営業所を変えるときの手続き
営業所の増設・移転の手続き(電気工事業)
営業所を増やす・移すときは、登録をした行政庁が変わらないなら変更届(30日以内)、変わる場合は第8条の手続きになります。新しい営業所には、器具・標識・帳簿の備付けが必要で、一般用電気工事を行う営業所では主任電気工事士の選任(2週間以内)も必要です。この記事は、電気工事業法第8条・第10条・第13条・第19条と施行規則第5条・第7条の本文を、場合分けして整理します。
公開日: 2026-10-23 / 最終更新: 2026-10-23 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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条文はe-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」で確認できます。
増設・移転の4つのパターン
どの手続きになるかは、登録をした行政庁と、営業所を置く都道府県の組み合わせで決まります。
| パターン | 主な手続き | 根拠 |
|---|---|---|
| 同じ都道府県の中で増設・移転 | 変更の日から30日以内に変更届 | 法第10条第1項、規則第7条 |
| 知事登録の事業者が、二以上の都道府県に営業所を持つ | 経済産業大臣の登録を受け、遅滞なく従前の知事に届出 | 法第8条第3項第1号、第13条第1項 |
| 知事登録の事業者が、営業所を廃止して別の一の都道府県へ移す | 移転先の知事の登録を受け、遅滞なく従前の知事に届出 | 法第8条第3項第2号、第13条第1項 |
| 大臣登録の事業者が、一の都道府県にだけ営業所を持つことになった | その日から30日間は従前の登録が有効。その期間内に知事の登録を申請し、受けたら遅滞なく大臣に届出 | 法第8条第1項・第2項 |
提出先の考え方は複数営業所がある場合の電気工事業の提出先で整理しています。
同じ都道府県の中で増設・移転する
営業所の名称・所在の場所と、その営業所の業務に係る電気工事の種類は、登録申請書の記載事項です(第4条第1項第2号)。増設・移転でここが変わるため、変更の日から30日以内に、登録をした経済産業大臣または都道府県知事へ届け出ます(第10条第1項)。
- 届出書は様式第十一(施行規則第7条)
- 営業所の設置に係る変更には、第2条第2項第2号から第4号の書面(主任電気工事士の誓約書、従業員であることを証する書面、免状または実務経験を証する書面)を添える(規則第7条第2号)
- 登録証に記載された事項にも変更があるときは、登録証を添えて訂正を受ける(第10条第2項)
様式の記入欄は変更届出書(様式第11)の書き方で確認できます。
都道府県をまたぐ(登録行政庁が変わる)
都道府県知事の登録を受けた事業者が第8条第3項に当たって新しい登録を受けると、従前の知事の登録は効力を失います(第13条第1項)。新しい登録を受けた後は、遅滞なく従前の知事に届け出ます(第8条第3項)。
- 届出書は様式第五で、経済産業大臣または従前の登録をした都道府県知事に提出する(規則第5条)
- 大臣登録から知事登録へ変わる場合は、30日の経過措置の期間内に申請する(第8条第1項)。申請に対する処分があるまでの間も、従前の登録は有効とされている
- 登録の有効期間は5年(第3条第2項)。更新の手続きは登録更新・変更・廃止の期限カレンダーで確認する
新しい営業所の主任電気工事士
新たに特定営業所を設置したとき、または営業所が特定営業所となったときは、該当することを知った日から2週間以内に主任電気工事士を選任します(第19条第3項第3号・第4号)。 第19条第2項により、登録電気工事業者自身(法人は役員のいずれか)が資格を満たし、自ら主として従事する営業所には適用されません。
主任電気工事士の氏名は登録申請書の記載事項(第4条第1項第4号)で、変更届の対象です。欠けた場合の手続きは主任電気工事士が退職・欠けたときの後任選任、複数の営業所を兼ねられるかは主任電気工事士の複数営業所の兼任で整理しています。
営業所ごとの器具・標識・帳簿
器具・標識・帳簿は、条文が「営業所ごと」に義務づけています(第24条・第25条・第26条)。増設・移転した営業所でも、同じようにそろえます。
- 器具:一般用電気工事のみの営業所は、絶縁抵抗計、接地抵抗計、抵抗および交流電圧を測定できる回路計。自家用電気工事の業務を行う営業所は、これに加えて低圧検電器、高圧検電器、継電器試験装置、絶縁耐力試験装置(規則第11条)。詳細は営業所に備える測定器
- 標識:営業所と施工場所ごとに掲げる(第25条)。詳細は標識の掲示
- 帳簿:営業所ごとに備えて保存する(第26条)。詳細は帳簿の備付けと保存
自家用のみの通知電気工事業者の場合
自家用電気工事のみの電気工事業を営む通知電気工事業者は、登録ではなく通知で、手続きが登録電気工事業者と異なります(第17条の2)。
- 知事に通知した事業者が二以上の都道府県に営業所を持つ、または営業所を廃止して他の一の都道府県に置くとき:新たに通知し、遅滞なく従前の知事に通知する(第3項)
- 大臣に通知した事業者が一の都道府県にだけ営業所を持つようになったとき:知事に通知し、遅滞なく大臣へ通知する(第2項)
- 通知した事項に変更があったとき:第10条第1項を準用し、変更の日から30日以内に通知する(第4項)
次に知りたいこと
- 主任電気工事士が欠けたときは主任電気工事士が退職・欠けたときの後任選任
- 登録後の義務の全体は電気工事業登録後に確認する義務
- 主任電気工事士の役割は主任電気工事士の要件と役割
よくある質問
同じ都道府県の中で営業所を増やしたり移したりしたら、どの届出ですか
営業所の名称・所在の場所は登録申請書の記載事項(電気工事業法第4条第1項第2号)なので、変更の日から30日以内に変更届を出します(第10条第1項)。登録をした行政庁が変わる場合は第8条の手続きになります。
別の都道府県に営業所を増やしたら、登録はどうなりますか
都道府県知事の登録を受けていた事業者が二以上の都道府県に営業所を持つことになったときは、経済産業大臣の登録を受けて、遅滞なく従前の知事に届け出ます(第8条第3項第1号)。従前の都道府県知事の登録は、新しい登録を受けた時点で効力を失います(第13条第1項)。
新しい営業所にも主任電気工事士を置きますか
新たに特定営業所(一般用電気工事の業務を行う営業所)を設置したときは、該当することを知った日から2週間以内に主任電気工事士を選任します(第19条第3項第4号)。登録電気工事業者自身(法人は役員のいずれか)が資格を満たし、その営業所の業務に自ら主として従事する場合は、別に置かなくてよいと第19条第2項が定めています。
営業所ごとに備える器具や標識、帳簿はありますか
器具(第24条)、標識(第25条)、帳簿(第26条)は、いずれも営業所ごとの義務として条文に書かれています。増設した営業所でも、そろえる必要があります。
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。営業所の増設・移転の具体的な手続きは、登録をした経済産業大臣または都道府県知事の窓口で確認してください。
一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。