休業・営業を止めるとき
電気工事業の休業中の扱い(廃止届との違い・義務)
電気工事業法と施行規則には、休業や休止の届出を定めた条文がありません。仕事を止めても、廃止届を出すまでは登録は続き、帳簿の保存・登録の更新・変更の届出・主任電気工事士の設置に関する条文も、休業中だからといって外れるとは書かれていません。廃止届との分かれ目と、休業中に確かめておく項目を整理します。
公開日: 2026-10-17 / 最終更新: 2026-10-17 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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休業の届出は条文にない
電気工事業の業務の適正化に関する法律(電気工事業法)と同法施行規則の条文を確認したところ、「休業」「休止」を扱う規定は見つかりませんでした。届出が定められているのは、登録事項の変更(法第10条)、廃止(法第11条)、承継(法第9条)などで、営業を一時的に止める手続きは含まれていません。
条文はe-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」、同法施行規則で2026年10月17日に確認しました。
条文に休業の届出がないので、「休業届」という名前の様式は電気工事業法の側にはありません。都道府県が独自の案内を出している場合は、登録をした行政庁の窓口で確かめてください。
休業と廃止届の分かれ目
廃止の届出は「電気工事業を廃止したとき」に、廃止の日から30日以内に出します(法第11条)。仕事が当面なくても、電気工事業を続ける前提でいるなら、条文の上では廃止に当たらず、登録は有効期間の満了まで続きます。
| 状態 | 届出 | 登録 | 根拠 |
|---|---|---|---|
| 受注を止めているが再開する前提 | 休業の届出は条文にない | 満了日まで有効 | 法第3条第2項 |
| 電気工事業をやめた | 廃止の日から30日以内に廃止届 | 廃止届と登録証の返納 | 法第11条、法第15条 |
| 営業所の所在地・主任電気工事士などが変わった | 変更の日から30日以内に変更届 | 変更後も継続 | 法第10条第1項 |
やめる時期が見えているなら、休業のまま放置せず廃止届を出す手もあります。手続きの一覧は電気工事業を廃業するときの手続き一覧にあります。
休業中も続く義務の一覧
次の義務は、条文上、休業を理由に除外する定めがないものです。
| 項目 | 条文の内容 | 根拠 |
|---|---|---|
| 変更の届出 | 登録事項(氏名・住所、営業所、役員、主任電気工事士など)に変更があれば、変更の日から30日以内に届出。届出をしないと登録の取消しまたは事業停止命令の対象になりうる | 法第10条第1項、法第28条第1項 |
| 帳簿の備付けと保存 | 営業所ごとに帳簿を備え、記載の日から5年間保存 | 法第26条、施行規則第13条第2項 |
| 登録の更新 | 有効期間は5年。満了後も営業を続けるなら更新の登録が要る | 法第3条第2項・第3項 |
| 主任電気工事士の設置 | 一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに置く(登録電気工事業者または法人の役員が要件を満たす第一種電気工事士などで、自ら主として従事する営業所は除く)。欠けたときは知った日から2週間以内に選任 | 法第19条第1項・第3項 |
帳簿の5年保存は、電気工事ごとに6項目を記載したものが対象です(電気工事業の帳簿に記載する6項目と5年保存)。廃止した場合の帳簿の扱いは廃業した後の帳簿の扱いで整理しています。
休業中に更新の満了日が来るとき
登録電気工事業者の有効期間は5年で、満了後も電気工事業を営もうとする者は更新の登録を受けなければなりません(法第3条第2項・第3項)。更新の申請をして処分が満了日までに出なければ、従前の登録は処分があるまで効力を持ちます(同条第4項)。
休業中に満了日が来る場合の選択肢は、大きく2つです。
- 再開する前提なら、満了日までに更新を申請します。更新しないで満了日を過ぎると、再開時に新規の登録申請が必要になります。
- 再開の見込みがないなら、更新せずに廃止届と登録証の返納を済ませ、事業をやめた日を明確にします。
満了日の数え方と受付期間は電気工事業登録の更新期限の数え方、日付を入れて確かめるときは登録の更新期限の計算ツールが使えます。
休業中の主任電気工事士
登録電気工事業者は、一般用電気工事の業務を行う営業所ごとに主任電気工事士を置く義務があり、主任電気工事士が欠けるに至ったときは、知った日から2週間以内に選任します(法第19条第1項・第3項)。主任電気工事士は登録申請書に氏名が載る事項で、変わったときは変更届の対象です(法第4条第1項第4号、法第10条第1項)。
ただし、登録電気工事業者(法人は役員のいずれか)が第一種電気工事士などの要件を満たし、自ら主として従事する営業所には、この設置義務は適用されません(法第19条第2項)。
設置義務がある営業所では、休業中に主任電気工事士が退職した場合も、条文には休業中は選任を要しないという例外がありません。欠けたことを知った日から2週間以内に選任する期限は、休業中でも条文上は変わりません。主任電気工事士の資格と役割は主任電気工事士の設置要件で確認できます。
休業を始める前の確認順
- 再開する見込みがあるか、廃止するかを決めます。見込みがなければ廃止届の期限(廃止の日から30日以内)を数えます。
- 登録証で更新の満了日を確かめ、休業の予定期間と重なるかを見ます。
- 主任電気工事士が休業中も在籍する予定かを確かめます。退職の予定があれば、変更届と後任の選任の期限を数えます。
- 帳簿の保管場所と、記載の日から5年の保存期間を整理します。
- 営業所の移転や代表者の変更が休業中に起きる予定なら、変更の日から30日以内の変更届を予定に入れます。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。条文に基づく整理のため、休業中の取扱い、休業の旨の連絡の要否、建設業許可・社会保険・税務の扱いは、登録をした経済産業大臣または都道府県知事の窓口と、それぞれの所管窓口で最新の案内を確認してください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。