電気設備の技術基準の解釈 第194条
エックス線発生装置の離隔15cm・配線高さ2.5m(解釈第194条)
エックス線管導線の露出した充電部分と造営材などの離隔は、最大使用電圧の波高値が100,000V以下なら15cm以上です。エックス線管回路の配線を電線で施設する場合は、同じく100,000V以下なら、床上の高さ2.5m以上、造営材との離隔0.3m以上が必要です。
公開日: 2026-10-24 / 最終更新: 2026-10-24 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。
エックス線発生装置に含まれる範囲
解釈第194条でいうエックス線発生装置は、エックス線管、エックス線管用変圧器、陰極加熱用変圧器、これらの附属装置、エックス線管回路の配線までを指します。エックス線管回路には特別高圧の電気が加わるため、人が触れない工夫と、他の配線や金属体との間隔が細かく決められています。
この条の根拠になる省令は、第56条、第57条、第59条、第62条(配線による他の配線等への危険の防止)、第75条(施設場所の禁止)です。
防護・導線・離隔の決まり(第一号〜第五号)
第1項の第一号から第五号は、触れさせない防護、導線の種類、導線まわりの離隔距離を定めています。第一号と第二号は、取扱者以外が出入りできないように措置した場所に施設する場合は適用されません。
| 号 | 対象 | 決まり |
|---|---|---|
| 第一号 | 変圧器、特別高圧で充電する器具(エックス線管を除く) | 人が容易に触れないよう、周囲にさくを設けるか、箱に収める等の防護装置を設ける |
| 第二号 | エックス線管、エックス線管導線 | 人が触れるおそれがないよう、適当な防護装置を設ける等して施設する |
| 第三号 | エックス線管導線の種類 | 金属被覆を施したケーブルを使い、エックス線管・エックス線回路の配線と完全に接続する |
| 第四号 | 導線の露出した充電部分と、造営材・エックス線管を支持する金属体・寝台の金属製部分との離隔 | 最大使用電圧の波高値が100,000V以下なら15cm以上 |
| 第五号 | エックス線管を人体に20cm以内に接近して使う場合 | エックス線管に絶縁性被覆を施し、金属体で包む |
第三号には、軟銅より線を使える例外があります。 条件は、エックス線管を人体に20cm以内に近づけて使わないこと、巻取り車などで電線のゆるみを防ぐこと、導線の露出する充電部分に1m以内に近づく金属体へD種接地工事を施すことです。 満たす場合は、断面積1.2mm²の軟銅より線が使えます。
D種接地工事の内容は接地工事A〜D種で整理しています。
第四号の離隔は、100,000Vを超える場合に式が変わります。 最大使用電圧の波高値と100,000Vの差を10,000Vで除し(小数点以下は切り上げ)、その値に2cmを乗じたものを15cmに加えた値以上です。 相互の間に絶縁性の隔壁を堅ろうに取り付ける場合は、この離隔は求められません。
たとえば波高値が125,000Vなら、差の25,000Vを10,000Vで除して2.5、切り上げて3、これに2cmを乗じた6cmを15cmに加え、21cm以上になります。 この数値は本記事の計算例です。
エックス線管回路の配線(第六号と194-1表)
エックス線管回路の配線(導線を除く)は、JIS C 3407に適合するエックス線用ケーブルを使うか、194-1表の高さ・離隔で電線を施設するか、どちらかです。電線で施設する場合の数値は、エックス線管の最大使用電圧で決まります。
| 最大使用電圧の区分 | 電線の床上の高さ | 電線と造営材との離隔 | 電線相互の間隔・低圧屋内電線等との離隔 |
|---|---|---|---|
| 100,000V以下 | 2.5m以上 | 0.3m以上 | 0.45m以上 |
| 100,000V超過 | (2.5+c)m以上 | (0.3+c)m以上 | (0.45+c')m以上 |
cは、最大使用電圧と100,000Vの差を10,000Vで除した値(小数点以下は切り上げ)に0.02を乗じたもの、c'は同じ値に0.03を乗じたものです。 床上の高さは、取扱者以外が出入りできないように措置した場所に施設する場合は適用されません。 離隔と間隔は、相互の間に絶縁性の隔壁を堅ろうに取り付けるか、電線を十分な長さの難燃性・耐水性のある堅ろうな絶縁管に収める場合は適用されません。
第六号のロでいう「低圧屋内電線等」は、低圧屋内電線、高圧屋内電線、管灯回路の配線、弱電流電線等、水管、ガス管やこれらに類するものです。 一般の低圧配線との間隔の考え方は低圧配線の離隔距離にまとめています。
開閉器・放電装置・接地・耐電圧(第七号〜第十一号)
第七号から第十一号は、開閉器の位置、コンデンサの放電、D種接地工事を施す4か所、耐電圧試験の電圧を定めています。
- 第七号: エックス線管用変圧器と陰極加熱変圧器の1次側電路に、容易に開閉できるよう開閉器を施設する。
- 第八号: 1つの特別高圧電気発生装置で2以上のエックス線管を使う場合は、分岐点に近い箇所で各エックス線管回路に開閉器を施設する。
- 第九号: 特別高圧電路に施設するコンデンサに、残留電荷を放電する装置を設ける。
- 第十号: 変圧器とコンデンサの金属製外箱(大地から十分に絶縁して使うものを除く)、エックス線管導線に使うケーブルの金属被覆、エックス線管を包む金属体、配線とエックス線管を支持する金属体にD種接地工事を施す。
- 第十一号: 特別高圧電路は、最大使用電圧の波高値の1.05倍の試験電圧をエックス線管の端子間に連続して1分間加えたとき、耐える性能を有する。
第2項の緩和と第3項の禁止場所
第2項は、露出した充電部分をなくし、エックス線管を絶縁性被覆と金属体で包めば、第1項の第一号から第五号によらなくてよいとする緩和です。露出した充電部分をなくす要件は、取扱者以外が出入りできないように措置した場所と、床上の高さ2.5mを超える場所に施設する部分には求められません。 エックス線管導線は、この場合も金属被覆のケーブルで完全に接続する必要があります。
第3項は、省令第70条と解釈第175条から第178条までに規定する場所には、エックス線発生装置を施設しないとしています。 省令第70条は腐食性のガスや溶液の発散する場所、第175条から第178条は粉じんの多い場所、可燃性のガスのある場所、危険物のある場所、火薬庫です。 省令第75条も、同じく禁止場所を定めています。
同じ「電気を人に近づけない」型の条文として、電撃殺虫器の施設(解釈第193条)も省令第75条で施設場所が制限されています。
この整理で言えないこと
- 個別の医療機関・工場の設備が、この条のどの扱いになるかは判定しません。
- 放射線の防護や管理に関する決まりは、電気設備の解釈とは別の法令・基準で定められており、本記事では扱いません。
- エックス線発生装置の工事を、電気工事士の資格なしにできるかどうかは、電気工事士法で決まり、第194条では決まりません。
- JIS C 3407の中身と、194-1表以外の細目は扱いません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第194条)と、e-Gov法令検索「電気設備に関する技術基準を定める省令」(第75条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:電気浴器の電源と電極間距離(解釈第198条)、電気設備の技術基準の省令と解釈