電気設備の技術基準の解釈 第175条
粉じんの多い場所の配線工事(3区分の違い)
粉じんの多い場所の電気設備は、爆燃性・可燃性・それ以外の3区分で施設の決まりが分かれます。爆燃性粉じんは金属管工事またはケーブル工事、可燃性粉じんは合成樹脂管・金属管・ケーブルの各工事です。 解釈第175条の第一号から第三号の違いを、配線・移動電線・電気機械器具の順に整理します。
公開日: 2026-10-24 / 最終更新: 2026-10-24 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第175条の構成(粉じんの種類で3つに分かれる)
第175条第1項は、粉じんの多い場所に施設する低圧または高圧の電気設備について、第一号から第三号までのいずれかによって施設することを求めています。分け方は、粉じんが爆発するおそれの強さです。
| 号 | 粉じんの種類 | 条文が挙げる例・対象 |
|---|---|---|
| 第一号 | 爆燃性粉じん(または火薬類の粉末) | マグネシウム、アルミニウム等の粉じん。電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所 |
| 第二号 | 可燃性粉じん | 小麦粉、でん粉その他の可燃性の粉じん(爆燃性粉じんを除く)。電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所 |
| 第三号 | 上記以外の粉じんの多い場所 | 第一号・第二号に当たらない場所。有効な除じん装置を施設する場合は、第三号の各規定は適用されない(ただし書) |
第四号には、国際規格 IEC 60079-14(2013)に従って施設する方法もあります。 また第2項は、特別高圧電気設備を粉じんの多い場所に施設しないことを定めています。
爆燃性粉じん(第一号)の配線
爆燃性粉じんのある場所の屋内配線等は、金属管工事またはケーブル工事のいずれかで施設します(第一号イ)。ここでの「屋内配線等」には、屋内配線・屋側配線・屋外配線のほか、管灯回路の配線、小勢力回路の電線、出退表示灯回路の電線が含まれます。
- 金属管工事:金属管は薄鋼電線管またはこれと同等以上の強度のもの。ボックス類は摩耗・腐食しにくいパッキンを用いて粉じんが内部に侵入しないようにし、管相互や管とボックス・電気機械器具とは5山以上ねじ合わせる方法などで堅ろうに接続します。電動機に接続する可とう部分には、粉じん防爆型フレキシブルフィッチングを使います。
- ケーブル工事:キャブタイヤケーブル以外のケーブルを使います。がい装を有するケーブルまたはMIケーブルを除き、管その他の防護装置に収めます。電気機械器具へ引き込むときは、パッキンまたは充てん剤で粉じんの侵入を防ぎます。
可燃性粉じん(第二号)の配線
可燃性粉じんのある場所の屋内配線等は、合成樹脂管工事・金属管工事・ケーブル工事のいずれかで施設します(第二号ロ)。第一号より選べる工事が1つ多く、合成樹脂管工事が加わります。
- 合成樹脂管工事:厚さ2mm未満の合成樹脂製電線管とCD管以外の合成樹脂管を使います。ボックス類は、パッキンを用いる方法やすきまの奥行きを長くする方法などで粉じんが内部に侵入し難いようにします。
- 金属管工事:薄鋼電線管またはこれと同等以上の強度のものを使い、5山以上のねじ合わせなどで堅ろうに接続します。
- ケーブル工事:がい装を有するケーブルまたはMIケーブルを除き管などの防護装置に収め、引込口から粉じんが侵入し難いようにします。
合成樹脂管工事そのものの一般的な決まりは、合成樹脂管工事の支持点間隔と厚さで整理しています。
それ以外の粉じんの多い場所(第三号)
第一号・第二号に当たらない粉じんの多い場所の屋内配線等は、列挙された7種類の工事のいずれかで施設します(第三号イ)。がいし引き工事、合成樹脂管工事、金属管工事、金属可とう電線管工事、金属ダクト工事、バスダクト工事(換気型のダクトを使うものを除く)、ケーブル工事です。 ただし、有効な除じん装置を施設する場合は、この限りではありません。
電気機械器具については、粉じんが付着して温度が異常に上昇するおそれがあるもの、または絶縁性能や開閉機構の性能が損なわれるおそれがあるものに、防じん装置を施します(第三号ハ)。 綿、麻、絹その他の燃えやすい繊維の粉じんがある場所では、粉じんに着火するおそれがないように施設します(第三号ニ)。
移動電線と電気機械器具の違い
| 項目 | 爆燃性粉じん(第一号) | 可燃性粉じん(第二号) |
|---|---|---|
| 屋内配線等の工事 | 金属管工事・ケーブル工事 | 合成樹脂管工事・金属管工事・ケーブル工事 |
| 移動電線 | 3種または4種のキャブタイヤケーブル(クロロプレン、クロロスルホン化ポリエチレン等を含む)。接続点のないもの | 1種キャブタイヤケーブル以外のキャブタイヤケーブル。接続点のないもの |
| 電気機械器具 | 電気機械器具防爆構造規格に規定する粉じん防爆特殊防じん構造のもの | 同規格に規定する粉じん防爆普通防じん構造のもの |
どちらの号も、電線と電気機械器具とは、震動によりゆるまないよう堅ろうに、かつ電気的に完全に接続します。 白熱電灯および放電灯用電灯器具は、造営材に直接堅ろうに取り付けるか、電灯つり管・電灯腕管などで堅ろうに取り付けます。 電動機は、過電流が生じたときに粉じんに着火するおそれがないように施設します。
この整理で言えないこと
- 個別の工場・倉庫の粉じんが、爆燃性・可燃性・それ以外のどれに当たるかは判定しません。
- 電気機械器具防爆構造規格の細かな構造要件や、製品の適合表示は扱いません。
- ガス蒸気や危険物のある場所(第176条・第177条)と火薬庫(第178条)は別の条文です。第176条は可燃性ガスのある場所の配線工事で整理しています。
- 電気工事そのものの施工は、電気工事士法の資格が必要な場合があります。どの作業が資格の対象かは、各資格のガイドで確認してください。
- 解釈は改正されるため、最新の本文は経済産業省のページで確認してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の場所の粉じんの区分や配線の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第175条)です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいこと:金属管工事の決まり、ケーブル工事の支持点間隔、場所別の屋内配線工事の種類