公式資料をもとに整理
従業員を雇う電気工事業者の休業手当(平均賃金の60%以上)と年5日の有給休暇の取得義務
使用者の責に帰すべき事由で従業員を休ませた日は、平均賃金の60%以上の休業手当を払う必要があり、年10日以上の有給休暇がある従業員には年5日を取得させる義務もあります。ここでは、労働基準法第26条・第39条と厚生労働省の資料から、現場が止まった日の扱いと年5日の取得で確認する点を整理します。雨天が使用者の責に当たるかは資料に記載がなく、判定しません。
公開日: 2026-10-08 / 最終更新: 2026-10-08 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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休業手当は平均賃金の60%以上
労働基準法第26条は、使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業期間中の労働者に平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなければならないと定めています(e-Gov法令検索「労働基準法」第26条)。これが休業手当です。工事の中止、資材が届かない、先の現場が終わらず次の現場が始まらないといった日に、従業員を休ませる場面で問題になります。
使用者の責に帰すべき事由とは
厚生労働省のQ&Aは、使用者の責に帰すべき事由を、地震や災害などの不可抗力による場合を除き、資材が集まらなかったために作業ができなかった場合や、機械の故障により休業せざるをえなかった場合など、会社都合によるものと説明しています(厚生労働省「会社の都合で仕事を休まされている。休んでいる分の補償はないのか。」)。
| 休業の理由 | Q&Aの記載 |
|---|---|
| 資材が集まらず作業ができない | 会社都合の例として挙げられています |
| 機械の故障で休業する | 会社都合の例として挙げられています |
| 地震や災害などの不可抗力 | 使用者の責に帰すべき事由から除かれています |
| 雨天・元請や施主の都合で現場が止まる | Q&Aに記載がなく、この記事では判定しません |
雨天や、元請・施主の都合による現場待ちが、不可抗力か会社都合かは、休業の経緯と事業の状況で変わります。この記事は結論を出さず、所轄の労働基準監督署で確認する前提で整理します。
平均賃金の考え方(日給の職人の場合)
平均賃金は、原則として、算定すべき事由が発生した日以前3か月間に支払われた賃金の総額を、その期間の総日数で割った金額です(同法第12条第1項)。ただし、賃金が労働した日や時間で決まる場合や出来高払制の場合は、賃金の総額をその期間中に労働した日数で割った金額の100分の60を下回ってはならないと定められています(同項第1号)。日給で働く従業員は、この最低保障が関係する場合があります。
使用者の責めに帰すべき事由による休業の期間とその期間中の賃金は、平均賃金の計算の期間と賃金の総額から除かれます(同条第3項第3号)。具体的な金額の計算は、賃金台帳をもとに労働基準監督署で確認してください。
年5日の有給取得は使用者の義務
雇入れの日から6か月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者には、10労働日の年次有給休暇を与えなければなりません(同法第39条第1項)。そのうえで、年10日以上の有給休暇が付与される労働者には、使用者が基準日から1年以内に、そのうち5日について時季を定めて取得させなければなりません(同条第7項)。
厚生労働省の解説資料によると、対象は法定の付与日数が10日以上の労働者で、管理監督者や有期雇用労働者も含まれます。使用者が時季を指定する場合は労働者の意見を聴き、できる限りその意見を尊重します。
労働者が自分で請求して取得した日数や、計画的付与で取得した日数は、5日から差し引きます。合計が5日に達した時点で、使用者による時季指定は必要なく、することもできません(厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 年次有給休暇が年10日以上付与される労働者(管理監督者・有期雇用を含む) |
| 期限 | 基準日から1年以内に5日 |
| 差し引ける日数 | 本人が請求して取得した日数、計画的付与で取得した日数 |
| 年次有給休暇管理簿 | 時季、日数、基準日を労働者ごとに明らかにし、与えた期間中と満了後3年間保存 |
| 就業規則 | 使用者が時季指定を行う場合は、対象の範囲と方法を記載(同資料の規定例) |
違反したときの罰則
第26条(休業手当)と第39条第7項(年5日の時季指定)に違反した者は、30万円以下の罰金に処せられると定められています(同法第120条第1号)。年5日については、厚生労働省の資料が、罰則は対象となる労働者1人につき1罪として取り扱われると説明しています。
この整理で言えないこと
- 雨天や現場待ちの日が、使用者の責に帰すべき事由に当たるかは、厚生労働省の資料に個別の記載がなく、この記事では判定できません。
- 休業手当の具体的な金額、休業日を有給休暇に振り替えられるかどうか、日雇いの労働者の平均賃金は、この記事では扱いません。
- 一人親方は労働者ではないため、これらの規定の対象かどうかは、働き方の実態で変わります。この記事では判定しません。
従業員の労災保険・雇用保険は従業員を雇った電気工事業者の労災保険・雇用保険の加入手続き、残業の上限は残業の上限規制と36協定のガイドで整理しています。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。休業手当の要否や金額、年次有給休暇の付与日数と時季指定は、所轄の労働基準監督署または都道府県労働局で最終確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。