チラシ・ホームページの表示

電気工事のチラシ・ホームページの表示と景品表示法

一般の消費者に向けた電気工事のチラシやホームページの表示は、景品表示法の対象です。実際より著しく優れている、または価格や条件が実際より著しく有利だと誤認させる表示は、故意や過失がなくても不当表示として禁止されます(景品表示法第5条第1号・第2号)。

この記事は、電気工事の事業者が自社の広告を作るときに確認したい、優良誤認と有利誤認の違い、二重価格表示、おとり広告、命令と課徴金の仕組みを、条文と消費者庁の資料で整理します。

公開日: 2026-10-19 / 最終更新: 2026-10-19 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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景品表示法の対象になる表示

景品表示法の不当表示の規制は、事業者が自己の供給する商品または役務(サービス)の取引について行う表示が対象です(e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」第5条)。電気工事は役務に当たります。登録電気工事業者か通知電気工事業者か、個人事業か法人かは、条文上の要件になっていません。

消費者庁の価格表示の考え方は、表示の媒体を問わず適用されるとしています。商品本体の値札、店頭、チラシ、新聞・テレビ、インターネットの広告が含まれます(消費者庁「不当な価格表示についての景品表示法上の考え方」)。

この考え方が対象にするのは一般消費者に対する価格表示です。住宅のリフォームや家電の設置のように、個人の依頼者に向けた広告が中心になります。

不当表示かどうかは、表示全体を見て一般消費者がどう受け取るかで決まります。同じ資料は、判断で事業者の故意や過失の有無は問題にされないと明記しています。

優良誤認と有利誤認の違い

第5条は、内容に関する表示(第1号)と、価格などの取引条件に関する表示(第2号)を分けています。消費者庁の「表示規制の概要」が挙げる定義と例は次のとおりです(消費者庁「表示規制の概要」)。

優良誤認表示と有利誤認表示の比較
項目優良誤認表示(第5条第1号)有利誤認表示(第5条第2号)
対象商品・サービスの品質、規格その他の内容価格その他の取引条件
問題になる表示実際のものよりも、または競争業者のものよりも著しく優良だと示す表示実際のものよりも、または競争業者のものよりも取引の相手方に著しく有利だと誤認される表示
消費者庁が挙げる例カシミヤ混用率が80%程度のセーターに「カシミヤ100%」と表示した「他社商品の2倍の内容量です」と表示したが、実際は他社と同程度だった

例は物品の事例ですが、条文は商品と役務を区別していません。電気工事の広告で「他社より高い技術」のように競争業者との比較を含む表示は、実際に違いがあるのかを説明できる必要があります。

第5条第3号に基づき、告示で指定された表示も禁止されています。消費者庁の概要には、おとり広告に関する表示や、一般消費者が事業者の表示であることを判別することが困難である表示などが並びます。

価格表示と二重価格表示の考え方

価格を示すときは、(1)販売価格、(2)その価格が適用される商品や役務の範囲(関連する商品・役務が一体的に提供されているか)、(3)その価格が適用される顧客の条件を正確に表示する必要があります。これらが実際と違う、またはあいまいだと、安いという誤認を与えて不当表示に当たるおそれがあると、消費者庁の資料にあります。

「通常価格◯円のところ◯円」のように比較の価格を並べる表示を、二重価格表示といいます。比較に使う価格が過去の販売価格のときの基準を、消費者庁の資料は次のように示しています。

同じ資料は、内容や適用条件が異なる商品・役務の価格を比べて安く見せる表示も、不当表示に該当するおそれがある例として挙げています。工事の内容や範囲が違う2つの見積額を並べて「◯割引」とする表示は、この点の確認が必要です。なお、工事は現場ごとに内容が変わるため、「通常価格」に当たる金額が何を含むのかを書面で説明できるかが、確認の出発点になります。

おとり広告

おとり広告は、広告やチラシで取引を申し出た商品や役務について、実際には申出どおりに購入できないのに、購入できると誤認させる表示を指します(消費者庁「『おとり広告に関する表示』等の運用基準」)。同じ資料は、広く申し出た取引には申出どおりに対応する必要があり、取引に制約があるときは広告に明瞭に書く必要があるとしています。

運用基準には、取引の準備がされていない例として、販売数量を表示したのにその一部しか応じられない場合や、写真で示した品揃えの一部に応じられない場合が挙がっています。「先着10名様限定の特別価格」と書くなら、その数と条件を実際に守れるかが問われます。事業者の責任でない事情で応じられない場合でも、条件どおりに取引する旨を告知し、希望する顧客に遅滞なく応じているときは、不当表示に当たらないものとして扱われます。

効果や性能をうたうときの裏付け資料

サービスの内容、効果、性能に関する優良誤認の疑いがあるとき、内閣総理大臣(権限は消費者庁長官に委任)は事業者に、期間を定めて表示の裏付けとなる合理的な根拠の資料の提出を求めることができます。資料が出ないか、根拠と認められないときは、措置命令との関係では不当表示とみなされ、課徴金納付命令との関係では不当表示と推定されます(景品表示法第7条第2項・第8条第3項)。

たとえば「電気代が◯割下がる」のような効果をうたう場合は、その数字の根拠となる測定や計算の資料を、提出を求められたときに示せる状態にしておく必要があります。

命令・課徴金・罰則

不当表示に対する主な措置(景品表示法)
措置内容条文
措置命令違反行為の差止め、再発防止に必要な事項、公示などを命じる。違反行為がすでになくなっていても命じられる第7条
課徴金納付命令優良誤認・有利誤認の期間中の対象役務の売上額の3%。過去10年以内に課徴金納付命令を受けた者が、その後も違反行為をしていたときは4.5%(要件は条文で確認)。課徴金が150万円未満のときは命じられない。表示が不当と知らず、知らないことに相当の注意を怠っていないと認められるときも命じられない第8条
罰金優良誤認・有利誤認の表示をしたとき100万円以下の罰金。措置命令に違反したときは2年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金第48条・第46条

課徴金の対象期間は、違反行為をした期間に、やめた日から6か月を経過する日まで(その前に誤認を解消する措置をとったときはその日まで)の取引を加えた期間で、3年が上限です。条文は第8条第2項で確認できます。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。自社の表示が不当表示に当たるかや、課徴金の対象かは、消費者庁の表示対策課や、所在地の都道府県の景品表示法の窓口に確認してください。

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