気工作物に分かれる場合があります。たとえば太陽電池発電設備は、施行規則第48条第4項第1号で10キロワットを境に一般用と小規模事業用が分かれ、小規模発電設備の上限(第48条第2項第1号)の50キロワット以上になると小規模事業用ではなくなります。 発電設備ごとの境目は小規模事業用電気工作物のガイドと太陽光以外の小規模発電設備の区分のガイドにあります。

電気工事士法での自家用電気工作物

e-Gov法令検索「電気工事士法」の第2条第2項は、電気工事士法でいう自家用電気工作物から、次のものを除いています。 電気工事の資格や、電気工事業の登録・通知の区分を考えるときは、この狭い方の範囲を使います。

電気工事士法第2条第2項・施行規則第1条の2で自家用電気工作物から除かれるもの
除かれるもの根拠
小規模事業用電気工作物電気工事士法第2条第2項(一般用電気工作物等の側に入る)
発電所、蓄電所、変電所発電所・変電所は電気工事士法第2条第2項、蓄電所は施行規則第1条の2
最大電力500キロワット以上の需要設備電気工事士法第2条第2項、施行規則第1条の2
送電線路(発電所・蓄電所・変電所の相互間の電線路など)とそれに付属する開閉所その他施行規則第1条の2
保安通信設備施行規則第1条の2

つまり、電気事業法では自家用電気工作物でも、発電所や最大電力500キロワット以上の需要設備は、電気工事士法の「自家用電気工作物」には含まれません。 電気工事士法の対象は、電気工事士法第2条第3項の電気工事(一般用電気工作物等または自家用電気工作物を設置し、または変更する工事で、政令の軽微な工事を除く)です。 第一種電気工事士が従事できる範囲や、500キロワット未満の需要設備という線は、一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いのガイドで、登録・通知との関係と一緒に確認できます。

自分の設備を確かめる順番

  1. 電気を使うだけの設備か、発電設備があるかを分けます。
  2. 電気を使う設備は、構外の電気工作物と低圧受電電線路以外の電線路でつながっていないかを見ます。つながっていれば一般用ではありません。
  3. 発電設備がある場合は、施行規則第48条第2項の上限と、第4項の出力の線を、設備の種類ごとに当てはめます。
  4. 電気事業の用に供しているか(第38条第4項第1号〜第5号)を見ます。当たれば自家用電気工作物には含まれません。
  5. 電気工事の資格や登録の話なら、電気工事士法第2条第2項と施行規則第1条の2の除外に当たるかを重ねます。

自家用電気工作物の設置者には、技術基準の維持、保安規程、主任技術者などの義務があります。 設置者の手続は自家用電気工作物の設置者の手続のガイド、 主任技術者の免状ごとの監督範囲は電気主任技術者の免状ごとの範囲のガイドで確認できます。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の設備が自家用電気工作物に当たるか、電気工事士法の除外に当たるかは、所在地を管轄する産業保安監督部で確認してください。

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