電気設備の技術基準の解釈 第187条
水中照明灯の絶縁変圧器は2次側150V以下・非接地(解釈第187条)
人が触れるおそれのある水中の照明灯は、1次側300V以下・2次側150V以下の絶縁変圧器から給電し、2次側電路は非接地にします。2次側が30Vを超える場合は地絡遮断装置、配線は金属管工事、金属部分はC種接地工事で相互に接続します。
公開日: 2026-10-24 / 最終更新: 2026-10-24 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第187条が扱う照明灯(人が触れるおそれの有無)
第187条は、水中またはこれに準ずる場所の照明灯を、人が触れるおそれがあるか(第1項)、立ち入るおそれがないか(第2項)で分けて定めています。人が触れるおそれのある照明灯は第1項で、絶縁変圧器や非接地などの要件が加わります。
| 項目 | 第1項(人が触れるおそれあり) | 第2項(人が立ち入るおそれなし) |
|---|---|---|
| 給電する電路 | 絶縁変圧器(1次側300V以下、2次側150V以下)の2次側 | 対地電圧150V以下 |
| 2次側電路の接地 | 非接地 | 条文に定めなし |
| 金属部分の接地 | C種接地工事(相互に電気的に接続) | 金属製部分にC種接地工事 |
| 移動電線 | 断面積2mm²以上の多心キャブタイヤケーブル、接続点なし | 断面積0.75mm²以上のキャブタイヤケーブル、接続点なし |
照明灯の容器の条件(第1項第一号)
照明灯は、イからヘまでに適合する容器に収め、損傷を受けるおそれがある箇所では防護装置を更に施します。現場での取付けより前に、製品としての性能が条文で定められている点が特徴です。
- イ: 照射用窓はガラスまたはレンズ、その他の部分は腐食しにくい金属か、さび止めを施した金属で堅ろうに製作する。
- ロ: 内部の適当な位置に、ねじの径が4mm以上の接地用端子を設ける。
- ハ: ねじ込み接続器とソケット(けい光灯用ソケットを除く)は磁器製とする。
- ニ: 完成品で、導電部分とそれ以外の部分の間に交流2,000Vを連続1分間加えても耐える。
- ホ: 使用可能な最大出力の電灯を付け、定格最大水深(15cm以下のものは15cm)以上の水中で、30分通電・30分停止を6回繰り返しても浸水しない。
- ヘ: 見やすい箇所に、使用可能な電灯の最大出力と定格最大水深を表示する。
ニとホは条文上「完成品」の性能として書かれており、製品側の試験条件と読めます。 容器の表示(ヘ)は、取付け時に使う電灯の出力と水深が容器の仕様内かを確認する手がかりになります。
絶縁変圧器と2次側電路の決まり
照明灯に電気を供給する電路には絶縁変圧器を施設し、1次側は300V以下、2次側は150V以下にします。2次側の使用電圧が30V以下の場合は、1次巻線と2次巻線の間に金属製の混触防止板を設け、これにA種接地工事を施します。
| 項目 | 決まり |
|---|---|
| 変圧器の電圧 | 1次側300V以下、2次側150V以下 |
| 変圧器の絶縁耐力 | 1の巻線と他の巻線・鉄心・外箱の間に交流5,000Vを連続1分間加えて耐える |
| 2次側電路 | 非接地 |
| 開閉器・過電流遮断器 | 各極に施設(過電流遮断器が開閉機能を持つなら、それのみでよい) |
| 地絡遮断装置 | 使用電圧が30Vを超える場合に、地絡時に自動的に電路を遮断する装置を施設 |
| 上記の機器の収納 | 堅ろうな金属製の外箱に収める |
| 配線 | 金属管工事 |
| 移動電線 | 断面積2mm²以上の多心クロロプレンキャブタイヤケーブル等、接続点を設けない |
| 配線と移動電線の接続 | 接地極を有する差込み接続器を、水が浸入しにくい金属製外箱に収め、水中またはこれに準ずる以外の場所に施設 |
接地工事の種類の違いは接地工事A〜D種で整理しています。 金属管工事の一般的な条件は金属管工事を参照してください。
C種接地工事で接続するもの
容器・防護装置・金属製外箱・金属管の金属部分は、相互に電気的に完全に接続し、C種接地工事を施します。接地線の取り方も、第五号に定められています。
- 照明灯の容器の金属製部分
- 容器と移動電線の防護装置の金属製部分
- 容器を収める金属製の外箱
- 開閉器・過電流遮断器・地絡遮断装置を収める金属製の外箱、差込み接続器の金属製の外箱
- 配線に使う金属管
この接地線は、差込み接続器と照明灯の間では移動電線の線心のうち1つを使い、固定して施設する接地線との接続には差込み接続器の接地極を用います。
人が立ち入るおそれがない場所(第2項)
人が立ち入るおそれがない水中の照明灯は、電路の対地電圧150V以下で施設します。第2項には絶縁変圧器や非接地の規定がなく、容器にはプラスチックも使え、移動電線は断面積0.75mm²以上です。
容器は、照射用窓にガラスまたはレンズを使い、その他の部分はさび止めを施した金属またはプラスチックで堅ろうに製作します。 第1項第一号ハからヘ(磁器製の接続器、2,000V耐電圧、浸水試験、表示)には適合させ、金属製部分にC種接地工事を施します。 どちらの項に当たるか判断に迷う場合は、後述の窓口で確認してください。
この整理で言えないこと
- 個別の池・プール・噴水が、第1項と第2項のどちらに当たるかは判定しません。
- 第187条以外の関連条文(省令の細目、プール施設の他の法令)は扱いません。
- 水中照明灯の工事を、電気工事士の資格なしにできるかどうかは、電気工事士法で決まり、第187条では決まりません。
- 製品が条文の容器の条件を満たすかは、製造者の表示や仕様書の確認が必要で、本記事では判断できません。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の施設の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第187条)です。
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