公式資料をもとに整理

有期契約の無期転換ルール(5年超・空白期間)

同じ会社と結んだ有期契約の通算期間が5年を超えた従業員が、いまの契約が終わる日までに申し込むと、その翌日から期間の定めのない契約(無期契約)に切り替わります(労働契約法第18条)。会社は申込みを承諾したものとみなされ、断ることはできません。繁忙期に有期契約で雇う職人や事務員がいる電気工事業の事業者向けに、通算5年の数え方、空白期間による数え直し、切り替え後の労働条件を条文から整理します。

公開日: 2026-10-19 / 最終更新: 2026-10-19 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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無期転換の仕組み(第18条第1項)

同じ使用者との間で結んだ2以上の有期労働契約の通算期間が5年を超える労働者は、現在の契約期間が満了する日までに、その翌日から始まる無期労働契約の申込みができます。使用者は、この申込みを承諾したものとみなされます。

ポイントは、会社の側から切り替える制度ではなく、労働者が申し込んで初めて成立する点です。申込みがなければ有期契約のまま続きます。申込みの期限は「現在の契約が満了する日まで」なので、更新を重ねて通算5年を超えた契約期間中は、その契約が終わる日まで申込みができます。

通算5年の数え方と空白期間

通算するのは、同じ使用者との有期契約の期間です。契約と契約のあいだに空白期間があっても通算されますが、空白期間が一定以上あると、それより前の契約期間は通算に入れません(同条第2項)。

空白期間で通算期間が数え直しになる基準(労働契約法第18条第2項)
空白期間の直前の契約期間通算に入れなくなる空白期間
1年以上6か月以上
1年に満たないその契約期間(二つ以上の契約の間に空白がないときは通算した期間)の2分の1を基礎とした期間(1か月に満たない端数は1か月とする)

2分の1の計算は、厚生労働省令(労働契約法第18条第1項の通算契約期間に関する基準を定める省令)の第2条が定めています。たとえば直前の契約が6か月なら、2分の1の3か月以上の空白で、それ以前の期間は通算されません。

空白期間が上の表の長さに満たなければ、前後の契約は続いたものとして通算します。また、契約が連続していると認められる基準に当てはまる場合は、その間の期間は空白期間として数えません(第18条第2項のかっこ書き)。空白を挟んだ再雇用がこの基準に当たるかは事情によるため、所轄の労働局で確認してください。

切り替え後の労働条件

無期契約の労働条件は、現在の有期契約と同じです。ただし契約期間は無くなり、別に定めがある部分(たとえば就業規則や個別の合意で別に決めた部分)はその定めによります(第18条第1項後段)。

つまり、無期転換したからといって、正社員と同じ賃金や待遇になるとは条文からは読み取れません。賃金や職務を変えるか、そのまま維持するかは、契約や就業規則で決まります。就業規則の作り方は労働条件通知書と就業規則のガイドを参照してください。

契約時に明示する事項

労働基準法施行規則第5条は、契約期間内に無期転換申込みができることとなる有期契約を結ぶときは、通常の明示事項に加えて、無期転換の申込みに関する事項と、申込みに係る無期契約の労働条件を明示するよう定めています。書面の交付が必要なのは、契約期間、就業場所と業務、始業・終業時刻や休日、賃金、退職に関する事項など、同条が挙げる項目です。

つまり、申込みができることとなる契約を結ぶたびに、「この契約の期間中に申込みができること」を労働条件通知書に書いて渡す必要があります。通知書の基本は労働条件通知書のガイドで整理しています。

特例があること

高度の専門的知識を持つ有期雇用労働者で一定の期間内に完了する業務に就く人と、定年後に引き続き雇用される人については、有期雇用特別措置法に基づき、事業主が計画を立てて都道府県労働局長の認定を受けると、無期転換ルールの特例が受けられます。要件や期間は厚生労働省の資料で確認してください。この記事では特例の中身は扱いません。

この整理で言えないこと

公式窓口で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。 個別の契約が無期転換の対象かどうかは、所轄の労働局・労働基準監督署または総合労働相談コーナーで確認してください。条文はe-Gov法令検索「労働契約法」、 明示事項はe-Gov法令検索「労働基準法施行規則」、 特例は厚生労働省「無期転換ルールの特例」です。

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