公式資料をもとに整理

主任電気工事士は現場に常駐が必要か(営業所の設置義務)

電気工事業法の条文に、主任電気工事士の「常駐」や「工事現場への配置」を求める文言はありません。法第19条が求めるのは、一般用電気工事を扱う営業所ごとに、作業を管理する主任電気工事士を置くことです。営業所の設置義務と、工事現場での管理の関係を、条文と経済産業省の逐条解説で分けて確認します。

公開日: 2026-10-15 / 最終更新: 2026-10-15 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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条文が求めていること

電気工事業法第19条第1項は、登録電気工事業者に対し、一般用電気工事の業務を行う営業所(特定営業所)ごとに、その作業を管理させるため主任電気工事士を置くよう定めています。第20条は、主任電気工事士が一般用電気工事による危険・障害が発生しないよう、作業の管理の職務を誠実に行うことを求めています(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」、2026年10月15日に確認)。

条文が置く先として挙げているのは「営業所」で、「工事現場」ではありません。電気工事業法と施行規則の本文に「常駐」「常勤」の語がないことも確かめました。資格要件や特例は主任電気工事士の要件・設置義務・職務の解説にまとめています。

営業所に置くとは何か

経済産業省の逐条解説は、営業所を「電気工事の作業の管理を行う店舗」とし、契約の締結や経営管理だけを行い、具体的な作業の管理を下部組織に任せている本店などは営業所に当たらないと説明しています(経済産業省「電気工事業法の逐条解説」)。つまり、主任電気工事士を置く場所は、作業の管理が実際に行われる営業所です。

同じ解説は、主任電気工事士等を「専らその置かれている営業所において電気工事の作業の管理を行う者」とし、他の営業所や他の登録電気工事業者の営業所の主任電気工事士等を兼ねることはできないとしています。兼ねられるかは主任電気工事士の兼任の記事で場面別に整理しています。

工事現場との関係

主任電気工事士について、条文と解説が述べていること
論点条文・解説の内容この記事の読み方
置く場所特定営業所ごと(法第19条第1項)工事現場ごとの配置義務は、条文に書かれていません
職務一般用電気工事の作業の管理(法第20条第1項)管理の方法・頻度は条文で決められていません
作業従事者職務上必要な指示に従う(法第20条第2項)指示の出し方は、行政庁に確認する事項です
常駐の要否条文に定めなし要否を断定せず、窓口で確認します

管理の職務を営業所で行うか、現場で行うかは、条文から一律には決まりません。複数の現場が同時に動くとき、一人の主任電気工事士がどこまで管理できるかは、条文に基準がありません。現場ごとに誰が作業を管理するかを営業所単位で書き出し、選任や変更届を出す前に、登録または通知をした行政庁へ見せて確認してください。

主任電気工事士が長期の疾病などで管理できない状態になったときは、欠員として扱われ、2週間以内の選任が必要になる場合があります。詳しくは欠員・変更時の選任と届出を参照してください。

建設業法の技術者の配置との違い

建設業許可を持つ事業者が工事現場に置く主任技術者・監理技術者は、建設業法の制度で、電気工事業法の主任電気工事士とは根拠の法律も置く単位も別です。建設業法の技術者の現場での役割は現場代理人と主任技術者の違いで整理しています。

同じ人が両方を兼ねる場合の可否は、この記事では判断しません。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。主任電気工事士の勤務の形、現場での管理の方法、営業所の数え方は、登録または通知をした行政庁(経済産業局または都道府県)へ、選任や変更届の前に確認してください。

営業所ごとに主任電気工事士の要件を満たす人がいるかを確かめるには、主任電気工事士になれるか確認するツールが使えます。まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。