電気設備技術基準・解釈
低圧屋内配線の工事の種類と施設場所の早見表(解釈第156条)
低圧屋内配線に使える工事の種類は、施設場所の区分と使用電圧が300V以下か超かで、解釈第156条の156-1表が決めています。表の12種類の工事のうち、ケーブル工事・合成樹脂管工事・金属管工事・金属可とう電線管工事の4つは、表の10区分すべてで使えます。点検できない隠ぺい場所は3区分とも、使える工事が4〜6種類にとどまります。
公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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10区分ごとに使える工事の種類
低圧屋内配線は、次の表の施設場所と使用電圧の区分ごとに、「使える」と示された工事のいずれかで施設します。次の表は解釈第156条の156-1表を、区分ごとに使える工事を並べる形に組み替えたものです (経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」、令和7年11月20日改正の版)。 解釈第156条の見出しには「(省令第56条第1項)」と付いており、省令の屋内配線の定めに対応する条です。
表の「展開した場所」「水気のある場所」などの用語の定義は、技術基準の解釈第1条の用語の記事で整理しています。
| 施設場所 | 使用電圧 | 使える工事の種類 |
|---|---|---|
| 展開した場所・乾燥した場所 | 300V以下 | がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、金属線ぴ、金属ダクト、バスダクト、ケーブル、ライティングダクト(9種類) |
| 展開した場所・乾燥した場所 | 300V超 | がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、金属ダクト、バスダクト、ケーブル(7種類) |
| 展開した場所・湿気の多い場所または水気のある場所 | 300V以下 | がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、バスダクト、ケーブル(6種類) |
| 展開した場所・湿気の多い場所または水気のある場所 | 300V超 | がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブル(5種類) |
| 点検できる隠ぺい場所・乾燥した場所 | 300V以下 | がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、金属線ぴ、金属ダクト、バスダクト、ケーブル、セルラダクト、ライティングダクト、平形保護層(11種類) |
| 点検できる隠ぺい場所・乾燥した場所 | 300V超 | がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、金属ダクト、バスダクト、ケーブル(7種類) |
| 点検できる隠ぺい場所・湿気の多い場所または水気のある場所 | 区分なし(表では「−」) | がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブル(5種類) |
| 点検できない隠ぺい場所・乾燥した場所 | 300V以下 | 合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブル、フロアダクト、セルラダクト(6種類) |
| 点検できない隠ぺい場所・乾燥した場所 | 300V超 | 合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブル(4種類) |
| 点検できない隠ぺい場所・湿気の多い場所または水気のある場所 | 区分なし(表では「−」) | 合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、ケーブル(4種類) |
表の工事の種類は、がいし引き、合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、金属線ぴ、金属ダクト、バスダクト、ケーブル、フロアダクト、セルラダクト、ライティングダクト、平形保護層の12種類です。 フロアダクト工事は点検できない隠ぺい場所の乾燥した300V以下だけ、平形保護層工事は点検できる隠ぺい場所の乾燥した300V以下だけ、がいし引き工事は点検できない隠ぺい場所では使えません。
施設場所の区分の定義
場所の区分は解釈第1条の用語の定義で決まり、「乾燥した場所」は湿気の多い場所と水気のある場所以外の場所です。次の定義は、いずれも条文の要約です。
- 水気のある場所: 水を扱う場所や雨露にさらされる場所その他水滴が飛散する場所、または常時水が漏出し、もしくは結露する場所。
- 湿気の多い場所: 水蒸気が充満する場所または湿度が著しく高い場所。
- 点検できない隠ぺい場所: 天井ふところ、壁内、コンクリート床内など、工作物を破壊しなければ電気設備に接近または点検できない場所。
- 点検できる隠ぺい場所: 点検口がある天井裏、戸棚、押入れなど、容易に電気設備に接近または点検できる隠ぺい場所。
- 展開した場所: 点検できない隠ぺい場所と点検できる隠ぺい場所以外の場所。
どの場所がどの区分に当たるかは、現場ごとの判断になります。この記事では個別の場所の当てはめはしません。
表によらない2つの場合
第156条は、156-1表の工事によらなくてよい場合として、第172条第1項と第175条から第178条までの2つを除いています。第172条第1項が扱うのは、ショウウィンドーやショウケース内の配線です。第175条から第178条が扱うのは、粉じんの多い場所、可燃性のガスのある場所、危険物のある場所、火薬庫です。
ショウウィンドー・ショウケース内の配線は、乾燥した場所に施設し内部を乾燥した状態で使うこと、使用電圧が300V以下であることなどの条件を満たせば、外から見えやすい箇所に限り、コードまたはキャブタイヤケーブルを造営材に接触して施設できます。粉じんなどの特殊な場所は、それぞれの条の規定で別に施設方法が定められています。
がいし引き工事・合成樹脂管工事の数値の定め
156-1表で使える工事でも、施設の方法は第157条以降に工事ごとに定められています。ここでは、がいし引き工事(第157条)と合成樹脂管工事(第158条)の主な数値を挙げます。他の工事の定めは、解釈の原文で確認してください。
| 工事 | 項目 | 定め |
|---|---|---|
| がいし引き(第157条) | 電線相互の間隔 | 6cm以上 |
| がいし引き(第157条) | 電線と造営材との離隔距離 | 300V以下は2.5cm以上。300V超は4.5cm以上(乾燥した場所は2.5cm以上) |
| がいし引き(第157条) | 電線の支持点間の距離 | 造営材の上面または側面に沿って取り付ける場合は2m以下。それ以外で300V超のものは6m以下 |
| 合成樹脂管(第158条) | 電線 | 絶縁電線(屋外用ビニル絶縁電線を除く)。より線、または直径3.2mm(アルミ線は4mm)以下の単線。短い合成樹脂管に収めるものは例外 |
| 合成樹脂管(第158条) | 管内の電線の接続点 | 設けない |
| 合成樹脂管(第158条) | 管の厚さ(合成樹脂製可とう管とCD管を除く) | 2mm以上。使用電圧が300V以下であること、展開した場所または点検できる隠ぺい場所で乾燥した場所に施設すること、接触防護措置を施すことの3つに適合する場合は除く |
金属管工事の管に施す接地工事の種類は接地工事のA種・B種・C種・D種の違いで整理しています。電線を接続するときの条件は電線の接続の条件(省令第7条・解釈第12条)にまとめています。
この整理で言えないこと
この記事は156-1表の読み方の整理にとどまり、特定の建物や設備にどの工事を使うか、電線の太さ・許容電流の選び方、各工事の細かい施設方法は扱っていません。民間規格(内線規程など)の内容も扱っていません。分岐回路の遮断器ごとの電線の太さは分岐回路の電線の太さとコンセントの早見表で整理しています。
省令と解釈の関係は電気設備の技術基準の省令と解釈の違いの記事にまとめています。住宅の屋内配線の電圧と漏電遮断器は、漏電遮断器の設置が必要な電路と例外の記事で扱っています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の配線にどの工事を使えるかは、経済産業省の産業保安監督部または電気工事の施工者・保安の専門家に確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。