公式資料をもとに整理

労働保険の年度更新(確定保険料・概算保険料・申告期限)

労働保険の年度更新は、毎年、前年度の保険料を精算する確定保険料と、新年度の概算保険料を、同じ申告書でまとめて申告・納付する手続きです。法律上の期限は、概算保険料はその保険年度の6月1日から40日以内、確定保険料は翌保険年度の6月1日から40日以内です。ここでは、労働保険徴収法と労働局の案内から、申告の中身、期限、建設の事業の申告書、申告しなかった場合の扱いを整理します。

公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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年度更新で申告するもの(確定保険料と概算保険料)

年度更新では、4月1日から翌年3月31日までの保険年度を単位として、前年度の確定保険料と、本年度の概算保険料を同じ申告書に書いて提出し、保険料を納付します。石川労働局は、令和8年度の年度更新を、令和7年度の確定保険料と令和8年度の概算保険料を申告書に記載して行う手続きと案内しています(石川労働局「令和8年度 労働保険年度更新について」)。

概算保険料は、その保険年度に使用するすべての労働者に支払う賃金総額の見込額に保険料率を掛けて算定します(労働保険徴収法第15条第1項第1号)。確定保険料は、その保険年度に実際に使用した労働者の賃金総額に保険料率を掛けた額です(同法第19条第1項第1号)。年度の初めに見込みで納め、翌年度に実績で精算する仕組みです。

従業員を雇い始めた最初の年度は、保険関係が成立した日から50日以内に概算保険料を納めます。その手続きは従業員を雇った電気工事業者の労災保険・雇用保険の加入手続きの記事で整理しています。

申告と納付の期限

概算保険料も確定保険料も、法律上は保険年度の6月1日から40日以内に提出・納付します。確定保険料は、次の保険年度の6月1日から40日以内です(徴収法第15条第1項、第19条第1項、第3項)。確定保険料は、保険年度の途中で保険関係が消滅した事業の場合、消滅した日から50日以内です。

実際の申告期間は年によって変わります。石川労働局は令和8年度について、事業主または労働保険事務組合に対し、6月1日(月)から7月10日(金)までの期間に申告・納付を行うよう案内しています。同じ案内によると、令和8年度の申告書は、保険加入済みの事業主あてに5月31日までに届くよう発送されます。

年度更新の申告の中身と期限(徴収法第15条・第19条、石川労働局の案内)
項目算定の基礎期限(法律)
確定保険料(前年度分)前年度に使用した労働者の賃金総額 × 保険料率次の保険年度の6月1日から40日以内
概算保険料(本年度分)本年度に使用する労働者の賃金総額の見込額 × 保険料率その保険年度の6月1日から40日以内

申告書の提出先は、法令上は所轄の都道府県労働局歳入徴収官で、申告書の区分によって、経由できる窓口が異なります(徴収法施行規則第38条第2項)。石川労働局は、労働局の労働保険徴収室や労働基準監督署の窓口への提出、郵送、電子申請を案内しています。

保険料の算定と、建設の事業の申告書

労働保険料は、すべての労働者に支払われた賃金の総額に、事業の種類ごとに定められた保険料率を掛けて算定します。雇用保険分は被保険者の賃金が対象です。賃金総額の千円未満の端数は切り捨てます(徴収法第15条第1項第1号)。

申告書の種類は事業によって違います。石川労働局の案内では、継続事業用は製造業、運輸業、サービス業などが使い、一括有期事業用は建設の事業と林業が使います。雇用保険のみの事業は別の申告書です。

一括有期事業の仕組みは労災保険・雇用保険の記事の建設の事業の節にまとめています。

同じ案内は、近年、一括有期事業で労働保険料の申告誤りが確認されているとして、リーフレットと申告書の書き方パンフレットの確認を呼びかけています。自分の工事がどの申告書にあたるかは、労働基準監督署か労働局で確認してください。

精算の結果(不足分の納付、超過分の充当・還付)

納付済みの概算保険料が確定保険料に足りないときは不足額を、概算保険料より確定保険料が少ないときは超えた額が次の保険年度の保険料などに充当されるか、還付されます。不足額は、確定保険料の申告書に添えて納めます(徴収法第19条第3項)。納めた額が確定保険料を超える場合、政府は厚生労働省令で定めるところにより、超える額を次の保険年度の労働保険料または未納の徴収金に充当するか、還付します(同条第6項)。

保険料の納付を分けて行う延納については、徴収法第18条が、事業主の申請に基づき政府が労働保険料を延納させることができると定めています。延納の条件や回数は厚生労働省令で定められているため、この記事の資料では確認していません。申告書に付く案内や労働局で確認してください。

申告しなかったとき・納付が不足したとき

申告書を提出しない、または記載に誤りがあると政府が認めるときは、政府が保険料の額を決定して通知します。通知を受けた事業主は、原則として不足額を通知を受けた日から15日以内に納付します。

概算保険料については第15条第3項と第4項、確定保険料については第19条第4項と第5項が定めています。確定保険料の15日以内には、厚生労働省令で定める要件に当たる場合は適用されないただし書きがあります。

確定保険料について政府が決定した額の不足分を納めなければならない場合は、納付すべき額の100分の10にあたる追徴金が徴収されます(徴収法第21条第1項)。天災その他やむを得ない理由による場合と、不足額が千円未満の場合は徴収されません(同条第1項ただし書き、第2項)。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。自社の保険料の額、使う申告書の種類、延納の可否は、所轄の労働局または労働基準監督署に確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

同じ雇用主の手続きとして、給与から差し引く税の流れは従業員を雇う電気工事業者の源泉所得税のガイド、社会保険の加入は健康保険・厚生年金保険の記事で確認できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。