自家用電気工作物の設置後

自家用電気工作物の設置者変更の届出(相続・社名変更)

設置者が変わったときの届出は、変わり方で分かれます。相続・合併・分割は事業用電気工作物設置者地位承継届出書、社名の変更は保安規程変更届出書、建物の持ち主が替わる場合は主任技術者の選任書類と保安規程の届出です。この記事では、事由ごとの届出と期限の目安、使用開始届が必要になる場合、発電所を廃止したときの報告を、経済産業省の産業保安監督部の資料で整理します。

公開日: 2026-10-22 / 最終更新: 2026-10-22 / 診断ルールの確認日: 2026-07-26

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事由別の届出一覧

必要な届出は、設置者の地位が引き継がれたか、名前だけが変わったか、持ち主が替わったかで決まります。関東東北産業保安監督部のQ&Aと、中国四国産業保安監督部の手引から、事由ごとの書類を表にしました。

設置者に関する変更と主な届出
事由主な届出
相続・合併・分割で引き継いだ事業用電気工作物設置者地位承継届出書
建物のオーナーが替わった電気主任技術者の選任に関する書類と保安規程届出書
社名(商号)だけ変わった保安規程変更届出書(Q&Aは商号変更なら必要とする。手引は保安規程の本文に変更がある場合)と、自家用電気工作物名称等変更報告書
代表者だけ変わった保安規程変更届出書は不要(Q&A)。手引は名称等変更報告書を求める。ばい煙・騒音・振動の発生施設がある場合は別の変更届出
特別高圧の設備などを譲り受けた自家用電気工作物使用開始届出書
発電所を廃止した自家用電気工作物廃止報告書

根拠は関東東北産業保安監督部「自家用電気工作物の届出に係るQ&A」(問3〜5・問7)と、中国四国産業保安監督部「自家用電気工作物 手続の手引」の「自家用電気工作物の変更に係る諸報告」です。管轄の監督部によって運用が異なる場合があるため、提出先に確認してください。

相続・合併・分割(法第55条の2)

事業用電気工作物の設置者に相続、合併、分割(その電気工作物を承継させるものに限る)があったときは、相続人や合併後の法人などが設置者の地位を引き継ぎます。引き継いだ人は、遅滞なく、その事実を証する書面を添えて主務大臣へ届け出ます(電気事業法第55条の2)。

届出書は事業用電気工作物設置者地位承継届出書です。合併などの対象となる事業場が複数あるときは、まとめて記載する点が関東東北のQ&Aに注意として書かれています。

建物の持ち主が替わるとき

建物のオーナーが替わる場合、関東東北のQ&Aは、電気主任技術者の選任に関する書類と保安規程届出書が必要としています。根拠条文として、電気事業法第42条第1項(保安規程)と第43条(主任技術者の選任)が挙げられています。

中部近畿産業保安監督部(北陸)の手続の留意事項は、保安ネットで保安規程届を出すとき、提出区分を「新規」とするのは事業場の新設と設置者変更のときだと説明しています。設置者変更では旧設置者、旧事業場名、旧委託先を「監督部への確認事項」に書く案内です。外部委託の手続は保安管理業務の外部委託で整理しています。

社名・代表者・住所の変更

商号の変更なら保安規程変更届出書です。代表者だけの変更では保安規程変更届出書は不要で、ばい煙・騒音・振動の発生施設があるときだけ、その施設の変更届出書が必要です(関東東北Q&A問4・問5)。

中国四国の手引は、設置者の名称、本社住所、代表者、事業場の名称・所在地が変わったとき(承継を除く)の書類を、需要設備のみの事業場なら保安規程変更届出書(保安規程の本文に変更がある場合)と自家用電気工作物名称等変更報告書としています。ばい煙発生施設などがある事業場は、名称等変更報告書に代えて氏名等変更届出書を出します。

手引は、これらの報告のほとんどを事由の発生後、遅滞なく(原則として1か月以内)出すものとしています。ばい煙発生施設の設置届は、設置や変更の前にあらかじめ出す点が違います。

使用開始届が必要になる場合

使用開始届は、特別高圧(7,000Vを超えるもの)の設備、またはばい煙・騒音・振動の発生施設を備えたものを譲り受けた場合に必要です。関東東北のQ&A問7が、電気事業法第53条の使用開始の届出を参考に示しています。

中国四国の手引は、工事計画(施行規則別表第二)に係る電気工作物を譲り受けて使用するときも、自家用電気工作物使用開始届出書を出すとしています。工事計画の対象は工事計画の届出が要る工事で確認できます。

発電所や非常用発電装置を廃止したとき

中国四国の手引は、発電所を廃止したときは自家用電気工作物廃止報告書、発電所の一部の設備を廃止したとき(例:出力500kWを4台から3台に減らす)は自家用電気工作物変更報告書としています。保安規程の変更を伴う場合は、保安規程変更届出書も出します。

非常用予備発電装置を廃止した場合は、ばい煙発生施設に当たるときは特定施設等使用廃止届出書、当たらないときは提出書類なしと書かれています。事業場の廃止に合わせて廃止する場合は、自家用電気工作物廃止報告書です。

提出先で確認する事項

本記事は一般的な制度整理であり、個別案件の法的判定、電気工事の施工・設計、申請書類の作成や提出代行を行うものではありません。届出書の様式、添付書類、期限は管轄の産業保安監督部の最新の案内で確認してください。

まだ自身の区分を確認していない場合は、回答を保存・送信しない電気工事業区分セルフチェックを使うと、新規開業時の4区分の目安を表示できます。

次に知りたいことは、設置者の届出の全体像(設置者の手続)、 主任技術者の選任(許可主任技術者制度)、 事故が起きたときの報告(電気事故の報告)です。

一次資料の一覧は公式資料・根拠、判定ルールの検証記録は公開ルール台帳で確認できます。