公式資料をもとに整理

電気工事士法・電気工事業法の対象外となる電気工作物(発電所・変電所・500kW以上の需要設備等)と登録・通知の関係

電気工事業法の「電気工事」は電気工事士法の「電気工事」を指し、これは一般用電気工作物等または自家用電気工作物を設置・変更する工事です。発電所・蓄電所・変電所・最大電力500キロワット以上の需要設備・送電線路・保安通信設備は自家用電気工作物から除かれているため、条文の定義上、これらだけの工事は登録・通知の対象となる「電気工事」に当たりません。条文の参照関係を順にたどり、除かれる6種の設備と、登録・通知の要否との関係を整理します。

公開日: 2026-10-01 / 最終更新: 2026-10-01 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

登録・通知の対象が決まる条文の連鎖

e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」(以下、電気工事業法)の登録・通知は、「電気工事業」を営もうとする者が対象です。何が電気工事に当たるかは、次の順に条文を参照して決まります。

段階条文内容
1電気工事業法第3条第1項・第17条の2第1項電気工事業を営もうとする者は登録(自家用電気工事のみに係る電気工事業は通知)が必要
2電気工事業法第2条第1項・第2項「電気工事業」は電気工事を行う事業。「電気工事」は電気工事士法第2条第3項の電気工事(ただし、家庭用電気機械器具の販売に付随して行う工事を除く)
3電気工事士法第2条第3項「電気工事」は、一般用電気工作物等または自家用電気工作物を設置し、または変更する工事(政令で定める軽微な工事を除く)
4電気工事士法第2条第2項「自家用電気工作物」は、電気事業法の自家用電気工作物から、小規模事業用電気工作物、発電所、変電所、最大電力500キロワット以上の需要設備その他の経済産業省令で定めるものを除いたもの
5電気工事士法施行規則第1条の2経済産業省令で除くものを、発電所・蓄電所・変電所・最大電力500キロワット以上の需要設備・送電線路・保安通信設備と定める

段階4・5で自家用電気工作物から除かれた設備は、段階3の「自家用電気工作物を設置・変更する工事」には含まれません。一般用電気工作物等と自家用電気工作物の一般的な違いは一般用電気工作物等と自家用電気工作物の違いで整理しています。

自家用電気工作物から除かれる6種の設備

電気工事士法施行規則第1条の2は、法第2条第2項の経済産業省令で定める自家用電気工作物を、次の6種と定めています。

設備施行規則の書き方
発電所条文に「発電所」と規定
蓄電所条文に「蓄電所」と規定
変電所条文に「変電所」と規定
最大電力500キロワット以上の需要設備法第2条第2項が「電気を使用するために、その使用の場所と同一の構内(発電所または変電所の構内を除く)に設置する電気工作物の総合体」と定義する需要設備のうち、最大電力500キロワット以上のもの
送電線路発電所相互間、蓄電所相互間、変電所相互間、発電所と蓄電所との間、発電所と変電所との間、蓄電所と変電所との間の電線路(専ら通信の用に供するものを除く)およびこれに附属する開閉所その他の電気工作物
保安通信設備条文に「保安通信設備」と規定

需要設備は、設備の種類ではなく「同一の構内に設置する電気工作物の総合体」で見ます。500キロワットの基準は構内全体の最大電力に当てはまるかどうかで決まるため、個別の建物・設備だけを見て判断することはできません。

登録・通知の要否との関係

条文の定義だけをたどると、除かれた6種の設備だけを対象とする工事は、電気工事業法の「電気工事」に含まれず、その工事だけを行う事業は登録・通知の対象となる電気工事業に当たりません。一方、次のように対象となる工事を含む場合は、通常の区分判断に戻ります。

登録が不要になるその他のケース(軽微な工事、家庭用電気機械器具の販売に付随する工事など)は電気工事業の登録・通知が不要なケースの境界、通知で足りる範囲は通知電気工事業者の概要で整理しています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。対象設備が除外対象に当たるか、登録・通知が必要かは、営業所の所在地を管轄する都道府県または経済産業局の窓口で最終確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。