公式資料をもとに整理
年次有給休暇の付与日数(勤続年数別・パートの比例付与)
雇入れから6か月続けて働き、その間の全労働日の8割以上出勤した従業員には10日の年次有給休暇を与える必要があり、その後は勤続1年ごとに日数が増えて、6年6か月以上で年20日になります。週の所定労働日数が少ないパートなどは、日数が比例して少なくなります。電気工事業で従業員を雇う事業者向けに、労働基準法第39条と厚生労働省の解説資料から付与日数の表を整理します。
公開日: 2026-10-19 / 最終更新: 2026-10-19 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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付与される条件(6か月・8割出勤)
使用者は、雇入れの日から起算して6か月間継続勤務し、その間の全労働日の8割以上出勤した労働者に、継続または分割した10労働日の有給休暇を与えなければなりません(労働基準法第39条第1項)。条文の要件は勤続期間と出勤率の2つで、賃金が日給か月給かは要件に入っていません。
厚生労働省の解説資料は、対象の労働者に管理監督者や有期雇用の労働者も含まれると説明しています。一方、請負契約で働く一人親方は、労働基準法上の労働者に当たるかどうかが実態で判断されます。雇用か請負かの見分けは請負と派遣・偽装請負のガイドを参照してください。
勤続年数ごとの付与日数
6か月経過後は、6か月経過日から継続勤務1年ごとに日数が加算されます(同条第2項)。通常の労働者の付与日数は、厚生労働省の解説資料で次のとおり示されています。
| 継続勤務年数 | 付与日数 |
|---|---|
| 6か月 | 10日 |
| 1年6か月 | 11日 |
| 2年6か月 | 12日 |
| 3年6か月 | 14日 |
| 4年6か月 | 16日 |
| 5年6か月 | 18日 |
| 6年6か月以上 | 20日 |
たとえば4月1日に雇い入れた従業員は、10月1日に10日、翌年の10月1日に11日が付与されます。付与日数が10日以上の従業員には、使用者が年5日の取得時季を定める義務があります。その扱いは休業手当と年5日の有給取得のガイドで整理しています。
週の勤務日が少ない人の比例付与
所定労働日数が少ない労働者の日数は、通常の労働者の日数を基準に、所定労働日数との比率で少なくなります(同条第3項)。解説資料によると、対象は週の所定労働時間が30時間未満で、かつ週の所定労働日数が4日以下、または年間の所定労働日数が216日以下の労働者です。
| 週の所定労働日数(年間) | 6か月 | 1年6か月 | 2年6か月 | 3年6か月 | 4年6か月 | 5年6か月 | 6年6か月以上 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 4日(169〜216日) | 7日 | 8日 | 9日 | 10日 | 12日 | 13日 | 15日 |
| 3日(121〜168日) | 5日 | 6日 | 6日 | 8日 | 9日 | 10日 | 11日 |
| 2日(73〜120日) | 3日 | 4日 | 4日 | 5日 | 6日 | 6日 | 7日 |
| 1日(48〜72日) | 1日 | 2日 | 2日 | 2日 | 3日 | 3日 | 3日 |
たとえば週3日勤務で雇入れから1年6か月が過ぎた従業員は、表のとおり6日です。週の所定労働時間が30時間以上なら、週4日以下でも比例付与の対象になりません。
8割出勤の数え方で出勤扱いになる期間
出勤率を数えるとき、次の期間は出勤したものとみなされます(労働基準法第39条第10項)。
- 業務上の負傷・疾病の療養のために休業した期間(労災による休業)
- 育児休業・介護休業をした期間
- 産前産後の女性が第65条によって休業した期間
現場の事故による労災の休業で出勤率が8割を割ったように見えても、その期間は出勤扱いで計算します。労災の報告は労働者死傷病報告のガイドを参照してください。
取得の時季・繰越し・時間単位と賃金
有給休暇は労働者が請求する時季に与えるのが原則で、請求された時季に与えると事業の正常な運営を妨げる場合に限り、使用者は他の時季に変更できます(同条第5項)。解説資料は、同じ時期に多数の労働者が休暇を希望して全員に付与し難い場合などを例にしています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 請求権の時効 | 2年。前年度に取らなかった分は翌年度に与える必要がある(解説資料) |
| 半日単位 | 労働者が希望して時季を指定し、使用者が同意した場合に可能(労使協定は不要) |
| 時間単位 | 労使協定が必要で、年5日が限度(同条第4項) |
| 不利益な取扱い | 取得を理由に賃金を減らしたり、精皆勤手当や賞与の計算で欠勤扱いにしたりしない(解説資料) |
休暇中に支払う賃金は、就業規則などで定めるところにより、平均賃金、所定労働時間労働した場合の通常の賃金、または労使協定で定めたときは健康保険の標準報酬月額の30分の1相当額のいずれかです(同条第9項)。
この整理で言えないこと
- 個別の従業員の付与日の判定(入社日・基準日の統一・前倒し付与など)は扱いません。就業規則の定めと労働基準監督署の案内によります。
- 繁忙期に時季変更権を使えるかは、個別の事情で判断が分かれるため、判定しません。
- 賃金の請求期間は未払い賃金の時効のガイドを参照してください。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 付与日数や取得の扱いは、所轄の労働基準監督署または総合労働相談コーナーで確認してください。条文はe-Gov法令検索「労働基準法」、 付与日数の表は厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」です。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。
次に知りたいことは、雇入れ時に書面で示す項目は労働条件通知書のガイド、退職時の賃金の扱いは退職時の賃金支払のガイド、賃金台帳は労働者名簿・賃金台帳のガイドです。