電気工事士法第4条・同法施行規則第10条
電気工事士試験の科目・技能試験・学科免除(一種と二種)
電気工事士試験は、第一種・第二種のどちらも学科試験と技能試験で行われ、技能試験は学科試験の合格者または学科試験の免除者が受けられます。電気技術者試験センターの公開情報から、試験の科目、技能試験の内容、学科試験の免除の対象を第一種と第二種で並べます。
公開日: 2026-10-04 / 最終更新: 2026-10-04 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
試験の流れと受験資格
電気技術者試験センターは、電気工事士試験の受験資格に実務経験は不要で、電気系の仕事が未経験でも受験できると案内しています。第一種は自家用電気工作物、第二種は一般用電気工作物等の保安に関して必要な知識と技能を、学科試験と技能試験で確かめる試験です(電気技術者試験センター「電気工事士の資格概要」、第二種の試験概要、第一種の試験概要)。
試験に合格することと、免状の交付を受けることは別の段階です。第一種の試験合格ルートでは、免状の交付に実務経験3年以上が必要になります(電気工事士免状の交付要件)。
学科試験の科目(第一種と第二種の違い)
学科試験は四肢択一方式で、第二種の科目は7つ、第一種の科目は9つです。科目の範囲は電気工事士法施行規則第10条が定めています(第1項が第一種、第2項が第二種)。公式の試験概要が示す科目は次のとおりです。
| 科目 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 電気に関する基礎理論 | あり | あり |
| 配電理論及び配線設計 | あり | あり |
| 電気応用 | なし | あり |
| 電気機器・配線器具・材料・工具(第一種は蓄電池・受電設備を含む) | あり | あり |
| 電気工事の施工方法 | あり | あり |
| 検査方法 | 一般用電気工作物等 | 自家用電気工作物 |
| 配線図 | あり | あり |
| 発電施設・送電施設・変電施設の基礎的な構造及び特性 | なし | あり |
| 保安に関する法令 | 一般用電気工作物等 | 一般用電気工作物等及び自家用電気工作物 |
技能試験の内容
技能試験は、持参した作業用工具で、配線図で与えられた問題を支給される材料により、一定時間内に完成させる方法で行われます。出題される事項として公式の試験概要が挙げているのは、次のとおりです。
- 電線の接続、配線工事、接地工事、コード及びキャブタイヤケーブルの取付け、電気機器・配線器具・材料・工具の使用方法(第一種・第二種に共通)
- 電流・電圧・電力・電気抵抗の測定(第一種・第二種に共通)
- 第二種: 電気機器・配線器具の設置、一般用電気工作物等の検査、故障箇所の修理
- 第一種: 電気機器・蓄電池・配線器具の設置、自家用電気工作物の検査、自家用電気工作物の操作及び故障箇所の修理
公式サイトには技能試験の候補問題が公開されています。持参する工具の規定など受験年度ごとの条件は、受験案内で確認してください。
学科試験の免除(第二種だけ学校卒業が対象)
学科試験の免除は申請が必要で、第二種では電気工学の課程を修めて卒業した方が対象に含まれますが、第一種には学校卒業による免除がありません。公式の試験概要が示す免除の対象は次のとおりです。
| 対象 | 第二種 | 第一種 |
|---|---|---|
| 前回または前々回に同じ種類の学科試験に合格した方 | 対象 | 対象 |
| 第一種・第二種・第三種電気主任技術者免状の取得者 | 対象 | 対象 |
| 高等学校・高等専門学校・大学等で経済産業省令で定める電気工学の課程を修めて卒業した方 | 対象 | 対象外 |
| 鉱山保安法の電気保安に関する係員の試験合格者、旧自家用電気工作物施設規則による認定を受けた方 | 対象 | 公式概要に記載なし |
| 旧電気事業主任技術者資格検定規則による有資格者 | 対象 | 対象 |
電気工学の課程は、電気理論、電気計測、電気機器、電気材料、送配電、製図(配線図を含むもの)、電気法規の所定の単位をすべて修得したものを指します。免除の対象になるかどうかは、卒業した学校への確認が必要です。免除の申請に必要な証明書類と送付方法は、受験案内で確認してください。
学科試験のCBT方式と令和9年度からの移行
学科試験の出題方式には、マークシートに記入する筆記方式と、パソコンで解答するCBT方式があり、令和9年度(2027年度)からは原則としてCBT方式に移行します。センターの令和8年4月8日付のお知らせでは、令和8年度は第一種・第二種ともに下期はCBT方式と筆記方式、令和9年度以降は上期・下期ともCBT方式とされています。
通信障害などでCBT方式が実施できない場合は、筆記方式で実施することがあるとされています(電気技術者試験センター「CBT方式への移行について」)。試験の日程・申込期間・手数料は年度ごとに変わるため、この記事では扱いません。
合格後の免状交付と事業での使いどころ
e-Gov法令検索「電気工事士法」第4条第2項により、免状は都道府県知事が交付します。第二種免状の交付を受けられる者は、第二種試験に合格した者のほか、経済産業大臣が指定する養成施設の課程を修了した者などです(同条第4項)。試験の合格だけでは電気工事士にならず、免状の交付を受けて初めて、電気工事士法が定める電気工事に従事できる立場になります。
電気工事業を開業する場合の主任電気工事士の要件や、免状の種類による工事範囲の違いは、資格と登録の違いと主任電気工事士の要件で整理しています。免状がなくてもできる工事の範囲は電気工事士の資格が不要な工事・作業を参照してください。
この整理で言えないこと
- 試験の日程、受験料、申込方法、合格基準、合格率は年度ごとに変わるため対象外です。受験案内で確認してください。
- 個別の学歴・資格が学科試験免除の対象になるかは判定しません。
- 試験対策講座・教材・工具の比較や推奨は行いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。試験の日程・申込・免除の可否は電気技術者試験センター、免状の交付は住所地の都道府県庁の電気工事士免状窓口へ確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。