公式資料をもとに整理
労働者死傷病報告(下請の電気工事の作業員が休業したとき、元方事業者の労働保険番号を書く)
労働者が仕事中のけがで休業したときは、事業者が労働者死傷病報告を所轄の労働基準監督署長へ提出します。建設工事で下請の労働者が休業した場合、報告書の労働保険番号の欄には、下請自身の番号ではなく元方事業者(元請)の労働保険番号を書きます。ここでは、労働安全衛生規則第97条から、電気工事の下請が確認する報告事項、休業4日以上と4日未満の提出時期、電子申請の扱いを整理します。
公開日: 2026-10-08 / 最終更新: 2026-10-08 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。
報告が必要になるとき
事業者は、労働者が労働災害その他就業中または事業場内もしくは附属建設物内での負傷、窒息、急性中毒により死亡し、または休業したときは、遅滞なく所轄の労働基準監督署長へ報告しなければなりません(e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」第97条第1項)。この報告が労働者死傷病報告です。
報告の対象は「死亡」または「休業」です。休業しなかったけが、たとえば通院だけで仕事を休まなかった場合は、この条文の報告の対象ではありません。従業員を雇わない一人親方が自分のけがで仕事を休んでも、この報告は発生しません。
下請の労働者が休業したときの労働保険番号
報告事項の1つめは労働保険番号で、条文には括弧書きで「建設工事の作業に従事する請負人の労働者が労働災害等により死亡し、または休業した場合は、労働安全衛生法第15条第1項の元方事業者の労働保険番号」と定められています(規則第97条第1項第1号)。
| 被災した人 | 報告書に書く労働保険番号 |
|---|---|
| 自社が雇う労働者(自社の工事) | 自社の労働保険番号 |
| 建設工事で、請負人(下請)の労働者が被災した場合の報告 | 元方事業者の労働保険番号 |
元方事業者は、一の場所で行う事業の仕事の一部を請負人に請け負わせている事業者で、請負契約が二以上あるときは最も先次の請負契約における注文者です(労働安全衛生法第15条第1項)。電気工事を元請から受けた下請の従業員が現場で休業するけがをした場合、下請が報告書を作成するときに元請の労働保険番号を確認する必要があります。
あわせて、建設工事の作業に従事する請負人の労働者が被災した場合は、元方事業者の事業場の名称も報告事項です(規則第97条第1項第6号)。工事の名称(同項第4号)とともに、元請から聞いておくと書類を作る時間を減らせます。
報告する事項
規則第97条第1項は、次の事項を報告するよう定めています(建設工事・派遣労働者・外国人に関する事項を除いた主なもの)。
- 労働保険番号、事業の種類、事業場の名称・所在地・電話番号、常時使用する労働者の数
- 建設工事の場合は工事の名称(請負人の労働者が被災した場合は元方事業者の事業場の名称)
- 被災した労働者の氏名、生年月日、年齢、性別、職種、その職種での経験期間、傷病の名称と部位
- 休業見込期間または死亡日時
- 被災した労働者が外国人の場合は、国籍または地域の名称と在留資格の区分
- 災害の発生日時、発生場所の所在地、発生状況、略図、原因
- 報告年月日、事業者と報告者の職氏名
提出の時期(休業4日以上と4日未満)
| 休業の日数 | 提出の時期 | 根拠 |
|---|---|---|
| 死亡、または休業4日以上 | 遅滞なく | 第1項 |
| 休業4日未満 | 1〜3月、4〜6月、7〜9月、10〜12月の各期間について、それぞれの期間の最後の月の翌月末日まで | 第2項 |
たとえば10月〜12月に起きた休業4日未満の災害は、翌年1月末日までにまとめて報告します。休業4日未満の報告では、休業見込期間に代えて休業日数を報告し、第9号以外の事項を記載します(第2項)。
労災保険の給付の請求と、この労働者死傷病報告は別の手続きです。労災保険の請求書を出したことは、労働者死傷病報告の提出の代わりにはなりません。労災保険の加入手続きは従業員を雇った電気工事業者の労災保険・雇用保険の加入手続きで整理しています。
電子申請の義務化
規則第97条は、報告を「電子情報処理組織を使用して」行うと定めています。厚生労働省の案内(徳島労働局の掲載ページ)では、労働者死傷病報告の報告事項が改正され、電子申請が令和7年1月1日に義務化されたとされています(徳島労働局「労働者死傷病報告の報告事項が改正され、電子申請が義務化されます」)。電子申請には、同ページが案内する「労働安全衛生法関係の届出・申請等帳票印刷に係る入力支援サービス」を使えます。
報告しない・偽って報告したとき
労働安全衛生法第100条第1項は、事業者に必要な事項を報告させる権限を行政官庁に認めており、同項の報告をせず、または虚偽の報告をした場合は、50万円以下の罰金の対象として列挙されています(同法第120条第5号)。事故が起きたのに報告書を出さない、または実際と異なる内容で出すことは、罰則の対象になり得ます。
この整理で言えないこと
- 個々のけがが「休業」に当たるか、4日の数え方、通勤災害の扱いは、この記事では判定しません。
- 元請と下請の間で報告書の作成を誰が担当するかの取り決めは、契約や現場の運用で異なるため、この記事では扱いません。
- 経過措置や入力支援サービスの画面操作は、最新の厚生労働省・労働局の案内で確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。報告の要否、提出時期、記載方法は、所轄の労働基準監督署または都道府県労働局で最終確認してください。
現場での安全衛生の担当者は安全衛生責任者のガイド、従業員の人数ごとの担当者は安全衛生管理体制のガイドで整理しています。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。