公式資料をもとに整理
電気設備の撤去に解体工事業の登録は必要か
解体工事業の登録が必要なのは、建築物などを除却するための解体工事を、ほかの工事の附帯工事ではなく請け負う場合です。電気設備だけの撤去は、建設業許可の業種区分では電気工事にあたります。電気工事業者が迷いやすい場面を、国土交通省の資料の区分と具体例で整理します。
公開日: 2026-10-27 / 最終更新: 2026-10-27 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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解体に関する工事の3つの区分
電気工事など27の専門工事で建設される目的物を、それだけ解体する工事は、その専門工事に該当します。国土交通省の九州地方整備局が公開している建設業許可関連Q&AのQ2-4は、解体に関する工事を次の3つに分けています。
| 区分 | 該当する工事 | 電気工事業者との関係 |
|---|---|---|
| 専門工事 | 電気工事など各専門工事で建設される目的物だけを解体する工事 | 電気設備の撤去はこの区分で、電気工事に該当する |
| 一式工事 | 総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物や建築物を解体する工事(原則元請)。大規模な橋梁、ビルや学校などの大規模な建築物の解体が例 | 土木一式工事・建築一式工事に該当する |
| 解体工事 | 上の2つ以外の、小規模な家屋等の解体 | 「解体工事」に該当すると考えられる |
このQ&Aは建設業許可の業種区分の整理で、解体工事業の登録の要否そのものには触れていません。電気設備だけを撤去する工事は専門工事(電気工事)の区分で、建物そのものを取り壊す工事は、この表の2行目か3行目です。登録の要否は次の節の条文と質疑応答集で見ます。
電気工事にあたる工事でも、請負金額が500万円未満なら建設業許可は不要です。金額の線は軽微な建設工事の線(500万円)の考え方で整理しています。
解体工事業の登録が必要な場合
解体工事業を営もうとする者は、土木工事業・建築工事業・解体工事業の建設業許可を受けた者を除き、営業する区域を管轄する都道府県知事の登録が必要です(建設リサイクル法第21条第1項)。登録は5年ごとに更新します(同条第2項)。電気工事業の許可や電気工事業法の登録は、この除外に入っていません。
ここでいう解体工事業は、建築物等を除却するための解体工事を請け負う営業です(同法第2条第11項)。 国土交通省の建設リサイクル法の質疑応答集のQ100は、建築物と建築物以外の工作物のどちらも、主たる他の工事の実施に伴う附帯工事として解体工事を行う場合は、登録は必要ないとしています。
| 請け負う内容 | 登録 |
|---|---|
| 建築物や工作物を除却するための解体工事そのもの | 必要(上記の許可を持つ者を除く) |
| 主たる他の工事の実施に伴う附帯工事として行う解体工事 | 不要 |
建設業法は、許可を受けた建設業者が許可に係る工事を請け負うとき、その工事に附帯する他の建設業の工事も請け負えると定めています(第4条)。質疑応答集のQ102は、附帯工事として解体工事を行う場合も、建設業法第26条の2第2項を守る必要があるとしています。
許可の要否と附帯工事の考え方は他業種の附帯工事を請け負える範囲(建設業法第4条)で整理しています。
具体例で見る登録の要否
質疑応答集は、設備工事に伴って壁や床版にスリーブを抜く工事を、附帯工事として行うなら登録は不要としています。電気工事で配管や配線の貫通口をあける場面に近い例です。
| 工事の内容 | 登録 | 質疑応答集の理由 |
|---|---|---|
| 建築物の全部解体・一部解体 | 必要 | 建築物の機能を失わせるため届出も登録も必要 |
| 設備工事の附帯工事として壁にスリーブを抜く工事 | 不要 | 壁は構造耐力上主要な部分だが、壁の床面積が算定できない場合は対象建設工事とならず届出は不要。附帯工事として行われるものであれば登録も不要 |
| 設備工事の附帯工事として床版にスリーブを抜く工事 | 不要 | 解体工事になるが、附帯工事として行われるものであれば登録は不要 |
| 屋根ふき材の交換 | 不要 | 屋根ふき材は構造耐力上主要な部分に当たらない |
どの工事が「主たる工事に伴う附帯工事」になるかは、契約と工事の実態で決まります。電気設備の撤去と建物の取り壊しを一つの契約でまとめて請け負うときなどは、自社が解体工事の請負人になっていないかを契約書で確認します。
契約書の記載事項は請負契約書に書く16項目と変更時の書面交付で整理しています。
無登録で営んだときの罰則
登録を受けずに解体工事業を営んだ者は、1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(建設リサイクル法第48条第1号)。解体工事で出る廃材の届出や分別の義務は別の制度で、建設リサイクル法の届出と分別解体の義務で整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。自社の工事が解体工事業の登録の対象になるかは、契約の内容を確認したうえで、営業する区域を管轄する都道府県の建設リサイクル法の担当窓口に確認してください。条文はe-Gov法令検索「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」で読めます。
質疑応答集やQ&Aは改訂されることがあるため、最新の版は国土交通省のページで確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。