電気設備の技術基準の解釈 第176条

可燃性ガスのある場所の配線工事(金属管・ケーブルと防爆構造)

可燃性ガスや引火性物質の蒸気がある場所の屋内配線は、金属管工事かケーブル工事の2種類に限られ、電気機械器具は防爆構造のものを使います。粉じんの場所(第175条)と違い、合成樹脂管工事は選べません。 解釈第176条の配線・移動電線・電気機械器具の決まりを、条文の順に整理します。

公開日: 2026-10-24 / 最終更新: 2026-10-24 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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第176条が対象にする場所と、2つの施設方法

第176条の対象は、可燃性のガスまたは引火性物質の蒸気が漏れたり滞留したりして、電気設備が点火源となり爆発するおそれがある場所です。条文は、可燃性のガスを「常温で気体であり、空気とある割合で混ざった状態で点火源があると爆発を起こすもの」、引火性物質の蒸気を「火のつきやすい可燃性の物質で、その蒸気と空気とがある割合で混ざった状態で点火源があると爆発を起こすもの」と説明しています。

この場所の低圧または高圧の電気設備は、第1項の第一号または第二号のいずれかで施設します。

第176条第1項の施設方法
号施設方法
第一号解釈が示す配線工事・移動電線・電気機械器具の決まりに従い、危険のおそれがないように施設する方法
第二号日本産業規格 JIS C 60079-14(2008)「爆発性雰囲気で使用する電気機械器具-第14部:危険区域内の電気設備(鉱山以外)」の規定により施設する方法

以下は、第一号の内容です。

屋内配線等は金属管工事かケーブル工事

屋内配線、屋側配線、屋外配線、管灯回路の配線、小勢力回路の電線、出退表示灯回路の電線は、金属管工事またはケーブル工事のいずれかで施設します(第一号イ)。条文はこれらをまとめて「屋内配線等」と呼んでいます。

配線を収める管やダクトは、これらを通じてガス等がこの条で定める場所以外へ漏れないように施設します(第一号ロ)。 金属管工事の一般的な決まりは、金属管工事の厚さ・接地で整理しています。

移動電線と電気機械器具

移動電線は、3種または4種のキャブタイヤケーブルで、接続点のないものを使います(第一号ハ)。3種・4種には、クロロプレン、クロロスルホン化ポリエチレン、耐燃性エチレンゴムの各キャブタイヤケーブルが条文に挙げられています。 電気機械器具へ引き込むときは、引込口から可燃性ガス等が内部に侵入し難いようにし、かつ引込口で電線が損傷するおそれがないように施設します。

電気機械器具は、電気機械器具防爆構造規格に適合するものを使います(第一号ニ)。 第二号のJISによる方法を選ぶ場合を除きます。

さらに第一号ホは、第175条第一号のハ・ホ・ヘに準じて施設することを求めています。内容は次の3つです。

特別高圧の電気設備は原則施設しない

特別高圧の電気設備は、第2項が定める場合を除き、第176条第1項の場所に施設しません。例外の1つは、使用電圧が35,000V以下の特別高圧の電動機・発電機と、これらに電気を供給する電気設備を、第1項第一号などに準じて施設する場合です。もう1つは、第191条(電気集じん装置等の施設)の規定により施設する場合です。

粉じんの場所(第175条)との違い

可燃性ガス等の場所(第176条)と粉じんの場所(第175条)の比較
項目可燃性ガス等の場所(第176条)粉じんの多い場所(第175条)
場所の区分区分なし(可燃性ガス・引火性物質の蒸気がある場所を1つの条文で規定)爆燃性粉じん・可燃性粉じん・それ以外の3区分
屋内配線等の工事金属管工事・ケーブル工事爆燃性は金属管工事・ケーブル工事。可燃性は合成樹脂管工事も選べる
移動電線3種または4種のキャブタイヤケーブル、接続点なし爆燃性は3種または4種。可燃性は1種以外のキャブタイヤケーブル
電気機械器具電気機械器具防爆構造規格に適合するもの同規格の粉じん防爆特殊防じん構造(爆燃性)・普通防じん構造(可燃性)
国際規格・JISによる方法JIS C 60079-14(2008)(第二号)IEC 60079-14(2013)(第四号)

粉じんの側の決まりは、粉じんの多い場所の電気設備の決まりで整理しています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の場所が可燃性ガス等の存在する場所に当たるか、配線や機器の適否は、所轄の産業保安監督部や電気主任技術者などの専門家に確認してください。条文は経済産業省「電気設備の技術基準の解釈」(第176条)です。

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次に知りたいこと:低圧の屋側配線・屋外配線に使える工事、ケーブル工事の支持点間隔、場所別の屋内配線工事の種類

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