公式資料をもとに整理
電気工事業の登録取消し後の再登録と2年の欠格期間
登録を取り消されると、その処分のあった日から2年間は、本人も、取り消された法人の処分前30日以内の役員も、新たな登録を受けられません(電気工事業法第6条第1項第2号・第3号)。取消しと事業停止の違い、再登録まで待つ期間の数え方、取消し後の工事と登録証の扱いを、条文の順に整理します。
公開日: 2026-10-15 / 最終更新: 2026-10-15 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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e-Gov法令検索「電気工事業の業務の適正化に関する法律」の本則(第3条・第6条・第14条・第15条・第17条・第28条・第36条・第42条)で確認しました。
取消しと事業停止の違い
登録電気工事業者の登録を取り消せるのは第28条第1項で、事業停止(6か月以内)と並ぶ処分です。自家用電気工事のみを行う通知電気工事業者には、第28条第2項で事業停止の定めはありますが、取消しは定められていません。
| 処分 | 対象 | 条文の根拠 |
|---|---|---|
| 登録の取消し | 登録電気工事業者 | 第28条第1項 |
| 事業の全部または一部の停止(6か月以内) | 登録電気工事業者 | 第28条第1項 |
| 事業の全部または一部の停止(6か月以内) | 通知電気工事業者 | 第28条第2項 |
第28条第1項が定める処分の事由は、次の5つです。
- 欠格事由のうち第6条第1項第1号・第3号・第5号に該当することとなったとき
- 第10条第1項の変更の届出をせず、または虚偽の届出をしたとき
- 第19条第3項(主任電気工事士の設置)、第21条第1項〜第3項(電気工事士等でない者の作業従事の禁止)、第22条(請負の制限)に違反したとき
- 第27条第1項・第2項の命令(危険等防止命令)に違反したとき
- 不正の手段により登録を受けたとき
処分の通知、聴聞の手続、罰則との関係は電気工事業法の罰則と監督措置のガイドで整理しています。
再登録を拒否される人と期間
取消しの後、すぐに新しい登録を申請しても、第6条第1項の規定により登録は拒否されます。取消しに関わる欠格事由は次のとおりです。
| 拒否される人 | 期間 | 条文 |
|---|---|---|
| 第28条第1項で登録を取り消された本人 | 処分のあった日から2年を経過しない間 | 第6条第1項第2号 |
| 法人が取り消された場合の、処分のあった日前30日以内のその法人の役員だった人 | 処分のあった日から2年を経過しない間 | 第6条第1項第3号 |
| 第1号〜第4号のいずれかに該当する人が役員にいる法人 | その人が該当する間 | 第6条第1項第5号 |
| 事業停止を命じられ、停止期間中に廃業した人 | 停止期間に相当する期間を経過しない間 | 第6条第1項第4号 |
- 取消しの2年は「処分のあった日」から数えます。取消しを知った日や、登録証を返した日ではありません。
- 個人事業主が取り消された後に法人を設立しても、その法人の役員に取消しを受けた人が入れば、第5号により法人の登録が拒否されます。
- 第4号は、取消しではなく事業停止の場合の定めです。停止中に廃止届を出して逃れようとしても、停止期間と同じ長さの間は登録できません。
- 2年が経過すれば登録を拒否される理由はなくなりますが、ほかの欠格事由(罰金以上の刑など)や、営業所ごとの主任電気工事士の要件(第6条第1項第6号)は別に審査されます。
欠格事由の全体は登録を拒否される主な理由のガイドに一覧があります。
取消し後の工事・登録証・無登録営業
登録証の返納
第15条は、登録が効力を失ったときは、その日から30日以内に登録証を返納するよう定めています。返納しなかった者は、第42条第2号により1万円以下の過料の対象です。
請負済みの工事を続けられるか
登録の消除(第14条)の場合は、消除前に結んだ請負契約の工事を引き続き施工でき、完成の目的の範囲では登録電気工事業者とみなされます(第17条第1項・第3項)。この場合、消除の後に遅滞なく注文者へ通知する必要があり、注文者は通知を受けた日から30日以内に限り契約を解除できます(第17条第1項・第4項)。行政庁は、公益上必要があるときは施工の差止めを命じることができます(第17条第2項)。
事業停止を命じられた場合も、第28条第4項により第17条第1項が準用されます。ただし、第17条の見出しと本文は「登録の消除の場合」を前提にしており、取消しの場合に同じ扱いになると明記した条文は、本則から見つけられませんでした。取消しを受けた後に、請負済みの工事を続けてよいかは、処分を行った登録行政庁に確認が必要です。
登録のないまま営業すると
登録を受けないで電気工事業を営んだ者は、第36条第1号により、1年以下の拘禁刑もしくは10万円以下の罰金、またはその両方に処せられます。新規の請負を取り消し後も続けると、この罰則の対象になります。第28条の命令に違反した場合も、第36条第3号で同じ罰則です。
廃業した場合の帳簿の扱いは廃業後の帳簿の保存のガイド、登録証そのものは登録証のガイドで確認できます。
この整理で言えないこと
- 2年の満了日を、個別の処分について計算して示すことはしません。処分通知に書かれた日付を根拠に、登録行政庁へ確認してください。
- 取消しを受けた後の個別の工事の続行可否、再登録の見通し、役員が欠格事由に当たるかの判定はしません。
- 建設業許可の取消しは別の法律(建設業法)の制度で、この記事では扱いません。
- 特定の事務所・専門家・講座を推奨するものではありません。
公式窓口で確認する事項
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。処分の通知書の記載、欠格期間の満了日、取消し後の工事の扱い、再登録の申請の可否は、処分を行った経済産業大臣または営業所所在地の都道府県知事(登録行政庁)にご確認ください。
まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。