開業後の義務(社用車を使うとき)
社用車5台以上で安全運転管理者を選任(電気工事業)
自動車を5台以上使う事業所(乗車定員11人以上の車は1台以上)では、使用者が安全運転管理者を選任し、選任から15日以内に都道府県公安委員会へ届け出ます。電気工事の作業車と営業車を合わせて5台に達する事業所は対象になります。台数の数え方、副安全運転管理者が要る台数、選任できる人の要件、アルコール検知器による酒気帯び確認の記録までを、道路交通法と警察庁の資料から整理します。
公開日: 2026-10-19 / 最終更新: 2026-10-19 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
運営: 合同会社フューチャープロンプト。AIを活用して作成し、公開前に公式資料と照合しています。誤りのご報告は運営情報へ。
選任が必要になる台数と数え方
道路交通法第74条の3第1項は、一定台数以上の自動車を使用する使用者に、自動車の使用の本拠ごとに安全運転管理者を選任するよう義務づけています。台数は道路交通法施行規則第9条の8が定めています(e-Gov法令検索「道路交通法」、同施行規則)。警察庁の制度概要も同じ内容です(警察庁「安全運転管理者制度の概要」)。
| 使用する自動車 | 選任が必要な人 |
|---|---|
| 乗車定員11人以上の自動車 | 1台以上で安全運転管理者 |
| その他の自動車 | 5台以上で安全運転管理者 |
| 20台以上40台未満 | 安全運転管理者に加えて副安全運転管理者1人 |
| 40台以上 | 20台増すごとに副安全運転管理者1人を追加 |
大型自動二輪車と普通自動二輪車は、1台を0.5台として数えます(施行規則第9条の8第3項)。数える単位は会社全体ではなく、営業所・事務所などの「使用の本拠」です。本社と別の営業所に車が分かれているときは、拠点ごとに台数を見ます。
運行管理者を置く自動車運送事業者などの事業所は、この制度の対象外です(警察庁の概要)。
選任できる人の要件
要件は施行規則第9条の9にあります。
| 項目 | 安全運転管理者 | 副安全運転管理者 |
|---|---|---|
| 年齢 | 20歳以上(副安全運転管理者を置く場合は30歳以上) | 20歳以上 |
| 運転の管理の実務経験 | 2年以上(公安委員会の教習を修了した人は1年以上) | 1年以上、または運転経験3年以上 |
公安委員会が同等以上の能力を認定した人も対象です。解任命令を受けて2年を経過していない人や、酒気帯び運転・無免許運転などの違反行為から2年を経過していない人は、選任できません。違反の一覧は警察庁の概要にあります。
安全運転管理者の業務
安全運転管理者は、運転者の状況把握、運行計画の作成、点呼による確認、酒気帯び確認、運転日誌の記録、運転者への指導などを行います。施行規則第9条の10の業務は次のとおりです。
- 運転者の適性・技能・知識と、法令の遵守状況を把握する。
- 最高速度違反・過積載・過労運転などを防ぐ運行計画を作る。
- 長距離や夜間の運転で疲労のおそれがあるときは、交替する運転者をあらかじめ置く。
- 異常な気象などで安全な運転に支障が出るおそれがあるときは、運転者に指示する。
- 運転しようとする運転者に点呼などを行い、車両の点検と、過労・病気のおそれの有無を確認して指示する。
- 運転者名・運転の開始と終了の日時・運転した距離などを記録する日誌を備え、運転を終えた運転者に記録させる。
- 運転に関する技能・知識について運転者を指導する。
同条は、運転者の酒気帯びの確認とその記録も業務に含めています。次の節でまとめます。
酒気帯び確認の方法と記録
運転しようとする運転者と運転を終えた運転者について、目視などで確認するほか、アルコール検知器を使って酒気帯びの有無を確認し、内容を記録して1年間保存します。施行規則第9条の10の第6号と第7号の内容です。アルコール検知器は常時有効に保持することも求められています。
警察庁のQ&Aは、実務の疑問に次のように答えています(警察庁「安全運転管理者制度のQ&A」)。
| 疑問 | 警察庁の回答の要点 |
|---|---|
| 確認のタイミング | 運転のたびではなく、運転を含む業務の開始前や出勤時、終了後や退勤時に行えば足りる |
| 直行直帰のとき | 対面が原則だが、携帯型アルコール検知器を持たせ、カメラ・モニターや電話などで顔色・声の調子と測定結果を確認する方法が考えられる |
| 検知器の性能 | 呼気中のアルコールを検知し、有無や濃度を警告音・警告灯・数値などで示す機能があればよい。取扱説明書に基づき管理し、定期的に故障の有無を確認する |
| 個人で買った検知器 | 基本は使用者が購入するもの。個別の事情で使うときは、安全運転管理者が正常に作動するかを定期的に確認する |
| 管理者以外の確認 | 管理者が不在などで適切に行えないおそれがあるときは、管理者があらかじめ指定し、確認方法などを指導した副安全運転管理者などの補助者に行わせてよい |
現場への直行直帰が多い電気工事業では、直行直帰の扱いを事前に決めておくと、記録の抜けを防げます。
選任の届出と講習
第74条の3第5項は、安全運転管理者または副安全運転管理者を選任したときは、選任した日から15日以内に、使用の本拠を管轄する公安委員会へ届け出ることを求めています。解任したときも同様です。
同条第9項は、公安委員会から講習を行う旨の通知を受けたときは、選任した人に講習を受けさせることを使用者に義務づけています。届出の様式や提出先(警察署・電子申請)は都道府県警察によって案内が違うため、管轄の警察署で確認してください。
同条第6項と第8項により、公安委員会は、要件を欠く管理者の解任や、管理者に必要な権限・機材を与えていない使用者への是正措置を命じることができます。作業車の運転免許の確認は電気工事の作業車を運転できる免許区分、道路を使う作業の許可は作業車を使う道路使用許可で整理しています。
この整理で言えないこと
- 自社の車がどの台数に数えられるか(リース車、従業員の私有車の業務使用など)は、車の使い方で変わります。この記事では個別に判定しません。
- 罰則の内容と、届出書の具体的な書き方は扱いません。
- 運送事業としての運行管理や、貨物軽自動車運送事業の扱いは扱いません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。自社の事業所が選任の対象になるかと届出の方法は、使用の本拠を管轄する警察署または都道府県警察に確認してください。
従業員を雇う前提で電気工事業の登録の区分を整理するには、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、確認が必要な項目を分けて表示できます。