電気工事士の免状の種類

第一種と第二種電気工事士の違い(工事範囲・免状・講習・主任電気工事士)

第一種と第二種の最大の違いは、従事できる電気工作物です。第二種は一般用電気工作物等(住宅や小規模な店舗など)、第一種はそれに加えて最大電力500キロワット未満の自家用電気工作物(ビル・工場など)の電気工事の作業に従事できます。免状の取り方、5年ごとの講習、電気工事業の登録で必要になる主任電気工事士の条件も、種類によって異なり、この記事では条文と電気技術者試験センターの資料をもとに項目別に整理します。

公開日: 2026-10-22 / 最終更新: 2026-10-22 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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違いの一覧表

受験資格は、どちらの試験も実務経験は不要で誰でも受験できます。差が出るのは、免状をもらう段階の実務経験、従事できる工事、講習、主任電気工事士の条件です。受験資格は電気技術者試験センター「電気工事士の資格概要」のよくあるご質問に書かれています。

第一種電気工事士と第二種電気工事士の違い
項目第一種第二種
従事できる電気工作物自家用電気工作物(最大電力500kW未満の需要設備など)と一般用電気工作物等一般用電気工作物等
試験に合格しただけで免状がもらえるかもらえない。電気工事に3年以上の実務経験が必要もらえる
試験以外の取得ルート都道府県知事の認定(電気主任技術者の免状+実務5年以上など)指定養成施設の課程修了、または都道府県知事の認定
免状取得後の講習交付から5年以内ごとに受講法律上の定めはない
主任電気工事士になる条件免状があれば足り、実務経験は問われない免状交付後に電気工事の実務3年以上
免状の有効期限基本的になく、更新も不要(試験センターのよくあるご質問)

従事できる電気工作物

自家用電気工作物の電気工事の作業は、第一種電気工事士でなければ従事できません。e-Gov法令検索「電気工事士法」第3条第1項は、自家用電気工作物に係る電気工事の作業について、第一種電気工事士でなければ従事してはならないと定めています。 第2項は、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業を、第一種または第二種の電気工事士に限っています。

どちらも、保安上支障がないと認められる軽微な作業は省令で除かれます(詳しくは下のリンク先)。

ここでいう自家用電気工作物は、法第2条第2項で、発電所、変電所、最大電力500キロワット以上の需要設備などを除いたものです(施行規則第1条の2)。 500キロワット以上の需要設備はこの法律の資格の対象外で、そちらの扱いは電気工事士法・電気工事業法の対象外の電気工作物で確認できます。

試験センターのよくあるご質問は、この差を「第一種は工場・ビル等の600V超の電気工事まで対応可能で、第二種は一般住宅などの600V以下が対象」と短く説明しています。 条文の区切りは電圧ではなく、一般用電気工作物等か自家用電気工作物かです。

第二種の免状で自家用電気工作物の現場に入るときの細かい線引きは、第二種電気工事士が自家用電気工作物の工事で従事できる範囲にまとめています。

免状の取得ルート

第二種は試験に合格すれば免状を申請できますが、第一種は試験合格に加えて3年以上の実務経験が要ります。法第4条第3項は、第一種の免状の交付を、第一種試験の合格かつ省令で定める実務経験を持つ者、または都道府県知事が同等以上と認定した者に限っています。

実務経験の期間は施行規則第2条の4第2項で「3年以上の従事」とされ、軽微な工事、特殊電気工事、5万ボルト以上の架空電線路の工事、保安通信設備の工事は実務経験に数えません。 証明書の書き方は第一種電気工事士免状の実務経験証明書の書き方で扱っています。

法第4条第4項は、第二種の免状を、第二種試験の合格者、経済産業大臣が指定する養成施設の課程修了者、または都道府県知事が同等以上と認定した者に交付すると定めています。 免状はどちらも都道府県知事が交付します(法第4条第2項)。申請先は電気技術者試験センター「電気工事士の免状交付」のとおり、住所地の都道府県の窓口です。

試験を受けずに第一種になる認定ルートは、施行規則第2条の5が定めています。電気主任技術者免状の交付を受けた後、電気工作物の工事・維持・運用の実務に5年以上従事した人が対象のひとつです。 試験の科目や学科免除は電気工事士試験の科目・技能試験・学科免除、免状の申請手続は電気工事士免状の交付申請・再交付・書換えの申請先と書類を参照してください。

第一種だけにある5年ごとの講習

第一種電気工事士は、免状の交付を受けた日から5年以内に、自家用電気工作物の保安に関する講習を受ける義務があります。法第4条の3は、経済産業大臣の指定する者が行う講習を、交付の日から5年以内、その講習を受けた日以降も同様に受けるよう定めています。経済産業省令で定めるやむを得ない事由がある場合は除かれます。

第二種の免状には、同様の講習の定めはありません。受講期限と対象は第一種電気工事士の定期講習で確認できます。

電気工事業の主任電気工事士になる条件

登録電気工事業者の営業所に置く主任電気工事士は、第一種なら免状だけで、第二種なら免状交付後に電気工事の実務3年以上が必要です。電気工事業の業務の適正化に関する法律第19条が(一般用電気工事の業務を行う営業所について)主任電気工事士の設置を求め、登録申請書に添える書類は、第二種の場合「免状の交付を受けた後電気工事に関し三年以上の実務の経験を有する者であることを証する書面」と施行規則に書かれています。

通知電気工事業者には、この主任電気工事士の設置義務はありません。 詳しい要件と事業者の区分は主任電気工事士の要件で整理しています。

つまり、これから開業する人が第二種の免状だけを持っている場合、免状を取ってすぐには主任電気工事士になれません。実務経験3年を積むまで、第一種の免状を持つ従業員を主任電気工事士に置く方法を検討することになります。 どの区分で開業できるかは、このサイトの電気工事業区分セルフチェックで目安を確認できます。

どちらの免状でもできない工事

自家用電気工作物のネオン工事と非常用予備発電装置の工事は、第一種でも特種電気工事資格者の認定証がなければ従事できません。法第3条第3項が特殊電気工事を別の資格にしており、種類は施行規則第2条の2に定められています。

また、電圧600ボルト以下の自家用電気工作物の簡易電気工事(電線路を除く)は、認定電気工事従事者の認定証でも従事できます(法第3条第4項、施行規則第2条の3)。 詳細は特種電気工事資格者・認定電気工事従事者の認定基準と申請手続きを参照してください。

窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。免状の交付、実務経験の認定、電気工事業の登録は、各都道府県の窓口または所轄の行政庁へ確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

次に知りたいことは、試験の受験資格と合格基準(受験資格と合格基準)、 免状と事業者登録の違い(資格と登録の違い)、 主任電気工事士の要件(主任電気工事士)です。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。