開業後の義務(建設工事)

建設リサイクル法の届出と電気工事の下請の義務

建設リサイクル法で工事着手の7日前までに届出をするのは、工事の発注者(または自分で施工する自主施工者)で、請け負う電気工事業者ではありません。一方、対象になる工事では、下請の電気工事業者も分別解体等をする義務を負い、上位の受注者から届出内容を告げられます。

公開日: 2026-10-13 / 最終更新: 2026-10-13 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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誰が何をするか

法第10条は、対象建設工事の届出を、発注者または自主施工者の義務としています。届出先は都道府県知事で、期限は工事に着手する日の7日前までです。 条文はe-Govで確認できます (建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律)。

建設リサイクル法で立場ごとに決まっている義務(条文の要約)
立場義務条
発注者・自主施工者着手の7日前までに、分別解体等の計画などを都道府県知事へ届け出る。主務省令で定める事項を変更するときも、変更後の着手の7日前まで第10条
発注者から直接請け負おうとする業者(元請)発注者に、構造・特定建設資材の種類・工程・分別解体等の計画などを書面で交付して説明する第12条第1項
対象建設工事の受注者(下請を含む)工事の一部を他の業者に請け負わせるときは、届け出られた事項を相手に告げる第12条第3項
対象建設工事の請負契約の当事者(下請契約を含む)建設業法第19条の記載事項に加えて、分別解体等の方法、解体工事に要する費用などを契約書面に記載する第13条第1項
対象建設工事の受注者(下請を含む)・自主施工者正当な理由がある場合を除き、分別解体等をする第9条第1項
元請業者特定建設資材廃棄物の再資源化等が終わったら、発注者に書面で報告し、実施状況の記録を作って保存する第18条第1項

届出は発注者の義務ですが、実際の窓口では、発注者以外の人が届け出ることもあります。 千葉市の案内は、発注者が直接届け出ない場合は、実際に届け出る人への委任状が必要としています (千葉市「建設リサイクル法の届出・通知(建築物)」)。 委任状の扱いは自治体ごとに異なる可能性があるため、工事場所の窓口の案内を確認してください。

対象になる工事の規模基準

対象建設工事は、特定建設資材を使う工事のうち、建築物の解体は床面積80平方メートル以上、新築・増築は500平方メートル以上、それ以外の建築物の工事は請負代金1億円以上、建築物以外は請負代金500万円以上のものです。基準は政令の第2条にあります (同法施行令)。 特定建設資材は、コンクリート、コンクリートと鉄から成る建設資材、木材、アスファルト・コンクリートの4つです(施行令第1条)。

対象建設工事の規模基準(施行令第2条第1項)
工事の種類基準
建築物の解体工事床面積の合計が80平方メートル以上
建築物の新築・増築工事床面積の合計が500平方メートル以上(増築は工事に係る部分)
建築物の新築・増築に当たらない工事(修繕・模様替えなど)請負代金の額が1億円以上
建築物以外の工作物の解体・新築工事等請負代金の額が500万円以上

同じ人が工事を2つ以上の契約に分けて請け負う場合は、1つの契約とみなして基準を当てはめます。ただし、正当な理由があって分けたときは別です(施行令第2条第2項)。

都道府県は、条例で、この基準に代わる基準を定められます(法第9条第4項)。 施行令第2条は「その請負代金の額」と書くだけで、電気工事部分の金額で見るのか工事全体で見るのかは条文から決まりません。1億円や500万円の数え方は、窓口で確認してください。

下請の電気工事業者に関わる部分

法第9条第1項は、対象建設工事の受注者に、下請負人を含めると明記しています。条文は電気工事を除外していません。

そのため、対象建設工事の一部を電気工事として請け負う業者は、分別解体等をする側に入ります。 ただし、請け負う工事が対象建設工事に当たるかどうかは、その建設工事全体の種類と規模、特定建設資材の使用で決まります。

罰則と解体工事業の登録

届出をしない、または虚偽の届出をした者は20万円以下の罰金です(法第51条第1号)。

この義務は発注者や自主施工者のものです。 受注者側では、都道府県知事が、正当な理由なく分別解体等に必要な行為をしない対象建設工事受注者に、必要な措置を命じることがあります(第15条)。この命令に違反すると、50万円以下の罰金です(第49条)。

別の制度として、解体工事業を営もうとする者は、建設業法で土木工事業・建築工事業・解体工事業の許可を受けた者を除き、都道府県知事の登録が必要です(法第21条第1項)。 電気工事業の許可(電気工事業法の登録も同様)は、この除外に入っていません。無登録で営むと、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(第48条第1号)。

解体工事業は、建築物等を除却するための解体工事を請け負う営業とされています(第2条第11項)。 電気設備を撤去する工事がこれに当たるかどうかは、この記事では判断しません。

この整理で言えないこと

この記事は、法と施行令の条文の整理にとどまります。個別の電気工事が対象建設工事に当たるか、特定建設資材を使うか、届出の様式や提出方法、都道府県の条例による基準は、ここでは判断しません。

国の機関や地方公共団体が発注者のときは、届出ではなく、あらかじめ都道府県知事へ通知する扱いです(法第11条)。 工事を請け負うときは、上位の受注者や発注者から届出の有無と内容を確認し、不明な点は工事場所を管轄する都道府県・市の窓口に尋ねてください。

電気工事業の登録の義務は登録後の義務、 許可が必要な請負金額の線引きは建設業許可が不要な軽微な工事で整理しています。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。届出の要否や様式は、工事場所を管轄する都道府県または市の建設リサイクル法の窓口で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。