公式資料をもとに整理

電気工事で撤去した機器の買取・転売と古物商許可

工事で取り外した機器を、顧客から対価を払って買い取り、転売する営業は古物営業で、都道府県公安委員会の古物商許可が必要です(古物営業法第2条第2項第1号・第3条)。一方、無償で引き取って売るだけの場合や、新品の販売に伴う下取り値引きは、要件によって古物営業に当たらないとされています。分かれ目を、警察庁の解釈運用基準から整理します。

公開日: 2026-10-19 / 最終更新: 2026-10-19 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。

撤去した機器は古物にあたる

古物営業法第2条第1項は、古物を「一度使用された物品」などと定めています。エアコンや照明器具、分電盤など、工事で取り外した機器は、一度使用された物品です。

古物営業は、古物を売買・交換する営業のうち、古物を売却することだけ、または自分が売った物品を相手から買い受けることだけを行うもの以外を指します(同条第2項第1号)。営業とは、営利の目的で同種の行為を反復継続して行うことで、本業でなく副業でも営業にあたります(警察庁の解釈運用基準)。

買取り・無償引取り・下取りの場合分け

撤去した機器の扱いと古物営業の該当性(警察庁の解釈運用基準による)
扱い方古物営業根拠となる整理
顧客から代金を払って買い取り、転売する該当古物の買取りを行っている場合は古物営業に該当する
無償、または引取料を受け取って引き取り、売るだけ買取りがなければ対象外古物を売却することのみを行う営業は規制の対象から除かれる。古物の買取りも行っていれば該当する
買い取ったうえで、寄付・無償譲渡する該当しない営利目的がなく、古物営業とは認められないと判断される
新品の販売に伴い、旧機器を下取りして値引きする要件を満たせば該当しない「サービスとして行う値引き」の形式的・実質的要件をすべて満たす場合

下取り値引きの要件

解釈運用基準は、次の要件をすべて満たす下取りを「サービスとして行う値引き」とし、古物営業に当たらないとしています。

年式・型式・傷の有無などで下取り額に差を付ける場合は、実質の要件を満たさないとされています。たとえば、エアコンの取替え工事で新しい機器を販売し、旧機器を一律の金額で値引きする形と、機器ごとに査定して差し引く形では、扱いが分かれます。どちらに当たるかの最終判断は、警察署で確認してください。

廃棄物との線引き

顧客が不要になった機器を引き取る場合は、古物かどうかとは別に、廃棄物かどうかの問題があります。環境省の通知は、廃棄物を「占有者が自ら利用し、または他人に有償で譲渡することができないために不要となったもの」とし、物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無、占有者の意思などを総合的に勘案して判断するとしています。

取引価値は、有償で譲渡され、取引に経済的合理性があるか(処理料金に相当する金品を受け取っていないか、譲渡価格が営利活動として合理的な額かなど)で見られます。名目を有償譲渡としても、それだけで廃棄物でなくなるわけではありません。廃棄物にあたる場合の収集運搬や処理の扱いは廃棄物処理法の問題で、この記事では判定しません。

フロン類を含むエアコン、PCB、蛍光ランプなどの処分は、エアコン撤去とフロン回収のガイド、PCB使用電気機器のガイド、建設廃棄物の排出事業者のガイドで整理しています。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 古物商許可の要否は、営業所の所在地を管轄する警察署(生活安全担当)で確認してください。条文はe-Gov法令検索「古物営業法」、 古物営業の該当性は警察庁「古物営業法等の解釈運用基準」(令和8年5月14日付)、 廃棄物の該当性は環境省「行政処分の指針について」(令和3年4月14日付通知)です。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。