電気設備の技術基準の解釈 第195条
発熱線は300V以下・80℃以下(解釈第195条)
ロードヒーティングやフロアヒーティングの発熱線は、電気を供給する電路の対地電圧を300V以下とし、発熱線の温度が80℃を超えないように施設します。道路・横断歩道橋・屋外駐車場に金属被覆の発熱線を施設する場合だけ、温度の上限が120℃以下になります。解釈第195条から、電路の保護・接地工事・電熱ボード・コンクリート養生の決まりを整理します。
公開日: 2026-10-23 / 最終更新: 2026-10-23 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第195条が対象にする施設
第195条第1項は、発熱線を道路、横断歩道橋、駐車場または造営物の造営材に固定して施設する場合に適用されます。積雪を融かすロードヒーティングや、床暖房(フロアヒーティング)のうち発熱線を造営材に固定するものが典型です。条文の見出しも「フロアヒーティング等の電熱装置の施設」です。
電熱装置一般の第152条は、発熱体を機械器具の内部に安全に施設できる構造のものとすることを求めています。ただし、第195条(第3項を除く)の規定により施設する場合は、この定めから外れます(第196条・第197条による場合などの除外もあります)。発熱線を機械器具の外の路面や床に施設するときは、第195条が働く関係です。
電路の対地電圧300V以下と発熱線の温度
発熱線に電気を供給する電路の対地電圧は300V以下です(第1項第一号)。発熱線は、人が触れるおそれがなく、損傷を受けるおそれがないように、コンクリートその他の堅ろうで耐熱性のあるものの中に施設します(第四号イ)。
| 施設場所 | 発熱線の温度 |
|---|---|
| 一般(造営物の造営材など) | 80℃を超えないこと |
| 道路・横断歩道橋・屋外駐車場で、金属被覆を有する発熱線を施設する場合 | 120℃以下とすることができる |
発熱線は、MIケーブルか、JIS C 3651(2014)の附属書Aに定める第2種発熱線などの性能に適合するものを使います(第二号)。発熱線に直接接続する電線も、MIケーブル・クロロプレン外装ケーブルなど、条文が定める種類に限られます(第三号)。他の電気設備、弱電流電線等、水管・ガス管に電気的・磁気的・熱的な障害を及ぼさないことも条件です(第四号ハ)。
発熱線相互や発熱線と電線の接続は、接続部分の温度上昇が他の部分より高くならないようにし、接続管その他の器具を使うか、ろう付けをして、発熱線の絶縁物と同等以上の絶縁効力のあるもので十分に被覆します(第五号)。
専用の開閉器・過電流遮断器と地絡遮断装置
電路には、専用の開閉器と過電流遮断器を各極に施設し、地絡を生じたときに自動的に電路を遮断する装置も施設します(第1項第七号)。過電流遮断器が開閉機能を有するものであれば、過電流遮断器だけで足ります。多線式電路の中性極には、過電流遮断器を設けなくてよいとされています。
地絡を自動で遮断する装置の一般的な設置義務は漏電遮断器の設置が必要な電路で整理しています。第195条は、発熱線の電路について専用の定めを置いている点が特徴です。
発熱線の被覆金属体の接地工事
発熱線または発熱線に直接接続する電線の被覆に使用する金属体には、使用電圧300V以下ならD種接地工事、300Vを超えるならC種接地工事を施します(第1項第六号)。MIケーブルや金属被覆の発熱線が対象になります。
| 使用電圧 | 接地工事 |
|---|---|
| 300V以下 | D種接地工事 |
| 300V超 | C種接地工事 |
接地工事の種類と接地抵抗値は接地工事A〜D種で整理しています。
電熱ボード・電熱シートは対地電圧150V以下
電熱ボードまたは電熱シートを造営材に固定して施設する場合は、電路の対地電圧が150V以下で、電気用品安全法の適用を受けるものを使います(第3項第一号・第二号)。発熱線の300V以下より低い数字です。
- 電熱ボードの金属製外箱、電熱シートの金属被覆には、D種接地工事を施します(第三号)。
- 他の設備に障害を及ぼさないこと(第1項第四号ハ)、専用の開閉器・過電流遮断器と地絡遮断装置の施設(第七号)は、第1項に準じます(第3項第四号)。
コンクリートの養生と表皮電流加熱装置
コンクリートの養生期間の保温用の発熱線も、電路の対地電圧は300V以下で、埋め込む場合を除き発熱線相互の間隔は5cm以上です(第2項)。第1項に準じて施設する場合は、第2項ではなく第1項の規定によります。
この場合の電路には、各極に開閉器と過電流遮断器を施設します(過電流遮断器は多線式電路の中性極を除く)。ただし、移動電線を差込み接続器などで接続する場合や、過電流遮断器が開閉機能を有する場合は、開閉器を設けなくてよいとされています(第四号)。
道路・横断歩道橋・屋外駐車場に表皮電流加熱装置(小口径管の内部に発熱線を施設したもの)を施設する場合は、第4項が別に定めています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 電路 | 交流(50Hzまたは60Hz)の対地電圧300V以下 |
| 発熱線と小口径管 | 電気的に接続しない |
| 小口径管 | JIS G 3452の配管用炭素鋼鋼管で、温度は120℃以下。管相互・ボックスとの接続は溶接 |
| 発熱線の温度 | 120℃以下 |
| 接地工事 | 小口径管(ボックスを含む)に、300V以下はD種、300V超はC種 |
この整理で言えないこと
- 個別の製品や現場が、条文のどの項に当たるかは判定しません。発熱線の絶縁体・外装の厚さや耐電圧の試験値は条文の表にあり、本記事では扱いません。
- 電気温床(植物の栽培用など)は第196条、パイプラインなどは第197条の別の定めです。
- 床暖房の設置工事が登録の対象になるかは電気式床暖房の設置と登録の要否で整理しています。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
場所ごとに使える配線工事の種類は場所別の屋内配線工事の種類を参照してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第195条・第152条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:器具の充電部分の露出禁止と例外、省令と解釈の違い