電気設備の技術基準の解釈 第196条
電気温床は300V以下・80℃以下(解釈第196条)
電気温床(植物の栽培、養蚕、ふ卵、育すうなどに使う電熱装置)は、電気を供給する電路の対地電圧を300V以下とし、発熱線の温度が80℃を超えないように施設します。発熱線と、これに直接接続する電線は「電気温床線」を使います。解釈第196条から、電路の保護・接地工事・空中やコンクリート中に施設する場合の決まりを整理します。
公開日: 2026-10-24 / 最終更新: 2026-10-24 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第196条が対象にする電気温床等
第196条の「電気温床等」は、植物の栽培、養蚕、ふ卵、育すうなどに使う電熱装置です。ただし、電気用品安全法の適用を受ける電気育苗器、観賞植物用ヒーター、電気ふ卵器、電気育すう器は除かれます。製品として規制を受けるものは、この条文ではなく電気用品安全法の側で扱われる関係です。
前条の第195条(フロアヒーティング等)の第1項または第3項に準じて施設する場合は、第196条第1項の各号によらなくてもよいとされています。第195条の中身は、別のガイドで確認できます。
電圧300V以下・電気温床線・80℃以下
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 電路の対地電圧 | 300V以下(第一号) |
| 発熱線と直接接続する電線 | 電気温床線であること(第二号) |
| 損傷を受けるおそれがある場合 | 適当な防護装置を施す(第三号) |
| 発熱線の温度 | 80℃を超えないように施設する(第四号) |
| 他への障害 | 他の電気設備、弱電流電線等、水管・ガス管などに電気的・磁気的・熱的な障害を及ぼさない(第五号) |
第195条の発熱線と違い、第196条には「道路・屋外駐車場なら120℃」のような例外がなく、温度の上限は80℃です。
専用の開閉器・過電流遮断器とD種接地工事
電気温床等に電気を供給する電路には、専用の開閉器と過電流遮断器を各極に施設します(第1項第七号)。過電流遮断器が開閉機能を有するものなら、過電流遮断器だけで足ります。多線式電路の中性極には、過電流遮断器を設けなくてよいとされています。
また、過電流遮断器を設け、移動電線を差込み接続器などで屋内配線・屋側配線・屋外配線につなぐ場合は、専用の開閉器は不要です(第八号)。
発熱線や、これに直接接続する電線の被覆に使う金属体、防護装置の金属製部分には、D種接地工事を施します(第六号)。 接地工事の種類と接地抵抗値は接地工事A〜D種で整理しています。
発熱線を空中に施設する場合の間隔と離隔
発熱線を空中に施設する電気温床等は、第1項に加えて、次のどちらかによります(第2項)。1つ目は発熱線をがいしで支持する方法、2つ目は発熱線を金属管に収める方法です。
| 項目 | 数値 |
|---|---|
| 発熱線相互の間隔 | 3cm以上(箱内に施設する場合は2cm以上) |
| 箱内で、40cm以下ごとに絶縁性・難燃性・耐水性のある隔離物を設ける場合 | 1.5cmまで減じられる |
| 発熱線と造営材との離隔 | 2.5cm以上 |
| 箱内での発熱線と箱の構成材との離隔 | 1cm以上 |
| 支持点間の距離 | 1m以下(発熱線相互の間隔が6cm以上なら2m以下) |
- 発熱線には簡易接触防護措置を施します。取扱者以外が出入りできないように措置した場所は除かれます。
- 発熱線は展開した場所に施設します。木製または金属製の堅ろうな箱に施設し、その金属製部分にD種接地工事を施す場合は除かれます。
- がいしは、絶縁性、難燃性、耐水性のあるものを使います。
- 金属管に収める場合は、第159条(金属管工事)の第2項・第3項に準じて施設します。
コンクリート中に施設する場合
発熱線をコンクリート中に施設する電気温床等は、発熱線を合成樹脂管または金属管に収め、電路に地絡を生じたとき自動的に電路を遮断する装置または警報する装置を施設します(第3項)。管の施設は、合成樹脂管工事(第158条)または金属管工事(第159条)の規定に準じます。
第3項は、遮断する装置だけでなく警報する装置でも足りると定めています。地絡遮断装置の一般的な設置義務は漏電遮断器の設置が必要な電路で整理しています。
空中・コンクリート中以外の電気温床
第2項・第3項に当たらない電気温床等は、第1項に加えて次の3点によります(第4項)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 発熱線相互 | 接触しないように施設する |
| 表示 | 発熱線を施設する場所に、施設してある旨を表示する |
| 地絡遮断装置 | 電路に地絡を生じたとき自動的に電路を遮断する装置を施設する |
地絡遮断装置は、対地電圧150V以下の発熱線を地中に施設し、取扱者以外が立ち入らないように周囲に適当なさくを設ける場合に限り、省くことができます。さくの有無と対地電圧で、装置の要否が分かれます。
この整理で言えないこと
- 個別の製品や現場が、条文のどの項に当たるかは判定しません。電気温床線の試験値や構造の細目は、本記事では扱いません。
- パイプラインなどに施設する電熱装置は、第197条の別の定めです。水道管に発熱線を固定する場合は水道管の凍結防止用発熱線(第197条第4項)で整理しています。
- 電熱装置一般の第152条は、発熱体を機械器具の内部に安全に施設できる構造とすることを求めています。第196条の電気温床等は、その例外として別に定められています。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
場所ごとに使える配線工事の種類は場所別の屋内配線工事の種類を参照してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第196条)です。
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次に知りたいこと:発熱線は300V以下・80℃以下(解釈第195条)、パイプライン等の発熱線は低圧・発火温度の80%以下(解釈第197条第1項)、省令と解釈の違い