公式資料をもとに整理
専任技術者と主任電気工事士の兼任(営業所ごとの専任)
営業所技術者(専任技術者)と主任電気工事士は、同じ営業所なら、専任性は否定されず、同じ人が務められます。別の営業所や別の会社の分は兼ねられません。国土交通省の建設業許可事務ガイドラインの専任性の判断と、経済産業省の電気工事業法の逐条解説を並べて、兼ねられる場合と兼ねられない場合の線引きを整理します。
公開日: 2026-10-17 / 最終更新: 2026-10-17 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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結論:同じ営業所なら兼ねられ、別の営業所では兼ねられない
建設業法第7条第2号は、営業所ごとに営業所技術者(いわゆる専任技術者)を「専任の者」として置くことを許可の基準にしています。電気工事業法第19条第1項は、登録電気工事業者に、一般用電気工事の業務を行う営業所(特定営業所)ごとに主任電気工事士を置くことを求めています。
営業所が別々なら、同じ人が一方の営業所の営業所技術者と、もう一方の営業所の主任電気工事士を務めることはできません。どちらも営業所ごとの専任だからです。
建設業の営業所と電気工事業の特定営業所が同じ場所なら、同じ人が営業所技術者と主任電気工事士を務めることを妨げる定めはなく、建設業側の専任性も否定されません。国土交通省のガイドラインが、他の法令で専任を要する者を専任でないとする扱いから、同じ場所の分を除いているためです。根拠は後の節で示します。
主任電気工事士の資格要件は主任電気工事士の要件と選任の記事、営業所技術者の資格要件は建設業許可の営業所技術者の記事で整理しています。
2つの「専任」の根拠
| 項目 | 営業所技術者(建設業許可) | 主任電気工事士(電気工事業の登録) |
|---|---|---|
| 根拠条文 | 建設業法第7条第2号 | 電気工事業法第19条第1項 |
| 置く単位 | 営業所ごと | 一般用電気工事の業務を行う営業所(特定営業所)ごと |
| 専任の意味 | その営業所に常勤して専らその職務に従事することを要する者(建設業許可事務ガイドライン) | 専らその置かれている営業所において電気工事の作業の管理を行う者で、他の営業所や他の電気工事業者の営業所と兼ねられない(経済産業省の逐条解説) |
| 他の営業所との兼務 | 他の営業所(他の建設業者の営業所を含む)で専任を要する者は、原則として専任の者とはいえない | 兼務は認められず、電気工事業者が異なる場合も認められない |
営業所技術者の欄は国土交通省「建設業許可事務ガイドラインについて」の「営業所技術者等について」の記述、主任電気工事士の欄は経済産業省「電気工事業法の逐条解説」の第4条・第19条の解説によります。主任電気工事士の複数営業所の扱いは主任電気工事士の兼任の記事で詳しく整理しています。
兼ねる場面ごとの整理
| 場面 | 扱い | 根拠 |
|---|---|---|
| A営業所の営業所技術者が、B営業所の主任電気工事士も務める | 兼ねられない。営業所技術者はA営業所に、主任電気工事士はB営業所に専任のため | 建設業法第7条第2号、ガイドライン、逐条解説 |
| 自社の営業所技術者が、別の電気工事業者の営業所の主任電気工事士も務める | 兼ねられない。電気工事業者が異なる場合も認められない | 逐条解説(第19条の解説) |
| 同じ営業所で、営業所技術者と主任電気工事士を同じ人が務める | 兼ねることを妨げる定めはない。主任電気工事士であることだけを理由に、専任の者から外されない(根拠は次の節) | ガイドライン(専任の判断の③のかっこ書) |
| 営業所技術者が、別の事業を個人で営んでいる、または他の法人の常勤役員である | 他の営業等について専任に近い状態と認められる場合は、原則として専任の者とはいえない取り扱い | ガイドライン(専任の判断の④) |
同じ営業所で兼ねられる根拠
ガイドラインは、次のような者を原則として専任の者とはいえないとしています。「建築士事務所を管理する建築士や専任の宅地建物取引士等、他の法令により特定の事務所等において専任を要することとされている者」です。ただし、かっこ書で「建設業において専任を要する営業所が他の法令により専任を要する事務所等と兼ねている場合において、その事務所等において専任を要する者を除く」としています。
つまり、建設業の営業所と他の法令で専任が必要な事務所が同じ場所なら、その事務所で専任を要する者であることだけを理由には、専任の者から外されません。主任電気工事士は、電気工事業法が特定営業所ごとに専任で置くことを求める者で、逐条解説もその営業所で電気工事の作業の管理を行う者としています。したがって、建設業の営業所と電気工事業の特定営業所が同じ場所なら、このかっこ書が当てはまります。
電気工事業法の側にも、同じ営業所での兼任を禁じる記述はありません。ガイドラインは建設業側の専任性の判断で、主任電気工事士の選任そのものは電気工事業法の登録行政庁が見ます。
逐条解説が兼務を認めないのは、他の営業所や他の登録電気工事業者の営業所の主任電気工事士を兼ねる場合です。同じ営業所の営業所技術者を兼ねることは、この禁止の対象に入っていません。
ただし、どちらも常勤して専らその職務に従事することが前提です。住所が営業所から著しく遠い場合や、別の事業を営んでいる場合は、ガイドラインの専任でない扱いに当たることがあります。
この整理の範囲
- 常勤役員が経営業務の管理責任者等と営業所技術者を同一営業所で兼ねる取り扱いはガイドラインにありますが、主任電気工事士との兼任とは別の論点です。
- 営業所技術者や主任電気工事士の資格の個別該当判定、勤務状況や給与の支払状況から見た専任性の個別判断は行いません。
- 特定の人材紹介や講習の利用を推奨するものではありません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。専任性が認められる勤務状況かは、許可行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)と電気工事業の登録行政庁の窓口で確認してください。
営業所ごとに主任電気工事士の要件を満たす人がいるかを手元の情報で確かめるには、主任電気工事士になれるか確認するツールが使えます。まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。