電気関係報告規則第3条・第3条の2/電気事業法第106条・第107条

施工先で電気事故が起きたときの電気工事業者の報告義務

電気関係報告規則の事故報告(24時間以内の電話等と30日以内の報告書)を負うのは、電気事業者、自家用電気工作物の設置者、小規模事業用電気工作物の設置者です。施工した電気工事業者は、条文上の報告義務者に挙がっていません。ただし、電気事業法は自家用電気工作物の保守点検を行った事業者にも報告の徴収と立入検査を定めており、施工先の種類によって事業者の立場が変わります。

公開日: 2026-10-18 / 最終更新: 2026-10-18 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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事故報告の義務者は誰か(電気関係報告規則第3条・第3条の2)

e-Gov法令検索「電気関係報告規則」第3条第1項は、事故を報告する者を、電気事業者(同項の定める事業を営む者に限る)と自家用電気工作物を設置する者(小規模事業用電気工作物を除く)と定めています。第3条の2は「小規模事業用電気工作物を設置する者」を義務者としています。

どちらの条も、電気工事を請け負って施工した事業者や、施工を依頼された電気工事業の登録・通知を受けた事業者を義務者としては書いていません。一般用電気工作物(一般住宅や小規模な店舗の屋内配線など)の事故は、第3条・第3条の2の対象として挙がっていません。

施工先の種類ごとの事業者の立場

施工先の電気工作物の種類と事故報告の義務者
施工先電気関係報告規則の義務者施工した事業者の立場
一般用電気工作物第3条・第3条の2の義務者に挙がっていない同規則の事故報告の義務者ではない
自家用電気工作物設置する者(第3条。小規模事業用を除く)。知った時から24時間以内、可能な限り速やかに電話等で報告し、30日以内に様式第十三の報告書(一部の事故は不要)義務者ではない。保守点検を行った事業者であれば、電気事業法第106条第6項の報告徴収の対象になりうる
小規模事業用電気工作物設置する者(第3条の2)。知った時から24時間以内、可能な限り速やかに氏名等を電話等で伝え、30日以内に報告書義務者ではない

自家用か一般用かは、構外の設備との電線路の接続や、同一構内の発電設備などで決まります。判断に迷うときは一般用電気工作物と自家用電気工作物の違いで区分を確かめてください。事故の中身ごとの報告対象と報告先は電気事故の報告義務のガイドにまとめています。

設置者が報告するときに、第一報で伝える事項は条文に決まっています。事故の発生の日時と場所、事故が発生した電気工作物、事故の概要です(小規模事業用は氏名も加わります)。施工した事業者は報告義務者ではありませんが、施工内容を最もよく知る立場にあるため、設置者から事実関係を問われる場面は考えられます。

保守点検を担う事業者への報告徴収と立入検査

e-Gov法令検索「電気事業法」の条文で、事業者に関わる部分は次の2つです。

事故報告そのものの義務ではありませんが、自家用電気工作物の点検や保守を請け負っている事業者は、事故の有無にかかわらず、法の施行に必要な限度で、経済産業大臣から業務の状況の報告や資料の提出を求められることがあります。電気工事業法に基づく帳簿や立入検査の扱いは、電気工事業の立入検査と虚偽報告の罰則で整理しています。

第106条第7項は、一般用電気工作物のうち小規模発電設備であるものの所有者または占有者に対し、経済産業大臣が必要な事項の報告または資料の提出を求められると定めています。対象は所有者または占有者で、施工した事業者ではありません。

事業者が別に確認する窓口

電気関係報告規則の義務者でなくても、事故が起きたときに事業者が確認する相手は別にあります。それぞれ別の制度なので、次のガイドで内容を確かめてください。

事故の連絡を受けたときの確認の順序

  1. 施工先が一般用・自家用・小規模事業用のどれかを、設置者に確認する
  2. 自家用または小規模事業用なら、報告義務は設置者にあるため、事故の発生を知った時刻から24時間以内の第一報の時間が進んでいることを設置者に伝える
  3. 日時・場所・事故が発生した電気工作物・概要のうち、施工内容から説明できる事実を整理して設置者に提供する
  4. 自社の従業員の負傷があれば労災の手続を確認し、保険に加入していれば保険会社の通知条件を確認する
  5. 自家用電気工作物の保守点検を請け負っている場合は、経済産業大臣から報告や資料の提出を求められることがあるため(窓口は管轄の産業保安監督部に確認)、点検・保守の記録を整える

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。実際の事故が報告の対象に当たるか、自社が報告や資料提出を求められる立場かは、設置の場所を管轄する産業保安監督部に確認してください。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。