電気設備の技術基準の解釈 第173条
低圧接触電線の高さは3.5m以上(解釈第173条)
低圧接触電線は、展開した場所または点検できる隠ぺい場所に、がいし引き工事・バスダクト工事・絶縁トロリー工事のいずれかで施設します。展開した場所のがいし引き工事では、電線の高さは地表上または床面上3.5m以上が原則です。
公開日: 2026-10-25 / 最終更新: 2026-10-25 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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低圧接触電線と使える工事
低圧接触電線は、天井クレーンのように、移動する機器に集電装置を接触させて電気を供給する、低圧の電線です。第173条は、電車線と、第189条で定める接触電線(遊戯用電車)を除いて適用されます。機械器具に施設する場合も、第1項〜第4項の規定からは除かれています。
| 号 | 項目 | 条件 |
|---|---|---|
| 第一号 | 施設場所 | 展開した場所または点検できる隠ぺい場所 |
| 第二号 | 工事の種類 | がいし引き工事、バスダクト工事または絶縁トロリー工事 |
| 第三号 | ダクト・ピット等の内部 | 施設する場所に水がたまらないようにする |
遊戯用電車の接触電線は遊戯用電車の施設(第189条)の記事で整理しています。
展開した場所のがいし引き工事(第2項)
展開した場所にがいし引き工事で施設する低圧接触電線は、地表上または床面上3.5m以上で、人が通る場所から手を伸ばしても触れない範囲に施設します。最大使用電圧が60V以下で乾燥した場所に施設し、簡易接触防護措置を施す場合は、この高さによらなくてよいとされています。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| 高さ | 地表上または床面上3.5m以上で、人が通る場所から手を伸ばしても触れない範囲(60V以下・乾燥した場所・簡易接触防護措置の場合は除く) |
| 建造物・歩道・点検台等との接近 | 離隔距離を上方2.3m以上・側方1.2m以上とするか、人が触れないよう適当な防護装置を施設する |
| 電線(300V以下) | 引張強さ3.44kN以上のもの、または直径3.2mm以上の硬銅線で断面積8mm2以上のもの |
| 電線(300V超) | 引張強さ11.2kN以上のもの、または直径6mm以上の硬銅線で断面積28mm2以上のもの |
| 支持 | 各支持点で堅ろうに固定する。重量をがいしで支えるだけで固定しない場合は、電線の両端を耐張がいし装置で堅ろうに引き留める |
| 造営材との離隔距離 | 屋内の乾燥した場所は2.5cm以上、その他の場所は4.5cm以上(絶縁性のある堅ろうな隔壁を設ける場合は除く) |
| がいし | 絶縁性・難燃性・耐水性のあるもの |
電線の支持点間隔と電線相互の間隔は、条文の173-1表で、電線が揺動しないよう施設するかどうか、使用電圧、電線の断面積などに応じて細かく分かれます。 この表は抽出で列の対応が崩れやすいため、この記事では数値を書きません。条文で確認してください。
点検できる隠ぺい場所(第3項)
点検できる隠ぺい場所にがいし引き工事で施設する低圧接触電線は、たわみ難い導体を使い、揺動しないよう堅ろうに固定し、電線相互の間隔を12cm以上にします。電線は第2項第三号に準じ、電線と造営材との離隔距離は4.5cm以上です。
| 区分 | 電線の導体断面積 | 支持点間隔 |
|---|---|---|
| 屈曲半径が1m以下の曲線部分 | 条件なし | 1m以下 |
| その他の部分 | 100mm2未満 | 1.5m以下 |
| その他の部分 | 100mm2以上 | 2.5m以下 |
展開した場所と比べると、電線相互の間隔と造営材との離隔距離の条件が固定され、電線はたわみ難い導体に限られます。
バスダクト工事(第4項)
バスダクト工事で施設する低圧接触電線は、JIS C 8373(2007)「トロリーバスダクト」に適合するバスダクトを使い、開口部を下に向けて施設します。第163条第1項第一号・第二号に準じる点も、条件に含まれます。
| 項目 | 条件 |
|---|---|
| バスダクト | JIS C 8373(2007)「トロリーバスダクト」に適合するもの |
| 開口部 | 下に向けて施設する |
| 終端部 | 充電部分が露出しない構造 |
| 接地(300V以下) | 金属製ダクトにD種接地工事 |
| 接地(300V超) | 金属製ダクトにC種接地工事(接触防護措置を施す場合はD種接地工事にできる) |
| 屋側・屋外 | バスダクト内に水が浸入しないように施設する |
屋内で使用電圧が直流30V(接触防護措置を施す場合は60V)以下のときは、第5項の別の条件で施設でき、第4項の各号によらないことができます。 第5項の導体の太さやダクトの板厚はこの記事では扱いません。通常のバスダクト工事は場所別の屋内配線工事の種類の記事を参照してください。
この整理で言えないこと
- 個別のクレーンや搬送設備の接触電線が第173条に適合するかは判定しません。
- 支持点間隔・電線相互の間隔(173-1表)と第5項以降の規定は、この記事に書いていません。条文で確認する必要があります。
- 電車線と遊戯用電車の接触電線は、第173条の対象外です。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第1条・第163条・第173条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:遊戯用電車の施設(解釈第189条)、場所別の屋内配線工事の種類、高圧屋内配線の工事方法(解釈第168条)