開業後の義務(従業員を雇ったあと)

50人未満の事業場のストレスチェック義務化(令和10年4月施行)

従業員が50人未満の事業場は、これまでストレスチェックが努力義務でしたが、令和7年の労働安全衛生法の改正で義務になり、施行は令和10年(2028年)4月1日です。従業員を数人雇う電気工事業者はほぼ全てこの対象です。義務になる範囲、検査・本人への通知・面接指導・記録の流れ、人数の数え方、無料の公的支援を、法令と厚生労働省の資料から整理します。

公開日: 2026-10-19 / 最終更新: 2026-10-19 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。

いまは50人未満が努力義務である根拠

労働安全衛生法第66条の10第1項は、事業者が労働者に対し、心理的な負担の程度を把握するための検査(ストレスチェック)を行わなければならないと定めています。ただし同法の附則第4条が、「第13条第1項の事業場以外の事業場」については当分の間、第66条の10第1項の「行わなければ」を「行うよう努めなければ」と読み替えるとしています。

第13条第1項は産業医の選任の規定で、その規模は労働安全衛生法施行令第5条が「常時50人以上の労働者を使用する事業場」と定めています。つまり現在は、常時50人以上の事業場だけが義務で、それ未満は努力義務です(e-Gov法令検索「労働安全衛生法」、同法施行令)。

義務になる時期と対象

厚生労働省の「こころの耳」の小規模事業場向けページは、「令和7年の労働安全衛生法の改正により、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業場におけるストレスチェックの実施が義務とされました。(令和10年4月1日施行)」と案内しています(厚生労働省「ストレスチェック制度について(労働者数50人未満の事業場)」)。

事業場の規模別のストレスチェックの扱い
常時使用する労働者令和10年(2028年)3月31日まで令和10年(2028年)4月1日から
50人以上実施義務実施義務
50人未満努力義務実施義務(改正法の施行)

従業員が数人の電気工事業者も、令和10年4月1日から年1回の検査を行う側になります。1人親方や、家族だけで営む事業のように雇っている労働者がいない場合は、検査を行う相手がいません。

義務になったときの流れ(検査・通知・面接指導・記録)

流れの根拠は、法第66条の10と労働安全衛生規則第52条の9から第52条の18です(e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」)。以下は、2026年10月19日にe-Govで取得した現行条文にもとづく流れです。

ストレスチェックの流れと根拠条文
段階事業者がすること根拠
検査の実施常時使用する労働者に、1年以内ごとに1回、定期に検査を行う。項目は、心理的な負担の原因・心身の自覚症状・他の労働者による支援の3つ規則第52条の9
実施する人医師、保健師、または厚生労働大臣が定める研修を修了した歯科医師・看護師・精神保健福祉士・公認心理師。解雇・昇進・異動に直接の権限を持つ監督的地位の人は検査の実施の事務に従事できない規則第52条の10
結果の通知検査を行った医師等から、遅滞なく本人へ結果が通知されるようにする規則第52条の12
結果の扱い医師等は、本人の同意を得ないで結果を事業者に提供してはならない。同意は書面または電磁的記録で取る。同意を得て結果の提供を受けたら記録を作成して5年間保存する法第66条の10第2項、規則第52条の13
面接指導本人が医師による面接指導を希望して申し出たら、面接指導を行う。申出を理由とする不利益な取扱いは禁止。要件は、検査の結果で心理的な負担の程度が高く、医師等が面接指導を受ける必要があると認めた人法第66条の10第3項、規則第52条の15
面接指導の記録結果の記録を作成して5年間保存し、医師の意見を聴いて必要な措置(就業場所の変更・作業の転換・労働時間の短縮など)を考える法第66条の10第4項〜第6項、規則第52条の18

集団ごとの集計・分析は、e-Govで取得した規則第52条の14が「努めなければならない」と定める努力義務です。厚生労働省は令和8年6月30日に、集団分析の実施方法に関する労働安全衛生規則の改正を案内しています。改正後の内容は、同省の上記ページで確認してください。

労働基準監督署への結果報告(規則第52条の21)は「常時50人以上の労働者を使用する事業者」が対象と、現行の条文に書かれています。

50人の数え方と、検査を受ける人の範囲

事業場の人数(義務の有無を決める数)と、検査を受ける人(検査の対象者)は、別の基準で数えます。厚生労働省のストレスチェック制度のQ&A(Q0-12)は、次のように説明しています。

人数の数え方の違い(厚生労働省Q&A Q0-12)
何を数えるか数え方
事業場の人数(50人以上かどうか)契約期間や週の労働時間では判断せず、常態として使用しているかどうかで判断する。週1回しか出勤しないアルバイトやパートでも、継続して雇用し常態として使用していれば数える
検査の対象者契約期間(1年以上)と週の労働時間(通常の労働者の4分の3以上)をもとに判断する

同じ会社でも営業所や現場の拠点が複数あるときの数え方は、施行令第5条が「事業場」ごとに定めている規模です。拠点ごとの扱いは、所轄の労働基準監督署か産業保健総合支援センターに確認してください。

無料で使える公的な支援

厚生労働省の上記ページは、事業者向けの支援として次を挙げています。

厚生労働省の労働者数50人未満の小規模事業者向けのページには、「モデル規程等」として社内ルール例・社内規程例(Word)が掲載されています。

従業員の健康診断は電気工事業者が従業員に行う健康診断、安全衛生の体制は従業員を雇った電気工事業者の安全衛生管理体制で整理しています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。自社の事業場が義務の対象になる時期と実施方法は、所轄の労働基準監督署または産業保健総合支援センターに確認してください。

従業員を雇う前提で電気工事業の登録の区分を整理するには、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、確認が必要な項目を分けて表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。