公式資料をもとに整理

低圧配線と水管・弱電流電線の離隔距離(解釈第167条)

低圧配線の離隔距離が数値で決まっているのは、がいし引き工事の配線が弱電流電線等や水管・ガス管と接近・交差する場合の「10cm以上(裸電線は30cm以上)」です。ほかの工事の種類では、距離ではなく「接触しないように施設する」「同じ管に入れない」といった定めになります。技術基準の解釈第167条の内容を、工事の種類ごとに整理します。

公開日: 2026-10-22 / 最終更新: 2026-10-22 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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第167条が決めていること

経済産業省の「電気設備の技術基準の解釈」第167条は、見出しを「低圧配線と弱電流電線等又は管との接近又は交差」とし、省令第62条に対応する条です。相手方は「弱電流電線等」と、「水管、ガス管若しくはこれらに類するもの」(条文中の略称は水管等)の2種類です。

解釈第1条は、弱電流電線を「弱電流電気の伝送に使用する電気導体、絶縁物で被覆した電気導体又は絶縁物で被覆した上を保護被覆で保護した電気導体」とし、小勢力回路の電線と出退表示灯回路の電線を含めています。弱電流電線等は、弱電流電線と光ファイバケーブルを合わせた呼び方です。

条文は工事の種類によって3つの項に分かれており、数値の距離が出てくるのは第1項(がいし引き工事)だけです。工事の種類の選び方は低圧屋内配線の工事の種類の早見表、配線の用語の定義は解釈第1条の用語の記事で整理しています。

がいし引き工事の離隔距離(第1項)

がいし引き工事で施設する低圧配線が、弱電流電線等または水管等と接近・交差する場合は、次のいずれかによります。

解釈第167条第1項の3つの方法(がいし引き工事)
号方法使用電圧の条件
第一号低圧配線と弱電流電線等・水管等との離隔距離を10cm以上にする(電線が裸電線なら30cm以上)条件なし
第二号低圧配線と弱電流電線等・水管等の間に絶縁性の隔壁を堅ろうに取り付ける300V以下
第三号低圧配線を、十分な長さの難燃性・耐水性のある堅ろうな絶縁管に収めて施設する300V以下

離隔距離を取る方法(第一号)は使用電圧の条件がなく、隔壁と絶縁管の方法(第二号・第三号)は使用電圧が300V以下の場合に限られます。10cmと30cmの区別は、電線が裸電線かどうかです。造営材との離隔距離は別の条(第157条)で定められており、この条の数値とは別のものです。

ほかの工事の種類は接触しないように施設(第2項)

第2項は、次の工事の種類で施設する低圧配線が、弱電流電線または水管等と接近し、または交差する場合の定めです。

これらの工事では、第3項ただし書による場合を除き、低圧配線が弱電流電線または水管等と接触しないように施設することが求められます。この項には、10cmのような数値の離隔距離は書かれていません。なお、第2項の相手方は「弱電流電線」と「水管等」で、第1項にある光ファイバケーブルを含む「弱電流電線等」とは書き分けられています。

同じ管・ダクト・ボックスに入れない場合(第3項)

第3項は、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属線ぴ工事、金属ダクト工事、バスダクト工事、フロアダクト工事、セルラダクト工事で施設する低圧配線の電線と弱電流電線を、同一の管、線ぴ、ダクト、これらのボックスその他の附属品、またはプルボックスの中に施設しないと定めています。

ただし、バスダクト工事以外の工事で、次のいずれかに当たる場合はこの限りではありません。

解釈第167条第3項ただし書の2つの場合
号場合条文が求める内容
第一号低圧配線の電線と弱電流電線を、条件に適合するダクト、ボックス、プルボックスの中に施設する場合両者の間に堅ろうな隔壁を設ける。金属製部分にC種接地工事を施す。合成樹脂管・金属管・金属可とう電線管・金属線ぴ工事のときは、電線と弱電流電線を別個の管または線ぴに収める
第二号弱電流電線が、制御用の弱電流電線または遮へい層つきの通信用ケーブルである場合制御用は、リモコンスイッチ、保護リレーなどの制御用で、絶縁電線と同等以上の絶縁効力があり、低圧配線との識別が容易にできるもの。通信用ケーブルは、C種接地工事を施した金属製の電気的遮へい層を有するもの

第3項は「同一の管の中に入れない」という原則があり、例外には隔壁や接地工事、識別のしやすさといった条件が付いています。接地工事の種類は接地工事のA種からD種の記事で整理しています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の配線が基準のどれに当たるかは、解釈の原文と設計図書で確認し、不明な点は所轄の産業保安監督部または都道府県の担当窓口にお問い合わせください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分のどれに当たりそうかを確認できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。