第一種免状の交付申請に添える書面
第一種電気工事士免状の実務経験証明書の書き方
第一種電気工事士免状を試験合格のルートで申請するには、電気工事の実務経験3年以上を証明する書面を、勤務先の雇用主に書いてもらいます。在籍した年数ではなく、経験として数えられる工事だけを通算します。様式や事前確認の方法は都道府県で違うため、ここでは富山県と広島県の公開資料を例に、書く前に整理しておく点をまとめます。
公開日: 2026-10-14 / 最終更新: 2026-10-14 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26
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第一種免状の実務経験の年数(試験合格は3年以上、認定は5年以上など)
第一種電気工事士免状は、試験に合格して実務経験を持つルートと、知事の認定を受けるルートで交付されます(電気工事士法第4条第3項)。実務経験の年数は、ルートごとに次のとおりです。
| ルート | 必要な実務経験 | 出典 |
|---|---|---|
| 試験合格 | 第一種試験に合格し、電気に関する工事に3年以上従事 | e-Gov法令検索「電気工事士法施行規則」 |
| 認定(電気主任技術者免状) | 免状の交付後、電気工作物の工事・維持・運用に関する実務に5年以上従事 | e-Gov法令検索「電気工事士法施行規則」 |
| 認定(高圧電気工事技術者試験) | 試験に合格した後、電気に関する工事に3年以上従事(富山県・広島県の案内) | 富山県「第一種電気工事免状申請に係る実務経験証明書について」 |
この記事が扱うのは、書面を書く場面です。ルート全体と申請先は電気工事士の免状要件、第二種免状取得後の経験を主任電気工事士の要件として数える場合は第二種電気工事士の実務経験で整理しています。
経験として数えられない工事(無資格・無監督・軽微な工事など)
広島県の手引きは、実務経験を「会社に所属した在籍期間」ではなく、算入できる工事だけを抜き出して通算するよう求めています。算入できない工事は、次のとおりです。
| 区分 | 例 |
|---|---|
| 無資格の工事 | 第二種免状の交付日より前に行った一般用電気工作物の工事。認定電気工事従事者認定証の交付日より前に行った、最大電力500kW未満の自家用電気工作物の低圧工事。勤務先が電気工事業の登録等を受けずに行った工事 |
| 無監督の工事 | 主任電気工事士の監督を受けずに行った一般用電気工作物の工事。電気主任技術者の監督を受けずに行った自家用電気工作物の工事 |
| 軽微な工事 | 電圧600V以下で使う接続器や開閉器にコードを接続する工事、電力量計やヒューズの取付けなど |
| 特殊電気工事 | ネオン工事、非常用予備発電装置工事 |
| そのほか | 電圧5万V以上の架空電線路の工事、保安通信設備の工事、キュービクルなどの基礎工事、自分で施工しない設計・検査だけの業務、電気機器の製造 |
第二種免状を取る前に行った一般用電気工作物の工事は、経験になりません。自家用電気工作物(高圧で受電する施設など)の低圧工事は、第二種免状だけでは行えず、認定電気工事従事者認定証が要ります。コンビニエンスストアや学校のように敷地内にキュービクルがある施設は、低圧の部分でも自家用電気工作物にあたると広島県の手引きは注意しています。
家電販売に付随する局部的な工事、養成施設で教員として担当した実習、勤務先が倒産した場合は、広島県の手引きが「個別に問い合わせる」としている扱いです。自分で判断せず、申請先の窓口に確認してください。出典は広島県「第一種電気工事士(試験合格者)のための実務経験証明書作成の手引き」と富山県の案内です。
証明書に必ず書く7項目(富山県の案内)
富山県は、試験合格・認定のどちらでも、次の7項目を必ず書くよう案内しています。ほかの都道府県の様式は項目の並びが違うことがあるため、申請先の様式で確認してください。
| 番号 | 項目 | 書き方の例 |
|---|---|---|
| 1 | 期間 | 「○年○月○日から○年○月○日まで」の形で書く |
| 2 | 電気工作物の種類 | 一般用、自家用、電気事業用のどれか |
| 3 | 従事した立場 | 「主任電気工事士の指導監督のもと作業員として」(一般用)、「電気主任技術者の指導監督のもと作業員として」(自家用・電気事業用) |
| 4 | 工事内容 | 新設工事、改修工事、屋内配線工事など |
| 5 | 工事件数 | 期間中の件数 |
| 6 | 免状の種類、交付日、合格通知日 | 持っている免状や認定証の種類と、その交付日 |
| 7 | 証明者欄の電気工事業の登録(届出・通知)番号 | 勤務先の電気工事業者としての番号 |
富山県は、工事件数が著しく少ないと実務経験として認められないことがあること、記載例をそのまま写さないことも注意事項に挙げています。工事の内容と期間は、自分の経歴に即して具体的に書きます。
誰が証明するか(雇用主・2社以上・倒産時・押印)
- 証明者は、原則として実務を積んだ勤務先の雇用主(代表者)です。広島県は、支店長や工場長に証明行為が委任され、委任状が出されている場合は、その人の証明でもよいとしています。
- 2社以上で3年を満たすときは、1社につき証明書を1枚用意し、それぞれの証明者から証明を受けます。
- 勤務先が倒産などで証明がもらえないとき、富山県は、都道府県の電気工事工業組合など法人格のある団体の代表者の証明を受けるよう案内しています。広島県は個別の問い合わせを求めています。扱いは県で違うため、先に窓口へ確認します。
- 押印は屋号印や角印ではなく、個人の事業主は丸印(認印でも可)、法人は登記印(実印)です(富山県・広島県とも同じ趣旨)。
勤務先に頼むときは、工事の件数と期間を自分の記録から整理して渡すと、証明者が確認しやすくなります。当サイトは書面の代筆や、個別の経験が数えられるかの判定は行いません。
提出前の事前確認(富山県・広島県の例)
富山県と広島県は、免状の申請前に実務経験証明書の内容を確認する窓口を設けています。理由は、書面に不備が多いためです。
- 富山県: 証明書を書いたうえで、電子申請サービスから事前確認の申請をします。
- 広島県: 申請前に、証明書の案をメールまたはFaxで送ります。証明者に押印してもらう前に送ります。書き直しになることがあるため、Wordでの記載を勧めています。
ほかの都道府県に同じ仕組みがあるかは、この記事では確認していません。申請先の都道府県の案内で確かめてください。広島県の申請に付ける書類は、広島県「第一種電気工事士免状の交付を受けるとき(試験合格者)」にあり、試験結果通知書の原本や、第二種免状または認定電気工事従事者認定証の写しなどです。
電気工事業の登録申請に付ける実務経験証明書との違い
免状の申請に付ける証明書と、電気工事業の登録で主任電気工事士の要件を示す証明書は、別の書面です。前者は電気工事士として免状を受けるための経験、後者は営業所に置く主任電気工事士が免状交付後に3年以上の経験を持つことの証明で、提出先も目的も異なります。同じ経歴でも、それぞれの様式に書き直すことになります。
主任電気工事士の要件は主任電気工事士の選任要件、開業時の資格と登録の関係は電気工事士資格と電気工事業登録の違いで確認できます。
本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。ご自身の経験が算入できるか、証明者や様式が要件を満たすかは、書面を準備する前に申請先の都道府県へ確認してください。
法令と各県の案内は、改正や様式の変更で変わることがあります。最新の様式・書き方は、免状を申請する都道府県の案内で確認してください。一次資料の一覧は公式資料・根拠で確認できます。