公式資料をもとに整理

太陽光・蓄電池の系統連系申込と電気工事業者の役割

太陽光発電設備や蓄電池を電力会社の送配電網につなぐ「系統連系」の申込は、電気事業法上、発電設備を維持・運用する者が連系先の一般送配電事業者に求めるものです。電気工事業者の仕事である設置工事とは別の手続きです。申込の相手、供給電圧による流れの違い、蓄電池を併設するときの書類、工事を請け負う業者の位置づけの順に示します。

設備の施工に必要な電気工事業の登録や出力区分は太陽光発電設備の施工に必要な電気工事業登録と出力区分で整理しています。

公開日: 2026-10-17 / 最終更新: 2026-10-17 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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系統連系の申込先と根拠

電気事業法第17条第4項は、一般送配電事業者が、発電設備を維持し運用しようとする者から、その発電設備と一般送配電事業者の電線路との電気的な接続を求められたときは、電線路の機能に電気的または磁気的な障害を与えるおそれがあるときその他正当な理由がなければ、接続を拒んではならないと定めています。

系統連系で関わる者と役割
関わる者役割
発電設備を維持・運用する者(設置者)連系先の一般送配電事業者に接続を求める。法律上の申込の主体
一般送配電事業者正当な理由がなければ接続を拒めない。地域ごとに東京電力パワーグリッドなどが担う
小売電気事業者低圧の売電などで窓口になる場合がある(各社の案内による)
電気工事業者設備の設置工事を行う。申込を代行するかは契約と各社の受付条件による

供給電圧による申込の流れの違い

東京電力パワーグリッドの高圧・特別高圧向けのFIT制度の申込案内では、申込の種別を供給電圧で分けています。供給電圧が6kV以上(高圧・特別高圧)のものは同ガイドの手順で扱い、6kV未満(低圧)は、同ガイドの図で「低圧受付」または売電先の小売電気事業者への確認へ進む区分とされています。

同ガイドが示す、高圧・特別高圧でFIT制度を利用する新規申込の流れは次のとおりです。

高圧・特別高圧のFIT制度の新規申込の流れ(東京電力パワーグリッドの案内)
段階内容所要の目安(同ガイド)
事前相談(任意)設置場所付近の送変電設備の連系制限の有無を簡易的に確認する原則1か月以内
接続検討申込(必須)電力系統への影響や設備の新設・増強工事の必要性を技術的に検討する。接続検討調査料は1地点1検討につき22万円(軽微な場合などは不要のことがある)原則3か月以内
受給契約申込(必須)接続検討の回答を踏まえて事業性を判断し、連系を希望する場合に申し込む。系統連系保証金の支払いと、別途の接続供給契約の申込が必要原則6か月以内(回答書の有効期限は回答から1年以内)
事業計画認定書の提出接続契約の締結後に国への事業計画認定を申請でき、取得後に通知書の写しを提出する―

自家消費のみで売電しない場合や、FIT制度を利用しない場合の扱いは、同ガイドの図で別の区分に分かれ、売電先の小売電気事業者への確認が必要とされています。住宅用などの低圧は、各社の申込窓口と様式が異なります。 たとえば関西電力の低圧向けの申込システムの使い分け表は、契約相手が関西電力か他の小売電気事業者かで使うシステムを分け、系統連系の申込にあわせて低圧新増設申込(パワーコンディショナ)が必要としています。

蓄電池を併設するときの書類

東京電力パワーグリッドの高圧向け案内では、電源の種別にかかわらず蓄電池を併設する場合は「蓄電池併設情報確認シート」の提出が求められます。接続検討申込書の様式には、太陽光と蓄電池の併設、太陽光と蓄電池が一体のハイブリッド、パワーコンディショナの二次側に蓄電池をつなぐ構成を含む記載例が用意されています。

蓄電池単体の設置工事に必要な登録は家庭用蓄電池の設置工事に必要な資格と電気工事業登録の境界で確認できます。

電気工事業者の役割と範囲

電気事業法第38条は、構内に設置する電気工作物のうち、出力が経済産業省令で定める出力未満の小規模発電設備で、一定の条件を満たすものを一般用電気工作物とし、それ以外を事業用電気工作物と定めています。設備の区分は、設置者の保安上の義務と、連系の申込に必要な書類の量を左右します。出力の区分と施工に必要な登録は、前掲の太陽光の記事で整理しています。

申込書の作成や提出の代行を電気工事業者が引き受けるかどうかは、設置者との契約と、各一般送配電事業者・小売電気事業者の受付条件で決まります。 電気工事業の登録や建設業許可があることと、申込の代行ができることは別の問題であり、申込の主体はあくまで設備を維持・運用する者です。 設備の仕様に応じた図面や機器の資料は、設置者から求められる場面があります。

工事の請負金額によっては建設業許可が必要になります。区分の目安は太陽光発電設備工事の建設業許可業種(電気工事・屋根工事)で確認できます。

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 申込窓口、様式、調査料、所要期間は一般送配電事業者ごと、また年度ごとに変わります。連系先の一般送配電事業者と契約予定の小売電気事業者の最新の案内で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。