電気工事の資格を3つの法律で比べる
電気工事士・電気工事施工管理技士・電気主任技術者の違い
電気工事士は工事の作業に従事するための免状、電気工事施工管理技士は建設業法の技術者になるための検定の称号、電気主任技術者は事業用電気工作物の保安を監督するための免状で、根拠の法律も使う場面も別です。電気工事業の登録(主任電気工事士の設置)に直接つながるのは電気工事士で、施工管理技士と電気主任技術者は、登録の条文には出てきません。3つを並べて、何ができるか、開業で何が要るかを確認します。
公開日: 2026-10-16 / 最終更新: 2026-10-16 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。
3つの資格の比較表
| 項目 | 電気工事士 | 電気工事施工管理技士 | 電気主任技術者 |
|---|---|---|---|
| 根拠の法律 | 電気工事士法 | 建設業法(技術検定) | 電気事業法 |
| 資格の位置づけ | 第一種・第二種の免状(第4条第1項) | 一級・二級の技術検定に合格した者の称号(施工技術検定の第一次検定は技士補、第二次検定は技士) | 第一種・第二種・第三種などの主任技術者免状(第44条第1項) |
| 交付・実施する主体 | 都道府県知事が免状を交付(第4条第2項) | 国土交通大臣が技術検定を行う(建設業法第27条第1項) | 経済産業大臣が免状を交付(電気事業法第44条第2項) |
| 何のための資格か | 電気工事の作業に従事する(第3条) | 工事現場の技術上の管理をする技術者になる(建設業法第26条) | 事業用電気工作物の工事・維持・運用の保安を監督する(電気事業法第43条) |
| 誰が置くか | 作業をする本人が免状を持つ | 建設業者が、営業所と現場に技術者を置く | 事業用電気工作物の設置者が選任する |
同じ「電気の資格」でも、電気工事士は自分の手で作業してよいか、施工管理技士は現場や営業所に技術者として置けるか、電気主任技術者は設備を持つ側が保安の責任者として選任できるかを決めます。一つの資格が他の資格の代わりになる仕組みではありません。
電気工事士:工事の作業をするための免状
e-Gov法令検索「電気工事士法」第3条は、原則として、自家用電気工作物に係る電気工事の作業は第一種電気工事士でなければ(特殊電気工事と簡易電気工事には別の定めがあります)、一般用電気工作物等に係る電気工事の作業は第一種または第二種電気工事士でなければ、従事してはならないと定めています。保安上支障がない軽微な作業として経済産業省令で定めるものは例外です。
免状は都道府県知事が交付します(第4条第2項)。第一種は試験の合格と実務の経験が要り(同条第3項第1号)、第二種は試験の合格などで受けられます(同条第4項)。対象となる自家用電気工作物は、発電所、変電所、最大電力500kW以上の需要設備などを除いたもので、大規模な需要設備や発電所の工事はこの免状の対象の外です(第2条第2項)。
免状の取得ルートは電気工事士免状の要件、免状が必要な作業は電気工事士の資格が要る作業と補助作業で確認できます。
電気工事施工管理技士:建設業法の技術者の資格
e-Gov法令検索「建設業法」第27条は、国土交通大臣が施工技術の向上を図るために技術検定を行えるとし、検定を第一次検定と第二次検定に分けています(第2項)。電気工事施工管理は、この技術検定の種目の一つです。第二次検定は、技術上の管理と指導監督に係る知識と能力を判定するために行われます(第4項)。
建設業者は、請け負った工事の現場に主任技術者を置かなければならず(第26条第1項)、元請の特定建設業者が下請契約の代金総額が政令の金額以上になる場合は、監理技術者を置かなければなりません(同条第2項)。電気工事施工管理技士は、これらの技術者や営業所に置く専任の技術者の要件に関わる資格です。条文上の結びつきは電気工事施工管理技術検定の受検資格・技士補・手数料で整理しています。
この資格は、建設業許可を持つ建設業者が技術者を置くためのもので、電気工事士法の作業の資格を代わりに満たすものではありません。電気工事士法第3条が求めるのは電気工事士の免状であり、施工管理技士の称号は、同条に出てきません。現場で配線の作業をするには、技士であっても電気工事士の免状が別に必要です。
電気主任技術者:設置者が選任する保安の監督者
e-Gov法令検索「電気事業法」第43条第1項は、事業用電気工作物を設置する者が、工事・維持・運用に関する保安の監督をさせるため、主任技術者免状の交付を受けている者から主任技術者を選任しなければならないと定めています。選任するのは設備を設置する側で、工事を請け負う側の業者ではありません。
免状の種類には第一種から第三種までの電気主任技術者免状などがあり(第44条第1項)、免状は経済産業大臣が交付します(同条第2項)。自家用電気工作物(小規模事業用電気工作物を除く)では、主務大臣の許可を受けて、免状のない者を主任技術者に選任できる制度もあります(第43条第2項)。免状ごとの監督範囲は電気主任技術者の第一種・第二種・第三種の範囲、主任電気工事士との違いは電気主任技術者と主任電気工事士の違いで確認できます。
開業で何が必要か
電気工事業を始めるとき、電気工事業法が営業所に置くよう定めているのは主任電気工事士です。e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」第19条第1項は、登録電気工事業者が、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに、第一種電気工事士、または第二種電気工事士免状の交付を受けた後に電気工事に関し3年以上の実務の経験を有する第二種電気工事士を、主任電気工事士として原則として置くことを求めています(登録業者本人か役員が有資格者で自ら主として業務に従事する営業所には例外があります。同条第2項)。
この法律の本則には、施工管理や主任技術者という語は出てきません(2026年10月16日に条文を検索して確認)。
| やりたいこと | 確認する資格 | 詳しい解説 |
|---|---|---|
| 住宅や店舗の電気工事を自分で施工して請け負う | 電気工事士(登録なら営業所の主任電気工事士) | 主任電気工事士とは |
| 建設業許可を取って大きな工事を請け負う | 営業所の技術者の要件(施工管理技士のほか経歴や他の資格の経路もある) | 営業所技術者の要件 |
| 受変電設備の保安を引き受ける | 電気主任技術者の免状(設置者の選任が前提) | 自家用電気工作物の保安管理の外部委託 |
登録・通知・みなしの4区分は、扱う電気工作物の種類や建設業許可の有無などで決まり、資格の名前では決まりません。目安は下のツールで確認できます。
混同しやすい点のチェックリスト
- 施工管理技士の称号があっても、配線などの作業をするには電気工事士の免状が別に必要だと理解したか
- 電気主任技術者の免状は、工事の資格ではなく、設備の保安監督の資格だと理解したか
- 電気工事業の登録に必要なのは、営業所ごとの主任電気工事士だと確認したか
- 建設業許可の営業所技術者は、施工管理技士以外の経路もあることを確認したか
- 電気主任技術者を選任するのは、設備の設置者であると理解したか
- 自分の目的(作業・現場管理・保安監督)を決めてから、取る資格を選んだか
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。個別の資格や登録の要否は、所轄行政庁(都道府県、経済産業省の産業保安監督部、国土交通省の許可行政庁)に確認してください。
次に知りたいこと:電気工事士免状の要件、電気工事施工管理技術検定の受検資格、電気主任技術者と主任電気工事士の違い
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。