電気設備の技術基準の解釈 第146条・省令第57条
低圧配線の電線の最小太さ(1.6mm)と例外・許容電流
低圧配線の電線は、直径1.6mmの軟銅線かそれと同等以上のものを使うのが原則です。使用電圧が300V以下の制御回路などでは、直径1.2mmや断面積0.75mm²まで細くできる場合があります。技術基準の解釈第146条から、原則と四つの例外、許容電流の表の読み方を整理します。
公開日: 2026-10-23 / 最終更新: 2026-10-23 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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原則:直径1.6mmの軟銅線
第146条第1項は、低圧配線を、直径1.6mmの軟銅線、またはこれと同等以上の強さ及び太さのもの、または断面積1mm²以上のMIケーブルとするよう定めています。省令第57条第1項が、配線の使用電線に、施設場所の状況と電圧に応じた十分な強度と絶縁性能を求めており、解釈はその具体的な基準を示す位置づけです。
より線の場合は、強さと太さが直径1.6mmの軟銅線と同等以上であることが条件です。同等かどうかの換算は、解釈に表がありません。製品の規格や仕様書で確認してください。
300V以下で細くできる四つの場合
配線の使用電圧が300V以下で、次のいずれかに当たる場合は、直径1.6mmより細い電線を使えます。300Vを超える配線には、この例外は使えません。
| 号 | 対象の配線 | 使える電線と条件 |
|---|---|---|
| 第一号 | 電光サイン装置、出退表示灯などの装置、または制御回路等の配線 | 直径1.2mm以上の軟銅線を、合成樹脂管・金属管・金属線ぴ・金属ダクト・フロアダクト・セルラダクトのいずれかの工事で施設する |
| 第二号 | 同上 | 断面積0.75mm²以上の多心ケーブルまたは多心キャブタイヤケーブルを使い、過電流が生じたときに自動的に電路から遮断する装置を設ける |
| 第三号 | ショウウィンドー・ショウケース内の配線(第172条第1項) | 断面積0.75mm²以上のコードまたはキャブタイヤケーブルを使う |
| 第四号 | エレベータ用ケーブルを使う場合(第172条第3項) | 第172条第3項の規定により施設する |
「制御回路等」は、自動制御回路、遠方操作回路、遠方監視装置の信号回路などを指すと、第146条第1項第一号の中で定義されています。コンセントや照明を動かす一般の電灯・コンセント回路は、この例外の対象として条文に書かれていません。
許容電流の表の読み方
第146条第2項は、600Vビニル絶縁電線などの許容電流を表で示しており、単線は導体の直径ごとに決まっています。軟銅線または硬銅線の単線の許容電流は、次のとおりです(146-1表の抜粋)。
| 導体の直径 | 許容電流(補正前) |
|---|---|
| 1.0mm以上1.2mm未満 | 16A |
| 1.2mm以上1.6mm未満 | 19A |
| 1.6mm以上2.0mm未満 | 27A |
| 2.0mm以上2.6mm未満 | 35A |
| 2.6mm以上3.2mm未満 | 48A |
この数値に、絶縁体の材料と周囲温度で決まる許容電流補正係数(146-3表)を掛けた値が、実際の許容電流です。耐熱性を有しないビニル混合物の絶縁電線は、周囲温度が30℃以下の場合、備考により周囲温度を30として計算するため、係数は1になります。
周囲温度が高い場合や、ほかの絶縁体の材料は、係数が変わるため、146-3表で確認してください。
より線は、導体の公称断面積ごとに146-2表で定められています。たとえば公称断面積2mm²以上3.5mm²未満の軟銅線は27A、3.5mm²以上5.5mm²未満は37Aです。
管に収めると許容電流が下がる
絶縁電線を合成樹脂管、金属管、金属可とう電線管、金属線ぴに収めて使う場合は、補正した値にさらに146-4表の電流減少係数を掛けます。同じ管に入れる電線の本数が増えるほど、係数は小さくなります。
| 同一管内の電線数 | 電流減少係数 |
|---|---|
| 3以下 | 0.70 |
| 4 | 0.63 |
| 5または6 | 0.56 |
| 7以上15以下 | 0.49 |
| 16以上40以下 | 0.43 |
| 41以上60以下 | 0.39 |
| 61以上 | 0.34 |
計算例です。周囲温度30℃以下で、耐熱性を有しない600Vビニル絶縁電線(直径1.6mmの軟銅線)3本を同じ金属管に収めると、27A × 1(補正係数)× 0.70 = 18.9Aになります。管に入れない場合の27Aより小さい値です。
次の場合は、この電流減少係数を掛けません。第148条第1項第五号ただし書、第149条第2項第一号ロ、第149条第2項第二号イです。幹線や分岐回路の特例に当たるかは、各条文で確認してください。
分岐回路の電線の太さとの関係
第146条は、電線の最小の太さと許容電流の求め方の規定です。分岐回路を守る過電流遮断器の定格電流に応じて、どの太さが必要かは第149条が別に定めています。分岐回路の遮断器・電線の太さ・コンセントの組合せで整理しています。
幹線の許容電流は低圧幹線の許容電流と過電流遮断器の選び方を参照してください。
この整理で言えないこと
- 個別の工事で何sqの電線を使うべきかは判定しません。
- VVFなどのケーブルの許容電流は、第146条第2項の表(絶縁電線)とは別の条文で定められるため、この記事では扱いません。
- 制御回路等の例外を、一般の電灯・コンセント回路へ当てはめることはできません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の配線の電線の太さは、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第146条)と、e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」(第57条)です。
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次に知りたいこと:分岐回路の遮断器と電線の太さ、場所別の屋内配線工事の種類、省令と解釈の違い