労働安全衛生法・労働安全衛生規則

足場の作業主任者・特別教育・点検の決まり(電気工事)

足場の組立て・解体・変更には特別教育が必要で、高さ5m以上などの足場では、さらに足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した人から作業主任者を選任します。足場を使って作業する電気工事の事業者には、作業床の寸法と、作業開始前の点検・記録の決まりもあります。条文の区分を整理します。

公開日: 2026-10-11 / 最終更新: 2026-10-11 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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足場で確認する4つの決まり

足場の決まりは、組み立てる人の資格、作業主任者、作業床、点検の4つに分かれ、足場を組む側と使う側で当てはまるものが違います。自社で足場を組まず、組まれた足場の上で配線や器具の取付けをするだけなら、主に作業床と点検の決まりが関わります。自社で組立て・解体・変更もするなら、特別教育と、足場の種類によっては作業主任者の選任も必要です。

足場に関わる資格と義務の区分(条文の要約)
場面必要なもの根拠
足場の組立て・解体・変更の作業(地上または堅固な床上の補助作業を除く)特別教育安衛則第36条第39号
つり足場(ゴンドラのつり足場を除く)・張出し足場・高さ5m以上の構造の足場の組立て・解体・変更足場の組立て等作業主任者の選任安衛法第14条、施行令第6条第15号、安衛則第565条
高さ2m以上の作業場所のある足場(一側足場を除く)幅40cm以上などの作業床安衛則第563条
足場(つり足場を除く)での作業作業開始前の点検安衛則第567条第1項
悪天候・中震以上の地震・組立て等の後に作業を行うとき9項目の点検と記録の保存安衛則第567条第2項・第3項

脚立・移動はしごの基準は脚立・移動はしごの法定基準、高所作業車とフルハーネス型の教育は電気工事の高所作業で必要な特別教育と技能講習で整理しています。

作業主任者を選任する足場(5m以上など)

つり足場、張出し足場、高さ5m以上の構造の足場の組立て・解体・変更の作業では、足場の組立て等作業主任者技能講習を修了した人のうちから作業主任者を選任します。安衛法第14条は、労働災害を防止するための管理を必要とする作業で政令で定めるものについて、技能講習を修了した人などのうちから作業主任者を選任するよう事業者に求めています。足場の作業は施行令第6条第15号に、選任の方法は安衛則第565条にあります (e-Gov法令検索「労働安全衛生規則」)。

同規則第566条は、作業主任者に、材料の欠点の点検と不良品の除去、器具・工具・要求性能墜落制止用器具・保護帽の機能の点検、作業の方法と労働者の配置の決定と進行状況の監視、要求性能墜落制止用器具と保護帽の使用状況の監視を行わせるよう定めています。解体の作業のときは、材料の点検の項目は適用されません。

組立て・解体・変更の特別教育

足場の組立て・解体・変更の作業に係る業務は、地上または堅固な床上での補助作業を除き、安衛則第36条第39号で特別教育の対象です。作業主任者を置く足場かどうかにかかわらず、足場を組み立てる作業に労働者をつかせるときは、この特別教育を行います。特別教育の記録は3年間保存します(安衛則第38条)。

作業床の寸法

高さ2m以上の作業場所のある足場には作業床を設け、幅は40cm以上、床材の間の隙間は3cm以下、床材と建地の隙間は12cm未満とします(幅と隙間の定めはつり足場を除きます)。安衛則第563条第1項の定めで、一側足場は対象から除かれています。墜落のおそれのある箇所には足場の種類に応じた手すり等や中桟等の足場用墜落防止設備を設け、物体の落下のおそれがあるときは高さ10cm以上の幅木、メッシュシート、防網などを設けます。

作業の性質上、足場用墜落防止設備を設けることが著しく困難な場合や、作業の必要上臨時に取り外す場合には、要求性能墜落制止用器具を取り付ける設備と使用させる措置などを講じることで、例外が認められています(同条第3項)。臨時に取り外したときは、必要がなくなった後、直ちに元に戻します(同条第5項)。

作業開始前と悪天候後の点検・記録

足場(つり足場を除く)で作業を行うときは、点検者を指名して、その日の作業開始前に、足場用墜落防止設備の取り外し・脱落の有無を点検させます。異常を認めたときは、直ちに補修します(安衛則第567条第1項)。

強風、大雨、大雪などの悪天候、中震以上の地震、足場の組立て・一部解体・変更の後に作業を行うときは、作業開始前に、床材の損傷、緊結部の緩み、緊結金具の損傷・腐食、幅木等の取付状態、脚部の沈下、壁つなぎ等の補強材の状態など、同条第2項の9項目を点検させます。点検の結果と点検者の氏名、補修などの措置の内容は記録し、足場を使う作業を行う仕事が終わるまで保存します(同条第3項)。

条文は点検などを行う主体を「事業者」としています。複数の事業者が入る現場で、誰がどの点検を担うかは、元請・下請の取り決めと現場の管理体制で確認してください。

この整理で言えないこと

この記事は条文の区分の整理にとどまり、足場の種類ごとの構造基準(わく組足場・単管足場など)、組立て図、特別教育の科目や時間数、技能講習の実施機関、床材の強度計算は扱っていません。罰則の適用も個別には判断しません。

クレーンで資材を吊る作業の資格は移動式クレーンの運転・玉掛けの資格区分で整理しています。下請として現場に入るときの安全衛生責任者は統括安全衛生責任者と安全衛生責任者のガイドにあります。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。作業や足場が各決まりの対象に当たるかは、労働基準監督署または都道府県労働局で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。