電気設備の技術基準の解釈 第142条
低圧幹線・低圧分岐回路・電球線などの用語の定義
低圧幹線は、開閉器を起点として過電流遮断器を施設した低圧電路を接続する電路、低圧分岐回路は、その低圧幹線から分岐して電気機械器具に至る低圧電路をいいます。第142条は、電気使用場所の施設の規定で使う13の用語を定義しています。この記事では、その13語を配線の用語と器具の用語に分けて整理します。
公開日: 2026-10-26 / 最終更新: 2026-10-26 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第142条で定義される13の用語
第142条は、「この解釈において用いる電気使用場所の施設に係る用語」の定義を、第一号から第十三号まで並べた条文です。ここで定義された言葉は、電球線の施設(第170条)や移動電線の施設(第171条)など、電気使用場所の個別の条文で、そのままの意味で使われます。
| 号 | 用語 | 定義の要点 |
|---|---|---|
| 一 | 低圧幹線 | 開閉器を起点とし、過電流遮断器を施設した低圧電路を接続する、電気使用場所の低圧電路 |
| 二 | 低圧分岐回路 | 低圧幹線から分岐して電気機械器具に至る低圧電路 |
| 三 | 低圧配線 | 低圧の屋内配線、屋側配線及び屋外配線 |
| 四 | 屋内電線 | 屋内に施設する電線路の電線及び屋内配線 |
| 五 | 電球線 | 造営物に固定しない白熱電灯に至る電線(電気機械器具内の電線を除く) |
| 六 | 移動電線 | 造営物に固定しない電線(電球線と電気機械器具内の電線を除く) |
| 七 | 接触電線 | 集電装置を介して、移動起重機などの移動して使う電気機械器具に電気を供給する電線 |
| 八 | 防湿コード | 外部編組に防湿剤を施したゴムコード |
| 九 | 電気使用機械器具 | 電気を使用する電気機械器具(発電機、変圧器、蓄電池その他これに類するものを除く) |
| 十 | 家庭用電気機械器具 | 主として住宅などで使う小型電動機、電熱器、ラジオ受信機、電気スタンドなど(白熱電灯と放電灯を除く) |
| 十一 | 配線器具 | 開閉器、遮断器、接続器その他これらに類する器具 |
| 十二 | 白熱電灯 | 白熱電球を使用する電灯のうち、電気スタンド、携帯灯、電気用品安全法の適用を受ける装飾用電灯器具以外のもの |
| 十三 | 放電灯 | 放電管、放電灯用安定器、放電灯用変圧器、必要な附属品、管灯回路の配線(電気スタンドなどの放電灯器具を除く) |
低圧幹線と低圧分岐回路の違い
低圧幹線は「開閉器から先で、過電流遮断器を付けた電路をつなぐ電路」、低圧分岐回路は「その幹線から電気機械器具へ向かう電路」です。分電盤から先の回路を分岐回路と呼ぶ、という日常の使い方より、起点と終点を条文で決めた言葉になっています。
| 項目 | 低圧幹線 | 低圧分岐回路 |
|---|---|---|
| 起点 | 第147条で施設した開閉器、または変電所に準ずる場所に施設した低圧開閉器 | 低圧幹線 |
| 終点 | 過電流遮断器を施設した低圧電路を接続するところ | 電気機械器具 |
| 詳しい施設の条件 | 第148条以降の低圧幹線の施設 | 第149条以降の低圧分岐回路の施設 |
電線の許容電流や過電流遮断器の選び方は、幹線と分岐回路で別の記事に分けています。幹線は低圧幹線の許容電流と過電流遮断器、分岐回路は分岐回路の遮断器・電線の太さ・コンセントの記事です。
配線に関する用語(低圧配線・屋内電線・電球線・移動電線・接触電線)
電線の用語は、「固定されているか」「何に至るか」で分かれます。固定された配線が低圧配線、固定されないもののうち白熱電灯に至るものが電球線、それ以外が移動電線です。移動して使う機械器具に、しゅう動する集電装置を介して電気を供給する電線は、接触電線として別に定義されています。
| 用語 | 造営物への固定 | 電気の届け先 | 個別の条文 |
|---|---|---|---|
| 低圧配線 | 屋内・屋側・屋外の配線 | 限定なし | 配線の施設を定める各条 |
| 電球線 | 固定しない | 白熱電灯 | 第170条 |
| 移動電線 | 固定しない | 電球線以外 | 第171条 |
| 接触電線 | 集電装置としゅう動する | 移動して使う機械器具 | 第173条・第174条 |
屋内電線は、屋内に施設する電線路の電線と屋内配線を合わせた言葉です。 屋側配線と屋内配線・屋外配線の区別は技術基準で使う配線の用語にまとめています。 個別の条文は電球線(第170条)、移動電線(第171条)、低圧の接触電線(第173条)で扱っています。
器具に関する用語(配線器具・家庭用電気機械器具・白熱電灯・放電灯)
器具の用語は、除外される範囲がセットで書かれています。家庭用電気機械器具は白熱電灯と放電灯を含まず、白熱電灯は電気スタンド、携帯灯、装飾用電灯器具を含みません。同じ照明でも、どの用語に当たるかで適用される条文が変わるためです。
- 配線器具は、開閉器、遮断器、接続器などです。電気機械器具の一部ですが、低圧幹線の定義では「電気機械器具(配線器具を除く)」と区別されています。
- 電気使用機械器具は、電気を使う機械器具で、発電機、変圧器、蓄電池など電気をつくる・変える・ためるものを含みません。
- 家庭用電気機械器具は、住宅などで主に使う小型電動機、電熱器、ラジオ受信機、電気スタンドなどです。
- 放電灯は、放電管のほか安定器や変圧器、管灯回路の配線までを含みます。
放電灯の条文は放電灯の施設(第185条)とネオン放電灯の施設(第186条)で整理しています。
この整理で言えないこと
- 個別の配線や機器が、どの用語に当たるかの最終判断は行いません。
- 各用語に対応する具体的な施設基準は、個別の条文で決まっており、本記事では定義の範囲のみを扱います。
- 第1条にも別の用語の定義があり、第142条は電気使用場所の施設に係る用語に限られます。
- この種の工事に電気工事士の資格が要るかどうかは、電気工事士法で決まり、第142条では決まりません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第142条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:低圧配線の最小電線の太さ、漏電遮断器の設置義務、電動機の過負荷保護、引込口の開閉器(解釈第147条)