公式資料をもとに整理

暗きょ・マンホール・ピット内の電気工事の酸素欠乏対策(作業前の測定・換気・作業主任者・特別の教育)

ケーブルを収容する暗きょ・マンホール・ピットの内部は、労働安全衛生法施行令の酸素欠乏危険場所に当たります。ここで作業をさせる事業者は、その日の作業の前に酸素濃度を測り、18%以上に保つ換気、作業主任者の選任、特別の教育などが必要です。ここでは、酸素欠乏症等防止規則と施行令別表第六から、電気工事で地下の設備に入るときに確認する項目を整理します。

公開日: 2026-10-08 / 最終更新: 2026-10-08 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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電気工事で当たる酸素欠乏危険場所

酸素欠乏危険作業とは、労働安全衛生法施行令別表第六に掲げる酸素欠乏危険場所での作業です(酸素欠乏症等防止規則第2条第6号)。酸素欠乏とは、空気中の酸素濃度が18%未満の状態をいいます(同条第1号)。電気工事に関係の深い場所は、別表第六の次の号です(e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」)。

別表第六のうち電気工事で出会いやすい場所
号場所
第3号ケーブル、ガス管その他地下に敷設される物を収容するための暗きょ、マンホールまたはピットの内部
第3号の2雨水、河川の流水または湧水が滞留しており、または滞留したことのある槽、暗きょ、マンホールまたはピットの内部
第3号の3海水が滞留しており、または滞留したことのある熱交換器、管、暗きょ、マンホール、溝またはピットなどの内部
第9号し尿、腐泥、汚水、パルプ液その他腐敗しまたは分解しやすい物質を入れてあり、または入れたことのあるタンク、船倉、槽、管、暗きょ、マンホール、溝またはピットの内部

このうち第3号の3、第9号、および第12号の一部の場所(酸素欠乏症のほか硫化水素中毒のおそれがある場所として厚生労働大臣が定めるもの)での作業は第二種酸素欠乏危険作業で、それ以外の酸素欠乏危険作業が第一種です(規則第2条第7号・第8号)。第二種は酸素に加えて硫化水素の濃度(100万分の10以下)も管理の対象です。

電力ケーブルを収容する地下のマンホールは第3号に、汚水が入ったことのあるピットは第9号に当たり得ます。個々の現場がどの号に当たるかは、現場の状況で変わるため、この記事では判定しません。

作業前の測定と記録(3年保存)

事業者は、酸素欠乏危険場所の作業場について、その日の作業を開始する前に、空気中の酸素(第二種は酸素と硫化水素)の濃度を測定しなければなりません(e-Gov法令検索「酸素欠乏症等防止規則」第3条第1項)。測定したときは、そのつど次の事項を記録し、3年間保存します(同条第2項)。

換気と空気呼吸器

事業者は、酸素欠乏危険作業に労働者を従事させるときは、作業場所の空気中の酸素濃度を18%以上(第二種は18%以上かつ硫化水素100万分の10以下)に保つよう換気します。ただし、爆発や酸化を防ぐために換気できない場合や、作業の性質上換気が著しく困難な場合は除かれます(規則第5条第1項)。換気をするときは純酸素を使用してはなりません(同条第3項)。

換気できない場合は、同時に就業する労働者の人数と同数以上の空気呼吸器等(空気呼吸器、酸素呼吸器、送気マスク)を備えて使用させます(規則第5条の2第1項)。作業の一部を請負人に請け負わせる場合も、請負人の作業従事者が働く間は同様に18%以上を保つ換気などに配慮します(規則第5条第2項)。

作業主任者・特別の教育・監視

酸素欠乏危険作業で事業者が行うこと
項目内容根拠
作業主任者の選任第一種は酸素欠乏危険作業主任者技能講習または酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者、第二種は酸素欠乏・硫化水素危険作業主任者技能講習の修了者から選任規則第11条第1項
特別の教育業務に就かせる労働者に、酸素欠乏の発生原因、症状、空気呼吸器等の使用方法、退避と救急そ生の方法などを教育規則第12条
人員の点検作業場所への入場時と退場時に人員を点検規則第8条
監視常時作業の状況を監視し、異常があれば直ちに作業主任者らへ通報する者を置くなど規則第13条第1項

作業主任者は、作業の方法の決定と労働者の指揮、その日の作業前などの濃度測定、測定器具・換気装置・空気呼吸器等の点検、空気呼吸器等の使用状況の監視を行います(規則第11条第2項)。

異常時の退避と報告

作業場所で酸素欠乏等のおそれが生じたときは、直ちに作業を中止して作業従事者を退避させます。おそれがないことを確認するまでは、指名した者以外が立ち入ることを禁止し、見やすい箇所に表示します(規則第14条)。

労働者が酸素欠乏症等にかかったときは、遅滞なく作業場所を管轄する労働基準監督署長へ報告しなければなりません(規則第29条)。けがで労働者が休業した場合の報告の全体像は労働者死傷病報告のガイドで整理しています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。現場が酸素欠乏危険場所に当たるか、必要な措置は、所轄の労働基準監督署または都道府県労働局で最終確認してください。

停電作業や活線近接作業の安全は電気工事の活線作業・停電作業の安全、作業の指導にあたる人の教育は職長教育のガイドで整理しています。

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