公式資料をもとに整理

電気工事業を廃業した後の帳簿の扱い(5年保存の数え方)

電気工事業の帳簿は、記載の日から5年間保存するものと施行規則に定められています。条文は、廃止届を出した日でこの期間を打ち切る旨を書いていません。廃業の手続きが済んでも、5年に満たない分の帳簿を手元に残すかどうかを、廃止の日・登録の失効・登録の消除の順に整理して確認します。

公開日: 2026-10-15 / 最終更新: 2026-10-15 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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帳簿の保存を定める条文

電気工事業者は、営業所ごとに帳簿を備え、経済産業省令で定める事項を記載して保存します(電気工事業法第26条)。ここでいう電気工事業者は、登録電気工事業者と通知電気工事業者の両方です(第2条第3項)。

施行規則第13条は、電気工事ごとに次の6項目を記載するよう定め、帳簿は「記載の日から五年間保存しなければならない」としています(e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律施行規則」、2026年10月15日に確認)。

保存期間は帳簿の作成日からではなく、記載の日から数えます。そのため、工事ごとに満了日が異なります。項目の書き方や備え付けの単位は電気工事業の帳簿に記載する6項目と5年保存で確認できます。

廃止の日・失効・消除と帳簿の関係

登録電気工事業者が電気工事業を廃止すると、その登録は効力を失います(法第13条第3項)。行政庁は、効力を失った登録を消除します(法第14条)。通知電気工事業者は、廃止の通知について第11条が準用されます(法第17条の2第4項)。

廃業の流れと、条文が帳簿について定めていること
場面条文が定めていること帳簿について
廃止の日登録は効力を失う(法第13条第3項)廃止を理由に保存期間を短くする定めは、第26条と施行規則第13条には書かれていません
廃止の日から30日以内廃止届を出す(法第11条)手続きの一覧は電気工事業を廃業するときの手続き一覧で確認できます
登録の消除行政庁が登録を消除する(法第14条)消除について、帳簿の保存期間を定め直す条文は見当たりません
消除前に結んだ契約の工事引き続き施工でき、完成の目的の範囲では登録電気工事業者とみなされる(法第17条第1項・第3項)この間の工事の帳簿の扱いは、登録行政庁に確認します

廃止後に帳簿の保存義務が続くか、続くとして誰が負うかは、条文に明記されていません。法第26条の義務の主体は「電気工事業者」で、登録が失効した後の者がそれに当たるかは、条文だけでは読み取れません。5年に満たない帳簿は処分を急がず、行政庁の見解を確かめてから整理するのが、この記事の読み方です。

登録の消除後も、消除前に結んだ請負契約の工事は引き続き施工できます。この場合、消除の後に遅滞なく注文者へ通知する必要があり、注文者は通知を受けた日から30日以内に限り契約を解除できます(法第17条第1項・第4項)。

廃業の手続きと帳簿の整理の順番

  1. 廃止の日を決める前に、まだ完成していない工事と、施工が終わった工事を分けます。
  2. 帳簿は、記載の日ごとに5年の満了日を一覧にします。廃止の日から数えると誤ります。
  3. 廃止届と登録証の返納は、廃止の日から30日以内に済ませます。登録証は返納しますが、帳簿の提出は手引きの添付書類に挙がっていません。
  4. 満了日が来ていない帳簿は、保管場所と、保管する人を決めて残します。
  5. 処分は、満了日が過ぎたものだけを対象にします。個人情報を含むので、廃棄の方法も決めます。

廃止届の添付書類に帳簿が挙がっていない点は、経済産業大臣宛ての手続きについて、経済産業省の手引きで確認しました(経済産業省「電気工事業の廃止届出書」)。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。廃止後の帳簿の保存の要否・保管場所・廃棄の方法は、登録または通知をした行政庁(経済産業局または都道府県)へ、廃止届を出す前に確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。