太陽光以外の発電設備の区分
太陽光以外の発電設備は一般用か小規模事業用か(出力の境目)
風力は出力20kW未満ならすべて小規模事業用電気工作物、水力・内燃力・燃料電池は上限の未満なら一般用電気工作物、上限以上なら小規模事業用でも一般用でもない事業用電気工作物です。太陽光だけが10kW以上50kW未満という中間の帯を持ち、ほかの設備は線の置き方が違います。条文は電気事業法第38条と電気事業法施行規則第48条です。
公開日: 2026-10-15 / 最終更新: 2026-10-15 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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区分を決める2つの線
発電設備の区分は、e-Gov法令検索「電気事業法」第38条と、同施行規則第48条の2本の線で決まります。
- 上限の線(第48条第2項):低圧の発電設備のうち「小規模発電設備」として扱う出力の上限。これ以上は小規模発電設備ではなく、一般用にも小規模事業用にもなりません。
- 一般用との線(第48条第4項):小規模発電設備のうち、この出力未満が一般用電気工作物、この出力以上が小規模事業用電気工作物。
電気事業法の第38条第1項第2号は一般用を「経済産業省令で定める出力未満」、同条第3項第1号は小規模事業用を同じ出力「以上」と書き、その出力を施行規則第48条第4項が設備ごとに定めています。2本の線が同じ値の設備には、小規模事業用になる帯がありません。
設備ごとの区分の早見表
| 設備 | 上限の線(第2項) | 一般用との線(第4項) | 一般用になる出力 | 小規模事業用になる出力 |
|---|---|---|---|---|
| 太陽電池発電設備 | 50kW未満 | 10kW | 10kW未満 | 10kW以上50kW未満 |
| 風力発電設備 | 20kW未満 | 0kW | なし | 20kW未満のすべて |
| 水力発電設備(最大使用水量が毎秒1立方メートル未満でダムを伴わないもの等) | 20kW未満 | 20kW | 20kW未満 | なし |
| 内燃力を原動力とする火力発電設備 | 10kW未満 | 10kW | 10kW未満 | なし |
| 燃料電池発電設備(第2項第5号のイまたはロに該当するもの) | 10kW未満 | 10kW | 10kW未満 | なし |
| スターリングエンジンによる発電設備 | 10kW未満 | 10kW | 10kW未満 | なし |
水力の「最大使用水量が毎秒1立方メートル未満(ダムを伴うものを除く)」は第2項第3号イの条件で、同号ロは「特定の施設内に設置されるものであって別に告示するもの」です。ロの対象は告示で決まるため、この記事では扱いません。燃料電池のイとロの条件(燃料・改質系統設備の最高使用圧力や自動車搭載の設備)も、条文で確認してください。
表の読み方:風力だけ「一般用」がない理由
風力発電設備は第4項第2号が0キロワットです。出力が0以上という条件はどの風力も満たすため、20kW未満の風力は一般用電気工作物にならず、すべて小規模事業用電気工作物の側に入ります。家庭用の小型風車でも、第38条の条件を満たす限り同じ扱いです。
反対に、水力・内燃力・燃料電池・スターリングエンジンは、上限の線と一般用との線が同じ値です。上限未満であれば一般用電気工作物、上限以上になると小規模発電設備の範囲から出て、小規模事業用でも一般用でもない事業用電気工作物になります。この2線が同じ値の設備では、一般用と小規模事業用の間に中間の帯はありません。
小規模事業用の設置者の届出や技術基準の自己確認は小規模事業用電気工作物の定義と設置者の義務、小規模発電設備の上限を超えた設備が入る自家用電気工作物側の整理は一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いで扱っています。太陽光の出力帯ごとの扱いは太陽光発電設備の設置工事と登録にまとめています。
表が当てはまらない条件
出力の数値が条件を満たしていても、次のどれかに当たると表の区分にならない場合があります。
- 同じ構内にある、ほかの設備と電気的に接続された設備の出力の合計が50キロワット以上になる(第48条第2項ただし書)。太陽電池発電設備は、第4項第1号でも2つ以上を同一構内で接続するときは合計の出力で見る
- 低圧(第48条第1項は600ボルト)を超える電圧の設備である(第38条第1項の「小規模発電設備」は低圧の電気に係るものに限る)
- 小規模発電設備以外の発電用の電気工作物と同一の構内にある(第38条第1項ただし書)
- 低圧受電電線路以外の電線路で、構内の外の電気工作物と電気的に接続されている(第38条第1項第2号ロ、第3項第1号ロ)
- 火薬類を製造する事業場や石炭坑など、第48条第3項の場所に設置する
たとえば、出力15kWの風力発電設備は、上の条件にすべて当てはまらなければ小規模事業用ですが、同じ構内に別の発電設備があって合計が50kW以上になる場合は、表で判断できません。構内の設備の構成まで確かめてから判断します。
工事を請け負うときの確認点
電気工事士法第2条第1項は、一般用電気工作物と小規模事業用電気工作物を合わせて「一般用電気工作物等」と呼んでいます(上の小規模事業用の解説にも整理があります)。風力20kW未満や水力20kW未満の設備の工事は、設備の種類と出力から、この「一般用電気工作物等」の側か、事業用電気工作物の側かが分かれます。
- 設備の種類(風力・水力・内燃力・燃料電池)と、銘板や仕様書の出力を確認したか
- 水力は、最大使用水量とダムの有無を確認したか
- 同じ構内にほかの発電設備があるか、合計の出力はどうなるか
- 電圧が低圧の範囲か、構内の外の電気工作物と接続されていないか
- 区分は、設置者の届出や保安の義務を左右するため、設置者に区分の根拠を条文で説明できる状態にしたか
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の設備の区分は、電気事業法施行規則の原文と、所轄の経済産業省の産業保安監督部の窓口で確認してください。
次に知りたいことは、一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違い、小規模事業用電気工作物の定義と設置者の義務、太陽光発電設備の設置工事と登録で確認できます。
非常用発電機の区分と、設置工事に必要な資格・届出の整理は非常用発電装置の区分と設置工事の資格にまとめています。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。