公式資料をもとに整理

建設業許可(電気工事業)の届出義務(決算変更届・変更届出・技術者欠員時の届出)

建設業許可(電気工事業)を取得した後も、事項の変更・毎事業年度の決算・営業所技術者の交代・許可基準への不適合という4つの場面で、それぞれ期限の異なる届出が必要です。建設業法第11条と同法施行規則が定める届出の種類・提出書類・期限を整理します。

公開日: 2026-09-25 / 最終更新: 2026-09-25 / 制度確認日: 2026-07-26

許可取得後も4種類の届出義務が続く

e-Gov法令検索「建設業法」第11条は、許可を受けた建設業者に対し、許可取得後も一定の事項に変更等があったときは届出をしなければならないと定めています。届出は第1項から第5項までの4つの場面に分かれ、契機と期限がそれぞれ異なります。

建設業許可(電気工事業)の届出義務(建設業法第11条)
届出契機期限根拠
変更届出書商号・名称、営業所の名称・所在地、法人の資本金額・役員等、個人の氏名・支配人、営業所技術者の氏名(第5条第1号〜第5号)の変更30日以内第11条第1項
決算に関する届出毎事業年度終了時における貸借対照表・損益計算書等の提出毎事業年度経過後4か月以内第11条第2項
使用人数の変更届出使用人数を記載した書面の記載事項の変更毎事業年度経過後4か月以内第11条第3項
営業所技術者交代の届出営業所技術者が営業所に置かれなくなった場合等で、代わるべき者があるとき2週間以内第11条第4項
許可基準・欠格要件該当の届出経営業務管理責任者等または営業所技術者の基準(第7条第1号・第2号)を満たさなくなったとき、欠格要件(第8条第1号・第7号〜第14号)に該当するに至ったとき2週間以内第11条第5項

特定建設業許可を受けた事業者にも第11条は準用され、「営業所技術者」は「特定営業所技術者」に読み替えられます。同法第17条が準用関係を定めています。特定建設業の要件は一般建設業と特定建設業の違いで整理しています。

事項の変更届出(30日以内)

第11条第1項の変更届出書は、許可申請書の記載事項(第5条第1号〜第5号:商号・名称、営業所の名称・所在地、法人の資本金額・役員等の氏名、個人の氏名・支配人の氏名、営業所技術者の氏名)に変更があったときに提出します。 同法施行規則第9条は添付書類も定めており、商業登記の変更を伴う事項変更には登記事項証明書、営業所の新設には欠格要件に該当しない旨の誓約書と経営業務管理・営業所技術者の基準を満たすことを証する書面(第6条第1項第4号・第5号の書面)、役員等・支配人の新任には当該者に係る欠格要件不該当の誓約書等(第6条第1項第4号の書面等)を添付します。

決算に関する届出(毎事業年度経過後4か月以内)

第11条第2項は、毎事業年度終了時における工事経歴書・直前3年の各事業年度の工事施工金額を記載した書面(第6条第1項第1号・第2号)に加え、国土交通省令で定める書類の提出を、毎事業年度経過後4か月以内に行うよう定めています。同法施行規則第10条第1項は、この「国土交通省令で定める書類」を事業形態ごとに次のとおり定めています。

決算に関する届出の財務書類(建設業法施行規則第10条第1項)
事業形態提出書類
株式会社以外の法人別記様式第15号〜第17号の2による貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・注記表
小会社上記と同じ様式(第15号〜第17号の2)による書類、および事業報告書
株式会社(小会社を除く)別記様式第15号〜第17号の3による貸借対照表・損益計算書・株主資本等変動計算書・注記表・附属明細表、および事業報告書
個人別記様式第18号・第19号による貸借対照表・損益計算書

このほか、国土交通大臣許可の場合は法人税または所得税の納付すべき額・納付済額を証する書面、都道府県知事許可の場合は事業税の納付すべき額・納付済額を証する書面をあわせて提出します(同項第3号・第4号)。工事経歴書・工事施工金額書面については建設業許可の申請書類で確認できます。

また、第11条第3項は、使用人数を記載した書面(第6条第1項第3号)の記載事項に変更が生じたときも、毎事業年度経過後4か月以内に届け出るよう定めています(同法施行規則第10条第2項)。

営業所技術者が欠けたときの届出(2週間以内)

第11条第4項は、営業所に置く営業所技術者が当該営業所に置かれなくなった場合、または第7条第2号ハの基準(国土交通大臣が同等以上と認定した者であること)に該当しなくなった場合に、代わるべき者がいるときは、2週間以内にその者について第6条第1項第5号の書面(許可基準を満たすことを証する書面)を提出するよう定めています。 代わるべき者を欠いたまま放置すると、営業所技術者の専任配置という許可基準(第7条第2号)を満たさなくなり、次に整理する第11条第5項の届出義務にもつながります。

許可基準を満たさなくなった・欠格要件に該当したときの届出(2週間以内)

第11条第5項は、許可に係る建設業者が第7条第1号(経営業務の管理を適正に行うに足りる能力の基準)もしくは第2号(営業所技術者の基準)を満たさなくなったとき、または第8条第1号(破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者)もしくは第7号から第14号までのいずれか(拘禁刑以上の刑・暴力団関係者・心身の故障等の欠格要件)に該当するに至ったときは、2週間以内にその旨を書面で届け出るよう定めています。

経営業務管理責任者等の基準は経営業務の管理責任者等、営業所技術者の基準は建設業許可の営業所技術者、欠格要件の全14号は建設業許可(電気工事業)の欠格要件でそれぞれ整理しています。

届出を怠った場合の罰則

同法第50条は、第11条第1項から第4項までの書類を提出せず、または虚偽の記載をして提出したとき(第2号)、第11条第5項の届出をしなかったとき(第3号)のいずれも、6月以下の拘禁刑または100万円以下の罰金に処すると定めています。 許可取得後の監督処分(指示・営業停止・許可取消し)の全体像は建設業許可(電気工事業)の監督処分で整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。提出書類の様式・部数・添付書類の細目は、許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)の公式資料または窓口で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。