公式資料をもとに整理

建設業許可の相続の認可(死亡後30日以内)

建設業許可を受けていた個人事業主が亡くなった場合、相続人が事業を引き続き営むには、建設業法第17条の3により、被相続人の死亡後30日以内に認可を申請する必要があります。申請から認可までの許可の扱い、一部の業種だけを相続できるか、承継される地位の中身を、建設業法とガイドラインの記載で整理します。

公開日: 2026-10-17 / 最終更新: 2026-10-17 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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死亡後30日以内の認可申請

相続人が被相続人の営んでいた建設業の全部を引き続き営もうとするときは、被相続人の死亡後30日以内に、許可行政庁へ申請して認可を受けなければなりません。根拠はe-Gov法令検索「建設業法」第17条の3第1項です。

申請先は、被相続人が国土交通大臣の許可を受けていたときは国土交通大臣、都道府県知事の許可を受けていたときは原則としてその知事です。ただし、相続人がすでに国土交通大臣の許可や他の都道府県知事の許可を受けている場合は、国土交通大臣とされています。

相続人が複数いる場合は、全員の同意で被相続人の建設業の全部を承継する相続人を選定したときは、その人が「相続人」として申請します。

なお、被相続人が一般建設業の許可を受けていた場合に、相続人がすでに同じ種類の建設業の特定建設業の許可を受けているとき(逆に特定から一般の場合も同様)は、同項の括弧書きで認可の対象から除かれています。該当するかどうかは許可行政庁の窓口で確認してください。

申請中の許可の扱い

認可を申請した場合、被相続人の死亡の日から認可を受ける日(または認可しない旨の通知を受ける日)までは、被相続人に対してした許可は相続人に対してしたものとみなされます。第17条の3第2項の規定です。この間に新しい工事を請け負えるかどうか、現在の契約をどう扱うかは個別の事情によるため、許可行政庁と取引先に確認してください。

一部の業種だけを相続することはできない

国土交通省の建設業許可事務ガイドラインの【第17条の3関係】は、「建設業の全部」を許可を受けている建設業のすべてと説明し、被相続人が許可を受けていた建設業のうち一部の許可のみを相続することは認められないとしています。電気工事業と内装仕上工事業など複数の業種で許可を受けていた個人事業主の場合、電気工事の許可だけを相続したいときは、相続人側でそれ以外の許可をすべて廃業したうえで認可を受ける取扱いです。

廃業の手続きは建設業の廃業届の期限・届出人・様式で整理しています。どの業種を引き継ぐか迷う場合は、期限の30日を考え、早めに許可行政庁へ相談してください。

承継されるのは許可だけではない

ガイドラインは、「建設業者としての地位を承継する」とは、建設業法第3条の許可(更新を含む)を受けたことによって発生する権利と義務の総体をいい、相続人は被相続人と同じ地位に立つと説明しています。このため、建設業者としての地位を相続した相続人は、被相続人の受けた監督処分や経営事項審査の結果についても承継するとされています。

認可の基準は、一般建設業の許可については法第7条・第8条、特定建設業の許可については法第8条・第15条が準用されます(第17条の3第3項)。営業所技術者や財産的基礎の考え方は電気工事業で建設業許可を取得するための人的要件(営業所技術者)と建設業許可(電気工事業)の誠実性・財産的基礎要件を参照してください。

認可後の許可番号・有効期間・費用

相続の認可後の取扱い(建設業法・ガイドラインの記載による)
項目扱い
許可の有効期間承継の日における残存期間にかかわらず、承継の日の翌日から起算する(法第17条の2第7項を第17条の3第5項で準用)
許可番号相続認可申請書の行政庁側記入欄の「許可番号」には、相続人が引き続き使用する許可番号が記載される(ガイドライン。番号の読み方は建設業許可番号の見方)
登録免許税第17条の3による相続の認可手続きについても課されない(ガイドライン「非課税の場合について」)

電気工事業の登録との関係

建設業許可の相続の認可と、電気工事業法に基づく登録電気工事業者の地位の承継は別の制度で、手続きの窓口も期限も異なります。電気工事業法側の承継の考え方は電気工事業登録の承継(相続・事業譲渡・合併・分割)、法人成りの場合の建設業許可の承継は個人事業主が法人成りした場合の電気工事業登録と建設業許可で整理しています。

次に知りたいこと

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。期限や必要書類は相続人の状況や許可行政庁によって異なるため、被相続人の死亡後は速やかに許可行政庁の公式案内で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。