公式資料をもとに整理
建設業許可(電気工事業)の業種追加の手続き
他の業種で既に建設業許可を受けている事業者が新たに電気工事業を追加する場合は「業種追加」という申請区分になり、新規許可と比べて提出書類の一部を省略でき、既存業種の許可の有効期間も同時にそろえられます。国土交通省の許可事務ガイドラインが定める取扱いを整理します。
公開日: 2026-09-25 / 最終更新: 2026-09-25 / 制度確認日: 2026-07-26
業種追加とは(新規・般特新規との違い)
国土交通省「建設業許可事務ガイドライン」は、建設業許可申請書(様式第一号)「申請の区分」欄の分類の一つとして「業種追加」を、「一般建設業の許可を受けている者が他の建設業について一般建設業の許可を申請する場合、又は特定建設業の許可を受けている者が他の建設業について特定建設業の許可を申請する場合」と定めています。既に1業種以上の許可を受けている事業者が、同じ区分(一般または特定)のまま別の業種を追加する申請です。
これに対し、一般建設業の許可のみを受けている者が既存業種を特定建設業へ切り替える場合(またはその逆)は「般・特新規」という別の申請区分になり、業種を増やす業種追加とは区分が異なります。一般建設業と特定建設業の違いは一般建設業許可と特定建設業許可の違いで確認できます。
業種追加でも新業種の許可基準はすべて満たす必要がある
業種追加は既存の許可を前提に別の業種を足す手続きですが、追加する業種(電気工事業)についても、経営業務管理責任者等・営業所技術者・誠実性・財産的基礎などの許可基準をあらためて満たす必要があります。特に営業所技術者は業種ごとに必要な資格や実務経験の対象工事種類が異なるため、電気工事業の営業所技術者の要件は建設業許可の営業所技術者で確認してください。
業種追加で省略できる提出書類
許可事務ガイドラインは、業種追加を申請する者について、建設業法施行規則第4条第1項に規定する添付書類のうち、建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表(様式第十一号)、許可申請者の住所・生年月日等に関する調書(様式第十二号)、同令第3条に規定する使用人の住所・生年月日等に関する調書(様式第十三号)、同規則第4条第1項第5号・第6号の証明書のみを提出すればよく、これら以外の書類(定款、商業登記簿の謄本など)の提出はすべて省略できるとしています。この「内容に変更がなければ省略できる」という条件付きの省略は許可の更新を申請する場合の扱いで、業種追加の場合は条件なしにこれら以外の書類の提出がすべて省略できます。
営業所技術者等の証明についても、既に営業所技術者等として証明されている者が新たに他の建設業の営業所技術者等となる場合、現在担当している建設工事の種類に係る証明書の提出は省略できます。ただし、その証明書が同時に新たに追加される建設工事(今回は電気工事業)に係るものとなっている場合は、省略できません。
許可の有効期間の調整(一本化)
建設業者が業種追加を申請する場合、有効期間の残っている他の業種の許可についても同時に更新を申請でき、業種追加の許可と既存業種の更新をあわせて一件として許可を受けられます。これにより、業種ごとに異なっていた許可年月日と有効期間を1つにそろえられます。既存の許可の更新手続き自体は建設業許可の更新手続きで整理しています。
| 項目 | 取扱い |
|---|---|
| 同時に更新申請できる許可 | 有効期間が残っている他業種の建設業許可 |
| 条件 | 他業種の許可の有効期間が原則6か月以上残っていること(業種追加の審査に一定期間を要するため) |
| 効果 | 業種追加の許可と既存業種の更新をあわせて一件として許可し、許可年月日・有効期間を統一できる |
国土交通大臣許可の場合の登録免許税の扱い
建設業法第10条は、国土交通大臣の許可を受けようとする者について、新規に許可を受けようとする者は登録免許税、第3条第3項の許可の更新を受けようとする者および既に他の建設業について国土交通大臣の許可を受けている者は許可手数料を納めるものと定めています。既に国土交通大臣の許可を受けている事業者が業種追加を申請する場合はこの後者に該当し、登録免許税ではなく許可手数料を納付します。
ただし、一般建設業の許可のみを受けている者が新たに特定建設業の許可を追加する場合、または特定建設業の許可のみを受けている者が新たに一般建設業の許可を追加する場合は、登録免許税法上は一般建設業の許可と特定建設業の許可が別区分として扱われるため「既に他の建設業について国土交通大臣の許可を受けている者」には該当せず、登録免許税の納付が必要になります。都道府県知事許可の許可手数料の扱いは、この記事では扱いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。提出書類の省略可否の個別判定、登録免許税・許可手数料の具体的な金額は、許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)の公式資料または窓口で確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。