公式資料をもとに整理

労働基準監督署の調査と是正勧告書・指導票の報告書

労働基準監督署の調査は、予告なしに始まることがあり、帳簿や書類の提出を断ったり、虚偽の記載をした帳簿を出したりすると罰則があります。法違反があれば是正の指導を受け、是正勧告書や指導票を受け取った場合は、それぞれ決まった報告書で是正の状況を報告します。従業員を雇う電気工事業者が、調査のきっかけ、監督官の権限、是正勧告書と指導票に応じた報告書の種類を、条文と厚生労働省の資料で確認します。

公開日: 2026-10-20 / 最終更新: 2026-10-20 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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先に結論:調査は予告なしで、拒むと罰則がある

労働基準監督官は、事業場に臨検し、帳簿や書類の提出を求め、使用者や労働者に尋問できます(労働基準法第101条第1項、e-Gov法令検索「労働基準法」)。厚生労働省の資料は、適正な調査を行うため、予告なく事業場に立ち入ることとされていると説明しています(厚生労働省「労働基準監督官の仕事」)。

監督指導の目的は法違反の是正で、是正を確認すれば監督指導は終了します。慌てて断るより、日ごろから帳簿を整えておくことが、いちばん確実な備えです。

調査が入るきっかけ:定期的な監督と労働者の申告

労働基準監督署の調査が入る2つのきっかけ
きっかけ内容
定期監督監督署が主体的・計画的に行う監督指導です。
労働者の申告労働者が法違反を知らせ、行政指導を求めるものです(労働基準法第104条)。監督官が臨検するほか、事業主に来署を求めて事情を聴くこともあります。

厚生労働省の資料では、監督指導は年間約17万件(令和5年)、申告の受理は年間約2万件(令和5年)で、申告の内訳は賃金不払に関するものが最も多く、次に解雇に関するものです。使用者は、申告したことを理由に、労働者を解雇するなど不利益に取り扱ってはなりません(労働基準法第104条第2項)。

監督官の権限と、拒んだときの罰則

監督官の権限と、拒んだときの扱い
できること・扱い根拠
事業場への臨検、帳簿・書類の提出要求、尋問労働基準法第101条第1項
必要な事項の報告、出頭の命令労働基準法第104条の2
臨検の拒否・妨害、虚偽の陳述、帳簿書類の不提出、虚偽記載の帳簿の提出は30万円以下の罰金労働基準法第120条第4号
報告をしない、虚偽の報告をする、出頭しないことも30万円以下の罰金労働基準法第120条第5号

監督官は身分を証明する証票を携帯しなければなりません(第101条第2項)。法違反の罪については、刑事訴訟法に規定する司法警察官の職務も行います(第102条)。

是正勧告書・指導票・是正報告書

厚生労働省の資料では、法違反が認められた場合は是正を指導し、危険性の高い機械・設備は、その場で使用停止などを命じる行政処分を行うこともあります。是正勧告を受けた法違反を是正しないなど、重大・悪質な事案は、司法警察官として捜査し、検察庁に送検します。

是正勧告書と指導票で、労働局が案内する報告書
受け取った書面提出する報告書(岡山労働局の案内)
是正勧告書是正報告書
指導票改善報告書

様式は労働局のページに載っています(岡山労働局「是正報告について」)。割増賃金や最低賃金で遡及是正の勧告を受けた場合や、時間外・休日労働の削減で勧告を受けた場合は、専用の報告書の提出を求められることがあります(富山労働局「労働基準監督署へ提出する報告書について」)。書き方や期日が分からないときは、担当の監督官に確認します。

調査で多い違反と、日ごろ備えておくこと

厚生労働省の資料では、定期監督等で約70%の事業場に何らかの労働基準関係法令違反が認められました(令和5年)。主な違反は次の3つです。

それぞれの確認先は、36協定と残業の上限のガイド、健康診断のガイド、割増賃金のガイドです。調査では帳簿書類の提出を求められるため、労働者名簿・賃金台帳と、労働時間の記録を整えておきます。

確認チェックリスト

この整理で言えないこと

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の対応は、所轄の労働基準監督署や総合労働相談コーナーで最終確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

次に知りたいことは、就業規則は就業規則の作成・届出のガイド、残業の上限は36協定のガイド、賃金の未払いの時効は未払い賃金の時効のガイドです。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。